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まだ世の中にない価値を生み出し、
実用化へとつなげる研究開発

2013年入社 / 理系(バイオ・環境系)

事業開発研究所
セキュリティ商品 / 技術

田代 智子

まだ世の中にない価値を生み出し、
実用化へとつなげる研究開発

*所属部署、掲載内容は取材当時のものです

パッケージや電子部品、フイルムなど、トッパンが扱うあらゆる分野で、新規事業や新商品を創出するための研究を行う総合研究所で、セキュリティ商材の研究開発を担当する田代。学生時代から研究を行ってきた彼女に、大学の研究室との違いを聞いた。

2013年入社 / 理系(バイオ・環境系)

事業開発研究所
セキュリティ商品 / 技術

田代 智子

パッケージや電子部品、フイルムなど、トッパンが扱うあらゆる分野で、新規事業や新商品を創出するための研究を行う総合研究所で、セキュリティ商材の研究開発を担当する田代。学生時代から研究を行ってきた彼女に、大学の研究室との違いを聞いた。

印刷テクノロジーを活かしたセキュリティ商材

印刷会社がセキュリティの研究を行っているというと、なかなかピンと来にくいかもしれませんね。どういうことをしているかというと、印刷業で培ってきた、微細加工や光学設計の技術を、偽造防止に応用しています。つくるのに高度な技術がいるということは、真似しづらいということですから。具体的には、有価証券やクレジットカード、ブランドタグなどに用いるホログラムの研究を行っています。

とはいえ、真似しようとする側の技術もどんどん発達するので、守る側も常に新しい技術を更新していく必要があります。また、ただ偽造が防止しやすいだけでなく、本物と偽物を見分けやすくすることも重要です。特殊な鑑定機を通さないと見分けられないようでは実用性が乏しいので、人の視覚や触覚で違いが分かるような技術が求められます。

そんなニーズに対して、トッパンの研究所では企画からプロトタイプの制作、特許調査などを行っています。実用化に至った際の量産は生産技術部門が担いますが、量産プロセスを構築するうえでの助言を行うこともあります。既存商材の改善、新規商材の開発、それらに用いる技術自体を追求する要素技術に役割が分かれていますが、完全な縦割りではなく、それぞれがオーバーラップしながら研究を進めています。

私自身は、新規商材開発の担当です。より偽造しにくく、より使い勝手の良いセキュリティ商材をつくり出すことを目指して日々研究を行っています。

チームで補い合って進める研究

どんな商材にするのか、研究員がアイデアを持ち寄るところからスタートするのですが、そのアプローチも様々です。効果(傾けると何かが起こる等)から考えて実現方法を探すこともあれば、別分野で使われている技術(スマホアプリと組み合わせて何かできないか等)から絞り込んでどんな効果にするかを考えることもあります。

最初はこのアイデア出しが苦手で苦労したのですが、分野問わず技術ニュースに目を通すようにしたり、街中のものがどうつくられているかを想像してみたりする癖をつけることで、徐々に案を出せるようになってきました。あとは、すべてを自力で考えるのではなく、他のメンバーのヒントになるような技術を紹介することでも貢献しようという発想もできるようになりました。

そう思えるようになったきっかけは、悩んでいた時期に上司からかけられた言葉です。学生時代は、農学部の森林科学科というところで、木材の見た目と見た人が受ける印象について研究していました。セキュリティとはかけ離れた分野の知識しかなかったので、業務に戸惑うことも多かったんです。アイデア出しに限らず、技術の知識だったり、機械の使い方だったり、できないことが多くて焦っていたときに、「一人で全部できなくてもいい。誰が得意か知っていて、協力してもらえる力を身に付ければいい」と言ってもらって。チームで研究している心強さを感じて、肩の荷が下りたのを覚えています。

実用化を目指す醍醐味

大学の研究室では、いつまでに何をしなくてはいけないという時間の制限はほとんどなかったし、役に立つかどうかよりおもしろければOKというような自由さもありました。それに比べると、社会人としてビジネスに役立つ研究を行うことは、制約の多さを感じる面が多くあります。決められた期間内に成果を出さなければいけないし、いくらおもしろくても実用性がなかったりコストがかかりすぎたりするアイデアは使い物になりません。

一方で、考えたアウトプットが実際に世の中で実用化されるという醍醐味があります。研究成果が世に出るまでには5年から10年かかると言われていて、入社5年目の私はまだ自分で生み出したものが社会で活用されるということを経験できていません。ただ、少しずつそれに近づいていることは実感できています。期限や実現可能性を考えずに研究していたら、きっとそんな実感もあまりなかったのではと思うと、普段は制限のように感じていることこそが、やりがいにつながっているのかもしれません。

私はたまたま研究室のOBにトッパン社員がいたので事業の幅について知る機会がありましたが、たいていの理系学生にとっては「印刷」のイメージが強く、そのまま興味を持つことなく就活を終えることが多いのではないでしょうか? けれど少し調べてみると、思いもしなかったようなユニークな事業を行っているし、それを支える研究のテーマも豊富なことが分かります。学生時代の専攻とは違う分野を任されている社員も少なくありませんが、実務のなかで勉強していけるので、今の専門分野にとらわれずに検討してもらえると嬉しいですね。テーマを越えた技術交流も盛んなので、好奇心旺盛な方にとっては、きっと魅力的な職場だと思います。

PRIVATE PHOTO

中高時代の友人と食事した時の写真です。卒業して10年以上経った今も変わらない雰囲気にいつも癒されています。皆違う業界で働いているので、話していると色々な刺激を受けます。美味しい物を食べながらお喋りする時間がリフレッシュになっています!

新潟で開催された芸術祭の写真です。野外に忽然と現れる巨大オブジェには圧倒されました。他にも、都内では常に色々な企画展が催されているので、気になるものを見つけたら足を運んでいます。それをきっかけに新しい土地を開拓するのも楽しいですね。