*所属部署、掲載内容は取材当時のものです

BEYOND 02

地方創生・観光

今回のテーマは「地方創生」。地域の活性化を目的に、産官学が一体となって携わる国の施策です。凸版印刷では、国や地域と協力し、民間企業の立場から、この社会課題への解決に取り組んでいます。地域のニーズを汲み取り、地域プロモーションや観光事業に携わる4名に、凸版印刷だからこそ実現できる、地方創生の形について語ってもらいました。

SIC情報インフラ本部
地方創生・観光事業推進部 係長
垂石 宏冶
2001年入社
SIC情報インフラ本部
地方創生・観光事業推進部主任
神谷 荘太
2007年入社
SIC情報インフラ本部
地方創生・観光事業推進部
永井 麻里
2017年入社
SIC情報インフラ本部
地方創生・観光事業推進部
太田 誠也
2017年入社

地域の課題に寄り添い、ソリューションを提案

地方創生・観光事業推進部の役割について教えてください。

全国各地の地域の魅力を発信し、観光客との接点を拡大するためのさまざまなサービス提供に関わっています。地域の課題に応じて、現地調査からプロモーションまで、幅広いソリューションを提案しています。

また、「何度も旅したくなる日本」の実現をコンセプトとする観光を起点とした地方創生プロジェクト「旅道®(たびどう)(※1)」を発足しており、日本の魅力を世界に配信する観光ガイドアプリ「旅道®-TABIDO-」など自社メディアも運営していますね。他にも、訪日外国人や在留外国人向けの多言語音声翻訳アプリ「VoiceBiz(ボイスビズ)」や、ホテルの客室向けインフォメーションサービスの提供なども行っています。

※1:旅道®(たびどう)
https://www.tabido.jp/ja/

それぞれの業務内容について教えてください。

私は、部署内での人材育成やプロジェクトの管理を担当しています。メンバーからの相談を受けたり、全体進捗を確認する立場です。隣のチームの太田さんとは一緒にプロジェクトを運用しています。

はい。私は垂石さんと同じ部署で、「旅道®-TABIDO-」をメインに、サイトやアプリの表示方法、使いやすさの向上などを主に担当しています。作っていく過程で出てくる要望や需要については、チームをまたいで議論を進めながら実現しています。神谷さん、永井さんのチームと違い、私たちのチームの特徴は他企業との協業が多いことですね。地方創生に力を入れたい企業から相談を受けることが多く、パートナーとしてお互いの強みを生かしてできることを考えたりもします。

なるほど。私たちは、中央省庁や地方自治体の案件をメインに扱っています。自社が売りたいものを売るのではなく、自治体の課題解決のための提案が仕事です。現地でのヒアリング、課題の整理、PRの手配もしています。

私は神谷さんと同じチームで、どうすれば地域に人を呼び込めるかを考え、地域の魅力をどう発信していくか工夫するのが仕事です。それに伴って、旅行商品やプロモーションツールの制作をします。

自部署で完結するのではなく、企画の提案からソリューションまで、他部署と連携してワンストップで請け負う仕事が多いですよね。私個人としては、今は訪日外国人向けの案件に力を入れています。社内で専門にやっている人が少ないので、自分が早くその専門家になりたいと思っています。

産官学をつなぐハブになる

凸版印刷が地方創生事業に力を入れている背景について教えてください。

日本全体を取り巻く少子化・高齢化の問題は、地方へ行くほど社会環境・経済へのインパクトが大きく、地方の経済的自立、端的に言えば地方税収のアップが大きな課題となっています。
この課題に対して国や地方自治体は様々な対応を図っていますが、原因が地域社会の構造や人口構成・人々の生活様式に至るまで多岐に及んでおり、すぐに解決が図れるものではありません。
そこで、問題解決とは別のアプローチとして政府は、観光立国を目指すという方針を掲げ、この方針に対して官民一体となって取り組んでいるのが現状です。トッパンも社会課題の解決に役立つソリューションを提供する企業として、この問題に積極的に取り組み始めました。
トッパンの強みはコンセプトメイクと実行プランの策定・運用にありますが、長年のビジネスを通して培ったネットワークにより、産官学様々なステークホルダーと連携し、相乗効果を生み出せると考えています。

そうですよね。民間企業の中でも凸版印刷は「情報を分かりやすく伝える」技術に長けていて、日本全国にネットワークがあるので、その強みは地方創生でも活かせると思います。

