基本的な考え方

トッパンは、ユニバーサルデザイン(UD)の重要性を認識し、1999年にいち早く「パッケージUDコンサルティング事業」を開始しました。以降、各事業領域でUDへの取り組みを進め、できる限り多くの人にとって使いやすく、魅力的なパッケージやコミュニケーションツールを企画・開発してきました。
2010年に制定した「トッパンユニバーサルデザイン宣言」と「トッパンユニバーサルデザイン7原則」では、多様な人々との対話を重視し、身体・知覚特性への配慮はもちろん、使用する状況や心地よさなどの心理面への配慮も含め、「多様性に配慮した社会の実現に貢献」するための製品・サービス開発の指針としてUDを位置付けています。

ユニバーサルデザインロゴ
トッパンユニバーサルデザイン宣言

使う人への思いやりのこころをこめて作品として製品・サービスを提供する、
それが私たちのユニバーサルデザインの原点です。
さまざまな人と対話を重ねひとりひとりの想いにこたえ続けることで
使いやすく心地よい、人と地球環境に配慮した作品を創りだしていきます。
くらしに広くかかわる企業としてユニバーサルデザインへの取り組みを通して
多様性に配慮した社会の実現に貢献してまいります。
2010年4月制定

取り組み方針

ユニバーサルデザインは、トッパンの企業活動におけるもっとも基本的な考え方の一つです。「企業理念」の下にユニバーサルデザインに積極的に取り組み、多様性に配慮した社会の実現に貢献していきます。

トッパンユニバーサルデザイン7 原則
  • さまざまな人々の身体・知覚特性に対応しやすくなっている。
  • 視覚・聴覚・触覚など複数(多重)の方法により、わかりやすくコミュニケーションできる。
  • 直感的にわかりやすく、心理的負担が少なく操作・利用できる。
  • より少ない力での取り扱いや、移動・接近が容易など、身体的負担が少なく操作・利用できる。
  • 素材・構造・機能・手順・環境などへの配慮があり、安全に利用できる。
  • 適正な価格での提供、社会への充分な供給が可能である。
  • 心地よさ・楽しさ・美しさなどへの配慮があり、感性に響く魅力が感じられる。

2001年制定
2010年4月改定

トッパンユニバーサルデザイン対応指針

コミュニケーションデザインとパッケージデザインについて「ユニバーサルデザイン対応指針」を独自に設け、製品・サービスを開発しています。

コミュニケーションデザインのユニバーサル対応指針
パッケージデザインのユニバーサルデザイン対応指針

コミュニケーションデザインの取り組み事例

多言語デジタルアシスタントBotFriends® Vision

    • AI と人が協調・対話する
      バリアフリーサイネージ

    多言語AIサイネージBotFriends® Vision は、利用者に最適な情報を音声や文字・画像で案内するデジタルアシスタントです。
    AIによる自動応答だけではなく、リアルタイムの有人による遠隔対話を組み合わせた案内が可能。車椅子の方も利用できる筐体で公共・商業施設に提供します。

2020年度〜の取り組み

「BotFriends® Vision」に加えて、有人での遠隔接客を組み合わせたハイブリッド接客が可能な「BotFriends® Vision+」を提供開始
  • JR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」に採用

    2020年3月に開業したJR東日本山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」に、「BotFriends® Vision」「BotFriends® Vision+」を提供しています。
    非接触・非対面による案内接客を実現することで、お客さまや案内係の安全性を配慮した業務運用に貢献しています。駅の利便性を向上させ、国内外からの利用者へのおもてなしを支援します。

  • 東北4県のターミナル駅に提供

    東日本旅客鉄道株式会社様の仙台駅・盛岡駅・秋田駅・新青森駅の4駅に、「BotFriends® Vision」と、リアルタイムの有人による遠隔対話を可能にした「BotFriends® Vision+」を2021年4月より提供開始しました。 非接触型の案内AIシステムとして、駅を利用するお客さまに安心して使っていただける仕組みを実現しています。

VoiceBiz®

    • 多言語コミュニケーションを
      円滑にする音声翻訳

    VoiceBiz® は、30言語の翻訳が可能な、固有名詞や定型文登録に対応した音声翻訳サービスです。
    直感的で使いやすく、翻訳結果が相手に正しく伝わっているかがわかる、逆翻訳機能などで、窓口や店頭での接客、外国人就労者への業務支援などにご活用いただけます。

