がん研究の急速な進展に伴い、近年、腫瘍微小環境の重要性が広く認識されるようになりました。invivoid®テクノロジーは、生体類似性の高いin vitroがんモデルの作成に最適であり、PDXマウスやヒト化マウスなどの先進的なin vivo前臨床モデルの欠点である試験スループット、コスト、種差などの問題を解決します。

抗がん剤薬効試験の基本的なワークフロー


抗がん剤薬効試験の例


がん/間質共培養モデルの設計

がん細胞と間質細胞の層構造をもつ共培養モデルの模式図
*NHDF:正常ヒト皮膚線維芽細胞
*HUVEC:ヒト臍帯静脈内皮細胞

毛細血管網の形成

がん/間質共培養モデルの免疫染色蛍光顕微鏡画像の例
(緑:抗EpCAM抗体〔患者由来大腸がん細胞〕,赤:抗CD31抗体〔血管内皮細胞〕)

がん細胞の血管浸潤

がん/間質共培養モデルの切片評価の例。血管管腔内へのがん細胞の浸潤(黄矢印)が見られる。
(上段 青:抗CD31抗体〔血管内皮細胞〕,茶:抗CEA抗体〔患者由来大腸がん細胞〕)

薬効試験例

5-FUとベバシズマブの併用薬効試験例。がん細胞生存率(コントロール対比)を評価。併用効果は2D単培養やスフェロイド単培養では見られず、invivoid®がん/間質3D共培養モデルでのみ見られた。
(大腸がんセルライン:HCT116)



がん免疫薬薬効評価の例

共培養モデルの設計

層構造をもつ共培養モデルの模式図。がん細胞は組織内の意図した位置に配置でき、免疫細胞の浸潤を妨げる間質バリアの模擬も可能。
(青:ヘマトキシリン,茶:抗サイトケラチン7抗体〔肺がん細胞〕)

がん免疫薬薬効評価のスキーム

1. がん細胞と間質細胞の共培養モデルを構築し数日間培養
2. 免疫細胞とがん免疫薬を添加
3. がん細胞生存率や免疫細胞の浸潤を評価

がん細胞キリングアッセイ

がん免疫薬の薬効試験例(アロジェニックモデル)。PBMCsのみとPBMCs+ニボルマブで、がん細胞生存率(コントロール対比)に有意差がみられた。
(肺がんセルライン:NCI-H1975)
*PBMCs:末梢血単核細胞

バーチャルTILs評価

切片の免疫染色化学(IHC)評価例。組織内部に浸潤した細胞傷害性T細胞が見られる。
(青:抗サイトケラチン7抗体〔肺がん細胞〕,茶:抗CD8抗体〔細胞傷害性T細胞〕)
*TILs:腫瘍浸潤リンパ球