TOPPANを支える
5つのコアテクノロジー

長い歴史のなかで、原点である「印刷術」が「印刷技術」に進化し、そこにさまざまな知識・ノウハウと加工技術が融合し、進化することで、TOPPANは独自のリソースとして「印刷テクノロジー」を体系化しました。「印刷テクノロジー」の「情報加工」「微細加工」「表面加工」「成型加工」および「マーケティング・ソリューション」これら5つのコアテクノロジーは、それぞれが独自性を持つ技術であると同時に、複合的に組み合わせることで、新たなソリューションを創出する能力を持っています。TOPPANでは、この「印刷テクノロジー」をベースに、お客さま視点(市場ニーズ)や社会的視点(社会的課題)を掛け合わせることで、さまざまな課題解決につながるトータルソリューションの提供を行っています。また、技術革新や事業領域の拡大を背景に、コアテクノロジーの強化・拡大に努めるとともに、大学や協業先、ベンチャー企業など、国内外の各機関との共創を通じた新たなソリューション提供にも積極的に取り組み、社会的価値を創造し続ける企業体をめざします。

マーケティング・ソリューション

創業5年目の1904年には、社内デザイナーによるタバコの包装図案の提案を実施。その後、消費者意識調査などを行う「消費行動研究室」の設立など、マーケティングやクリエイティブの領域でのトータルソリューション力を強化してきました。近年では、ユニバーサル・デザインの追求や「芸術造形研究所」、「ショップサイエンス・ラボ」など、心理・認知領域への科学的アプローチまで、その領域を拡大しています。

調査・分析

社会・生活トレンド、家計・消費、メディア接触など、様々なデータリソースを取り揃えて分析を実施。購買決定までの行動やプロセス、またその背景にある意識を捉えることや売場での購入者とのコミュニケーションの効果を測定し、買いたい気分にさせる様々な仕掛けとそのストーリー作りをサポートします。最近では脳波や視線などの生体反応を計測・分析し、ターゲットが意識していない深層レベルでのニーズを把握するニューロリサーチも提供しています。

ブランディング

ブランドのあるべき姿を規定するブランド戦略コンサルティングやファンの共感・愛着・信頼を深めることで優良顧客の拡大につなげるファンベースマーケティング、地域・企業の持つ大切なブランドを絵本という形にして普遍的・永続的な価値を創るサービスなどリアルとバーチャルを組み合わせた新しい世界観の構築で、顧客体験価値を最大化し、ブランド定着を実現します。

事務局プロデュース

販売促進キャンペーン等の事務局業務について、応募受付から問合わせ対応、抽選から景品配送までをデータベースにて一元管理するシステムを有しており、通常レポートの他、イレギュラー対応時にはエスカレーションルールに従い迅速に報告する体制を整えています。

情報加工

株券や紙幣の印刷で培ったセキュリティ技術。そして、文字・画像情報の電子化や画像処理プロセスでのカラーマネジメント技術の確立にも注力してきました。これらの技術はICビジネス、電子出版のコンテンツ制作・流通に活かされ、文化財のデジタルアーカイブやAR(拡張現実)を用いた販促など新たなビジネスモデルの創出につながっています。

セキュリティ技術

各国の紙幣やパスポートにも採用されている創業時から培った世界最高レベルのセキュリティ印刷技術や多様化する個人情報、機微情報の取り扱いに対し、仕組みと工程の両面から安全・安心かつ継続的な管理をしています。また本人確認、製品の真贋判定トレーサビリティなどの高度な人とモノのID発行・認証管理、強固なサイバーセキュリティの構築などアナログからデジタルまでトータルなセキュリティ技術を有しています。

カラーマネジメント

モニター画面と紙で印刷した時の色の見え方の違いを考慮した調整や、さまざまなデバイスのモニターで実物の正しい色を伝達するための技術。web商談などによる業務のDX化、より正確なオンライン診療の実施などの応用が期待されています。

VR/AR

ARは現実世界にCGを重ね合わせて表示し、世界を拡張する技術、VRは映像だけでなく、音や指先の感触なども総動員して仮想世界に没入する技術です。このようにICT技術の進展や通信ネットワークの普及により、まるで現実であるかのような空間を映し出す技術はゲームなどのエンタテイメントやバーチャル体験を通じた訓練やシミュレーションなどでの活用がひろがっています。現実世界と仮想世界の融合で実際に存在しないものを知覚させる技術を「XR(クロスリアリティ)」といい、ARやVRのほか、MR(複合現実)、SR(代替現実)などがあります。

