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金融業界向けデジタル教材
「Core Learn(コア・ラーン)」サービス開発

デジタル教材「「Core Learn」

三菱東京UFJ銀行より新入行員の早期戦力化を図りたいという相談を受けたことをきっかけに、タブレットで学習する金融業界向けデジタル教材「Core Learn(コア・ラーン)」の開発を行った。“教育”という分野に、どのようなノウハウとテクノロジーを持って挑んだのか、デザインとシステム開発、それぞれの担当者が語るプロジェクトの裏側。

関根尚子

教育事業推進本部

関根尚子

2006年入社

阿波弘真

ICT統括本部 システム開発技術部

阿波弘真

2015年入社

はじまりは「教育分野って何か
実績ありませんか?」という相談

トッパンと教育事業の歴史はあまり想起できないかもしれないが、グループ会社で100年以上にわたり、教科書や学習教材の編集・発行を行うなど、常に教育と近い距離にいた。デジタル教材の開発は、そのノウハウを活かし、「教育を通じて、今後激動の世の中を行きぬく人材育成」を目指す自治体、企業に対し貢献したいというコンセプトからはじまった事業だ。

関根 「日本の経済状況から、子どもの7人に1人が貧困状態にあるという数字が出ています。一方で2人に1人が塾に通っているという調査も出ています。そんな経済状況の差で学ぶ機会が不平等であっていいのか。全ての子どもたちに学ぶ権利を持って欲しいという想いで事業はスタートしました」

阿波 「最初に開発したのは小学校3年生から6年生の算数を学ぶ、『やるKey』というサービスです。問題を解き進めることで、どこが分からないから問題が解けなかったのか、その理由を特定しながら、一人ひとりの理解度に合わせて苦手を確実に克服していくサービスです」

クライアントから最初に相談を受けたのは、2015年の12月頃。
担当営業がさまざまな課題をヒアリングするなかで新人教育上の課題の話があがり、教育推進本部に話を持ちかけ、『やるKey』のデモプレゼンを行い、プロジェクトが動き始める。紹介したのは小学生向けのものだったが、「分からない部分を曖昧にしない、徹底的に理解させる」というコンセプトとその仕様に共感され、今回のプロジェクトは始まった。

考えて、考えて、丁寧につくりあげた、
新しい学習体験

クライアントが抱えていた課題は大きく2つ。まず、研修担当者の数が足りないこと。次に、研修を終えた新人は十分学習しているはずなのに、配属先で必要な知識が身に付いていないと現場から声が届いていたこと。

前者は、デジタル教材の導入で自主勉強が可能になり、ある程度解消できるが、後者を解決するには、習得した知識をいかに継続的に記憶し、かつ、それを理解した上で、業務に活かすまでをサポートするための、新しい学習体験の提案が不可欠だった。

テストで点を取るための丸暗記では通用しない、金融系業界特有の課題だった。

阿波「1つの知識を1つの設問で確かめる方式だと、その設問と回答の丸暗記でクリアできてしまいます。それを防止するため、同じ事を問う問題でも質問や見せ方変え、別角度から問う設問を作り、ランダム出題しました。ただ、それで効果的な結果を得るには、膨大な数の設問を用意し、かつどの問題をどのタイミングで出すかを緻密に設定する必要があります」

学習する設問はクライアントからの提供だったが、それぞれの知識はどんな学習体験で身につけるのがいいのかを考え、その学習体験をひとつひとつシステムで実現する必要があった。学習体験にこだわればこだわるほど、それに合うよう精査し、登録していく過程は設問数に比例して大きく、相当な時間を費やした。膨大な設問を登録した後は、それらの設問が出題意図に沿う設計になっているかの確認。丁寧に確認していき、習得して欲しい知識が本当に習得できる学習体験になっているかを見ていく。

関根「デジタルコンテンツといっても、こうしたマンパワーでの極め細やかな工程が、本当に使える良質なコンテンツになり、どんなに時間がかかろうとも、品質の向上には必要不可欠です」

仕様面だけでなく、デザイン面でも多くのこだわりが詰まっている

関根「私の勝手なイメージだったのですが、金融系の方々は、コーポレートカラーをお使いになりたいですとか、スタイリッシュであったり、シンプルなデザインがお好みかと思い、そんなデザインをご提案させていただいたのですが、思い違いでした。
ログイン画面もたくさんのイラストを使うなど、どんどんアイデアが湧き出てきて、モノ作りにもとても積極的でいらしたので、たくさんのコミュニケーションを重ねながらデザインを制作していく過程はとてもやりがいを感じ感謝しています。最終的にお客様に満足いただけたものができたというのはと嬉しいことです」

「Core Learn」の次の可能性

完成したデジタル教材は2016年4月から三菱東京UFJ銀行の社内研修で実際に使われ始めた。しかし、このプロジェクトはここで終わりではない。「Core Learn」には、まだまだ進化の可能性がある。

阿波「指導を担当する講師や人事部門の方が、学習者の成績データを分析しやすくすることに取り組んでいます。さらに将来のことを言えば、新人教育だけで完結せずに、学習データから性格や資質を分析し、その後の人事配置やキャリア形成にデータ活用するといったこともできるようになれたら、と構想はたくさんあります」

関根「インターフェイス面でも、いかに学習者が学習しやすい画面デザインになっているか、また管理者も受講者のデータが読み取りやすい工夫をもっとできないか。デザインの力でできることもまだまだあると思っています」

教育という領域で、理論やデータの裏付けを重視しながら、新たなアプローチを探り続ける教育事業推進本部。あらゆるターゲットに向け人材育成という観点で貢献できる日を目指し、突き進む。

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