MEMBER

前例のない技術で
世の中を変える製品開発

2011年入社 / 理系(電気・電子・通信系)

エレクトロニクス事業本部
ビジネスイノベーション推進本部
実装開発部 / 技術

大久保 航

前例のない技術で
世の中を変える製品開発

*所属部署、掲載内容は取材当時のものです

トッパンの3つの主要な事業の一つである「エレクロトニクス」の領域では、独自の技術を駆使した新たな製品が続々と生み出されている。いま大久保が携わっている「調光フィルム」もその一つ。製品開発の最前線で奮闘する彼が、トッパンでの仕事のやりがいを語る。

2011年入社 / 理系(電気・電子・通信系)

エレクトロニクス事業本部
ビジネスイノベーション推進本部
実装開発部 / 技術

大久保 航

トッパンの3つの主要な事業の一つである「エレクロトニクス」の領域では、独自の技術を駆使した新たな製品が続々と生み出されている。いま大久保が携わっている「調光フィルム」もその一つ。製品開発の最前線で奮闘する彼が、トッパンでの仕事のやりがいを語る。

トッパンが「世界初」を誇る製品の開発に挑む

いま私は、将来世の中でスタンダードになるかもしれない画期的な製品の開発に取り組んでいます。それが「調光フィルム」であり、通電することで透過する光をコントロール出来るという特殊な機能を持ったフィルムです。調光フィルムの開発においては、トッパンがいま業界をリードしています。ほかのメーカーが発表している調光フィルムは、非通電時が不透明で通電時に透明になる仕組みであり、その逆は難しいとされていたのですが、トッパンが業界で初めてそれを実現しました。

この調光フィルムは、例えばオフィスや住宅の窓に使用すれば、スイッチを入れるだけで瞬時に不透明にすることが出来ますし、また映像を投影出来るスクリーンとしての機能も有しているため、私たちの暮らしの様々な場面で活用できます。新たな市場を開拓する製品として社内でも大きな期待を集めており、それを自らの手でつくり出してくことにたいへんやりがいを感じています。

その一方で、製品自体がまだ世の中に現れて日が浅いこともあり、技術的に確立されていない面もたくさんあります。調光フィルムは液晶の光を散乱させる特性を活かして透過光を調節しています。私はその液晶モジュールを駆動させる電源回路の開発を担当していますが、このフィルムの特性について知れば知るほど、まだまだ可能性に満ちた製品であることを実感します。その上で、どうすれば市場が求める機能を実現出来るのか、セオリーがないなか日々試行錯誤を重ねながら開発に取り組んでいます。

新たな製品を開発出来るチャンスが次々と

振り返ると、私のこれまでのトッパンでのキャリアは未知へのチャレンジの連続でした。入社して最初に手がけることになったのは、ディスプレイの最表面に装着して映り込みを抑える「反射防止フィルム」の研究開発で、そこで私は従来製品より反射率を10分の1に低減するというテーマを掲げ、取り組んでいました。当時の私にとっては、非常に難易度の高い仕事でしたが、必要な知識を懸命に吸収して材料開発と光学設計の両面から開発に挑み、ラボレベルで目標とする機能を実現することができました。その時の感激はいまでも心に残っています。

その超低反射フィルムの開発に3年ほど携わり、実用化までこぎつけたところで、4年目からは電極材に低抵抗の銅を使用したタッチパネルの開発に参加することになりました。そこではセンサーをチューニングする駆動回路の設計を担当したのですが、加えて新たな機能を持った銅タッチパネルの企画開発にも関わることになり、そこでも技術者として面白い経験を味わうことができました。例えば、タッチペンに特化したタブレット端末専用の駆動回路の設計および試作開発に挑戦し、度重なる試作と調整を重ねて苦労の末に製品化を実現したこともあります。この製品では、これまでにないほどなめらかな書き味を実現することが出来ました。

こうして若いうちから新たな製品の開発に挑戦出来るチャンスを与えられて、自分が必死で考えてつくり上げたものが世の中に広まっていくのは、トッパンのエレクトロニクス事業の技術者ならではの醍醐味だと思いますね。

この調光フィルムを、すべての人が目に触れる場所に

いま開発している調光フィルムは、住宅やオフィス、商業施設などの建築関連はもちろん、自動車や航空機の窓やサンルーフなど、世の中の様々なところに展開出来るポテンシャルを秘めています。お客さまからも「こんな調光フィルムを実現できないか」というニーズが多数寄せられており、私たちの部署でデモ機を製作することも度々あります。

先日は、グラデーション調に調光可能なデモ機の製作を任され、全体のコンセプト立案から電源回路設計、さらには専門外の機構設計や機械加工まで、技術の幅を広げるために自ら担ってつくり上げました。こうして成果を世の中に次々と送り出し、トッパンの調光フィルムを世界に普及させることがいまの目標です。そしてゆくゆくはIoT(もののインターネット)やAI(人工知能)などの知識やスキルも身につけて、また新たな製品開発に挑戦したいと考えています。

トッパンのエレクトロニクス事業本部は、技術者にとって本当に刺激的な環境です。現場のアイデアを尊重する風土で、10年先の未来の事業を考えるアイデアコンテストなども開催されています。これは年次に関わらず誰でも参加でき、有志でチームを組んで自由な発想で事業プランを提案出来るイベントです。少々突拍子もないアイデアも大いに歓迎され、上位に表彰された企画は事業化に向けた研究開発が進められていきます。「こんな未来をつくりたい」という自分が思い描くビジョンを実現出来るチャンスもトッパンなら大いにありますし、そこに魅力を感じるみなさんにぜひ仲間になっていただきたいと思っています。

PRIVATE PHOTO

昼休みには近くの公園でフットサルをしています。いま私が所属する事業所の同じ建屋内にトッパングループで取り扱う他品種の技術者もおり、そこで普段なかなか接することのない他の技術者の方々と試合を通じて楽しみながら交流して刺激を受けています。

スノーボードが趣味で、冬になると毎年、会社の同僚と滑りに出かけています。私は新潟出身でウインタースポーツには小さい頃からなじみがあり、大学時代からスノーボードを始めました。若い頃は結構真剣に取り組んでいたのですが、いまは滑り終わった後の温泉がメインになっています(笑)。