高精細画像デジタル化技術

有形無形の文化・産業資源を高解像度で撮影、デジタルデータ化します。例えば歴史的建造物や彫刻、銅像などの立体物はアングルごとに分割撮影し、合成します。収集したデジタルデータはアーカイブ化することで、文化や芸術、史跡、伝統行事、技能などを、高精細な画像や映像、音声など、さまざまなメディアの情報にして多角的に保管し、長く残していくことができます。さらに史資料編纂やVR、レプリカなど、さまざまな付加価値の高いコンテンツへの活用が可能です。

微細加工

製版に欠かせないエッチング(腐食)やめっきなど金属加工のノウハウを発展させ、メサ型トランジスタ製造用マスクの国産化にも初めて成功。近年では半導体用フォトマスク、FC-BGA、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタ、ホログラムなどの製造に、微細加工技術は応用されています。

エッチング技術

液相中で行うウェット法は、化学的または電気化学的に材料を溶解除去する技術です。加工変質がないなどのメリットがあるため、精密微細性が要求される電子部品などの加工に応用されています。メタルマスク、金属製フィルターなどの製造に用いられています。

フォトリソグラフィ技術

感光性材料(フォトレジスト)を塗布した物質の表面を、紫外線などでパターン状に露光することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術です。液晶ディスプレイパネル、半導体集積回路、半導体パッケージ基板などの製造に用いられています。

めっき技術

基材の表面に金属の膜を形成する表面処理技術で、電流を用いる電解めっき(電気めっき)と化学反応を用いる無電解めっき(化学めっき)があります。リードフレーム、半導体パッケージ基板などの製造に用いられています。

表面加工

商品を包んで保護するパッケージの製造工程から生まれた表面加工技術は、現在では、食品をはじめ、医薬品やエレクトロニクス包装材などにも利用範囲が拡大しています。また、包装材に限らず、反射防止フィルム、建装材「エコシート」などにも表面加工技術は応用されています。

ラミネート技術

薄いフィルムなどを貼り合わせる技術で、熱/圧着で接着するドライラミネート、有機溶剤を含まない接着剤を利用するノンソルベントラミネート、フィルム上に樹脂を溶融押出貼り合わせる押出ラミネートなどがあります。食品の包装材トイレタリーをはじめ、広い分野で用いられています。

コーティング技術

基材上に膜を形成し機能を持たせる技術で、大気中で塗布し乾燥させるウエットコーティングと、真空中で材料を気化させドライコーティングとがあります。バリアフィルム反射防止フィルム、エレクトロニクス製品など、様々な表面処理技術として用いられています。

成型加工

TOPPANは包装材の企画・開発・製造に携わる中で、平面に印刷するだけでなく、シート状の樹脂からの成型(真空成型や圧空成型)や成型品への印刷など、多種多様な加工技術へ進化させていきました。ここで培われた数々の技術は、壁紙や化粧板など建装材、製品サンプルのモックアップ、そして、プラスチック製電子機器部材にまで応用されています。

樹脂成型技術

樹脂成型には、広く使われる射出(インジェクション)成型をはじめ、中空(ブロー)成型やシート(真空、圧空)成型など、いろいろな技術があります。用途・コスト・デザインなどに合わせて選ばれており、部品、容器、トレーなど広く用いられています。

表面加飾技術

パッケージに表面加工や特殊加工を施す技術で、立体感・多様な凹凸模様・光沢感などを表現できます。食品や菓子、医薬品など広い分野で利用されています。また、プラスチック成型時に加飾ラベルを金型に挿入し熱接着させるさせることで、3次元構造への加飾も可能となり、パッケージやモックにも用いられています。

技術の展開

TOPPANでは、この「印刷テクノロジー」をベースに、お客さま視点(市場ニーズ)や社会的視点(社会的課題)を掛け合わせることで、 さまざまな課題解決につながるトータルソリューションの提供を行っています。また、技術革新や事業領域の拡大を背景に、コアテクノロジーの強化・拡大に努めるとともに、大学や協業先、ベンチャー企業など、国内外の各機関との共創を通じた新たなソリューション提供にも積極的に取り組み、社会的価値を創造し続ける企業体をめざします。 「技術の展開」ページではTOPPANが提供する各種ソリューションについてご紹介します。