2020年度の取り組み

音声翻訳対応言語の追加と定型文・固有名詞の拡充
  • 「VoiceBiz®」を導入済みのお客さまのニーズを元に、フィリピン語の音声翻訳対応を実施したほか、自治体や教育・医療分野向けに、利用頻度の高い会話文を定型文として搭載。さらに利便性を高めています。また、今後も継続してお客さまのニーズを把握し、さらなる機能向上を図るべくアンケート機能を実装し、今後の機能追加・翻訳精度向上に活かしています。

IoA仮想テレポーテーション®

    • 現地の人やロボットに乗り移り
      遠隔体験可能

    IoA 仮想テレポーテーション® は、IoA(Internet of Abilities:能力のネットワーク)の考え方を基に、遠隔地の人やロボットの能力をインターネット経由で利用し、利用者の身体的制約を超え、あたかも自分がそこにいるような感覚で遠隔体験が可能です。

2020年度の取り組み

リモートワークを支援する「IoA Work」を試験提供
  • バーチャルとリアルを融合した新しい働き方を支援するサービス「IoA Work(ワーク)」を開発、2021年2月15日より試験提供を開始しました。
    本サービスは、利用者がオフィスをリアル空間とデジタル空間から自由に選択できる、新しいリモートワークの環境を提供するものです。コクヨ株式会社が提供するパーソナルワークスペース「WORK POD®」にも採用され、専用にカスタマイズした「IoA POD」として利用されました。曲面ディスプレイなどを用いて没入感を高めるなどの工夫により、「デジタルツイン・オフィス(デジタル空間)」でのより効果的な遠隔コミュニケーションを実現しました。

認知症体験VR

    • 認知症を体験型で理解、
      適切な応対を学べる

    スマートフォンと「VRscope®」を活用し、認知症の本人体験と認知症のお客さま応対をVRで手軽に疑似体験できます。認知症の解説と適切な応対ポイントで構成され、認知症の方の行動への理解と、適切な応対方法を学習できます。

2020年度の取り組み

新たに「認知症体験VR運転編」を制作
  • ドライバーの高齢化に伴い、認知機能の低下による事故の増加が社会問題化しており、自治体などによる問題解決の取り組みも積極的に行われています。
    この高齢ドライバーの認知症に関する社会的課題に対し、監修に日本意思決定支援推進機構、企画協力に高齢者安全運転支援研究会を加えた体制で、認知機能低下のサインを正しく理解できるコンテンツを新たに制作。認知機能障がいを認める方の運転の特徴を本人視点で体験することで、サインを読み取るポイントを的確に学習できるコンテンツになっています。

    ※ 2021年6月よりサービス提供開始

凸版文久体®

    • 目にやさしく、
      心にひびく文字

    明朝体、ゴシック体と、それぞれの見出し書体のラインナップをファミリーとする凸版文久体は、将来の印刷とスクリーンでの表示用書体の方向性を見据えた書体です。人が書く文字と同じように線のつながりをおさえて、優しく潤いがあり光を感じさせる表情は、目にやさしく心にひびく文字となり、ことばを届けます。

Braille Neue

    • 共生社会に向けた
      コミュニケーションフォント

    Braille Neue(ブレイルノイエ)は、「指で読む点字」と「目で読む文字」が一体となった、ユニバーサルな書体です。視覚障がい者と晴眼者が同じ文字を読んでコミュニケーションできる社会を実現します。

おまかせアナウンス®

    • 収録不要な合成音声で
      バリアフリーを実現

    音声合成技術により人の声に近い自然な音声を作るサービスです。館内放送やナレーションとしての活用はもちろん、目の不自由な方・外国人の方に向けた、資料の内容理解をサポートするツールとしても活用できます。

Web多言語化ソリューション「WOVN.io」

    • Webサイトの多言語化

    「世界中の人が、全てのデータに、母国語でアクセスできるようにする」をミッションに、Webサイトを最大43言語に多言語化し、海外戦略・外国人対応を成功に導くソリューションです。

画像分析判定プラットフォーム「ToruSil」(トルシル)

    • マーカー不要の
      企業向け画像認識サービス

    ToruSil(トルシル)は、企業向け画像認識クラウドサービスです。スマートフォン等で撮影した画像そのもので認識を行い、認識結果に基づき、Webサイト誘導や多言語翻訳、ARコンテンツ等、利用者のシーンに合わせた情報提供が可能です。

パッケージデザインの取り組み事例

ボトル型衛生ウェットシート容器

    • 生活になじむパッケージ

    キャップにバネ構造を採用することで、簡単に片手で開閉が可能。中栓形状を工夫し、シートのセットしやすさと切りやすさを両立させました。また、従来のボトル型衛生ウェットシート容器にはない、高いインテリア性と生活になじむ優しい形状により、生活に除菌習慣を取り入れやすくしています。