映像やVR、翻訳などの幅広い制作実績がありますからね。地方創生事業は、その実績を活用できる業務だと言えます。

そういった自社のソリューションを活用して、国や行政と、地域とを繋ぐハブになり、新しい価値を提供していきたいですよね。

クライアントごとに最適解を一緒に作る

お客様の課題解決に取り組む上で心がけていることを教えてください。

昔から凸版印刷は、クライアントについて理解する姿勢を大切にしつつ、一つ一つオーダーメイドの仕事をしていて、それが地域にも受け入れられていると感じます。

まずは相談してみてください、というスタイルですね。

そうですね。地域の課題は地域ごとに全く異なるため、一通りのソリューションや一辺倒の視点は本質的な課題解決には繋がらないんですよね。地域の中にしっかりと入り、話を聴き、一つ一つの課題を一緒に解決していくことが非常に大切ですし、それが凸版印刷のスタイルだと思います。

だから、とにかく現地へ足を運びますよね。月の半分くらいは東京に居ないです。

自分たち主体でなく、現地の目線で取り組むことは本当に大切ですよね。私が担当した案件の中で特に印象に残っているのは、熊本地震のときのもの。震災のあと、香港のテレビ番組を呼んで九州のPRをしたんです。その放映の数か月後、日本のニュース番組で「九州のある地域に香港の観光客が増えている」と話題になりました。
その引き金となったのが、私が関わった香港のテレビ番組だったんです。そのときも、香港のPR会社と組み、現地の事情を分かっている人と取り組んだことで、最適な切り口で情報を届けられたのだと思います。

凸版印刷は、多岐に渡る事業を展開しているからこそ、その幅広い事業の中から、各クライアントに最適なソリューションを提案できるのだと思います。他にも、伝統芸能を様々な人に楽しんで体験して貰うためにICTを組み合わせたサービスをお届けしたり、地域が収益を生み出す手段として再生エネルギー販売事業のサポートをしたりしています。

幅広い人脈を生かして、新しい価値を生む

凸版印刷だからこそ実現できることを教えてください。

先ほどもお伝えしましたが、幅広く事業を展開しているからこそ各クライアントに最適なソリューションを提案できるところですね。

同感です。それに伴って、社内にはもちろん、社外の協力会社にも様々な専門知識を持つ人がいて、いろんな人の知見を借りつつ課題解決のための提案ができるのも凸版印刷だからこそだと思います。

そうですね。そういえば、出版社との繋がりから映画の宣伝業務に携わったこともありました。ロケ地が長野県だったので、映画のPRをしつつ、地域のプロモーションもして欲しいという依頼だったんです。
そのときは、映像制作をしているパートナー企業と共に携わり、パンフレットなどの制作は、すべて自社で対応しました。イベント手配からツールの制作・納品までトータルで関わることができるのは、幅広い事業を手掛ける凸版印刷ならではですよね。

今後は、トッパンの強みである様々な業界や業種との“繋がり“を活かしながら、今までにない新しい連携の形をとり、人々の関係値を強化することを推進していきたいですね。

今後の目標について教えてください。

当面の課題は、地方の魅力を先端技術を持って表現・発信できる仕組みや、行政・地方自治体・各企業との連携を強化し、地方誘客を促す仕組みの確立、また、地方において新たなコミュニティを形成し、新しい軸でのビジネスに取り組むことですね。

私個人としては、様々な人と話す中で、まだまだ知らないことがたくさんあると感じています。できるだけ多くの人と関わりながら、積極的にチャレンジして、知識を増やしていきたいですね。積極性を持つために、自分の意見を臆せず言うことも意識したいと思っています。

私も毎回新しい仕事に挑戦していますが、色々な案件に関われるからこそ、その中で何か一つの分野のプロフェッショナルになりたいですね。関係者皆さんから「この分野なら永井に」と任せてもらえる存在になりたいと考えています。

私は、仕事はもちろんですが、今は家族や趣味などプライベートも充実させたいです。仕事とは直接関係のない、地域のコミュニティとも繋がりを持つことで、仕事にも活きてくると思うんです。

確かに、自分達が住んでいる場所も、一地域なんですよね。だからその地域のコミュニティと繋がることも、実は地方創生の第一歩なんだと思います。自分たちが地域と繋がっていないと、お客様に話もできない。机に座っているだけじゃなく、たくさん遊ばないと駄目ですね。

そうそう。趣味や実体験から生まれる発想もあります。自分の実感から出た言葉じゃないと、相手にも伝わりませんよね。
今後、世の中のサービスの入れ替わりは本当に早いです。自分の同年代が予想もしなかったサービスが、これから生まれてくるでしょう。そんな中で、正解が分からなくても、自分の思う道をどんどん突き進む人に入社していただきたいですね。それを後押しする環境が、凸版印刷にはあると思っています。