医薬品向けバリアフリー包材

    • バリアフリー化で使いやすいパッケージ

    視覚障がい者や外国人を含む全ての人を対象に、薬の情報や開封方法が視覚的・触覚的に伝わる「やさしく使いやすい」パッケージです。開封口が触ってわかり、錠剤が取り出しやすい前開き構造でリクローズ可能。服用時に必要な情報(用法・用量)を内面に大きな文字でわかりやすく記載。QRコード読み取りによる多言語の自動音声読み上げで用法・用量等を伝える「アクセシブルコード」を導入し、印字場所はデボス(凹)加工により触って位置が分かるようになっています。

    • 前開き構造

    • リクローズ可能

バイオマスプラスチック容器

    • 使いやすく、環境にも良いパッケージ

    容器本体の四面になめらかな凹みが施されたことで高齢者から手の小さい子どもまで持ちやすく、全体を見ると「よつ葉」にちなんだクローバー型の容器になっている、使いやすさとデザイン性を兼ね備えたパッケージです。
    また、カップ容器については、プラスチック樹脂にサトウキビを原料とするバイオマス樹脂を一部使用、年間約9.5トンの化石燃料由来プラスチックの削減が見込める環境配慮型のパッケージです。

シリコン製ストラップ付きハンドソープ/ 消毒液

    • 手軽に持ち運べるパッケージ

    おでかけ中でも手軽に手指の衛生を守る、携帯できる消毒剤とハンドソープ。ストラップでつり下げることができ、気が付いた時にすぐに消毒をしたり、石鹸の用意のない水道でもハンドソープで手を洗うことができます。
    半透明の優しい色合いとシンプルなデザインのシリコン製のストラップは、長さも3段階に調節可能でどんなバッグやベビーカーにも取り付けやすいように配慮されています。

いただきパウチ

    • お皿代わりになるパッケージ

    レンジ加熱対応スタンディングパウチの自立性と、開封時の開口性を高めた「いただきパウチ」。湯せんなど火を使わずにレンジで加熱でき、器への移し替えなしでそのまま食べることができます。
    単身・高齢世帯の増加などの社会環境変化を背景に、調理や洗い物の手間の削減など「食の簡便化」のニーズが高まっており、調理済みの食品をすぐに手軽に食べたいという「即食ニーズ」に対応しています。

顆粒調味料容器

    • スムーズに振り出せるパッケージ

    調理時の湯気による水蒸気で中身がキャップの取り出し口に付着してしまう問題を、特殊な加工を施すことでスムーズな振り出しを可能にしました。また、ヒンジキャップの密封性を向上させ、中身が固まるのを防いでいます。ワンアクションで開封でき、くぼみのある瓶形状で持ちやすいボトルです。

コンタクトレンズ向けパッケージ

    • 音で感じるパッケージ

    閉めるときにロックがかかる機能に加え、“カチッ”という操作音・手ごたえが感じられるパッケージ。操作する楽しさや安心感、開閉の心地よさを感じられます。

医療用漢方製剤向け包材

    • 医薬品の取り違えを防ぐパッケージ

    100種類以上の漢方製剤を番号と色で識別でき、医療従事者と患者さんの双方にとって、わかりやすい、間違えにくい、使いやすいパッケージ。誤認の防止と作業負荷を軽減。安心・安全に貢献します。

シャンプー/トリートメント詰め替えパウチ

    • 持ちやすく、注ぎやすいパッケージ

    注ぎ口を充填口と分離させ、中央部に設けることで持ちやすく、容器に差し込みやすい詰め替え用スタンディングパウチ「PALM POUCH®(パームパウチ)」。安定して素早く最後まで詰め替えることができます。

食品向けチューブ型包材

    • カチっと閉まる安心パッケージ

    キャップが180°回転することで“カチッ”と閉まり、音でしっかりと閉じたことを確認できるチューブです。

コイン形電池 誤飲防止ブリスターパック

    • 子どもの誤飲を防ぐパッケージ

    子どもが素手では開けられない誤飲防止パッケージ。ハサミで切らないと開封できず、開封後は両側から押すことで、簡単に電池を取り出せます。

エアホールドパウチ

    • 持ちやすく、自立しやすいパッケージ

    パウチのサイド部分に縦方向の空気を注入することで自立性を向上した「エアホールドパウチ®」空気の柱があることにより持ちやすく、片手で安心して取り扱えます。

スマデリバッグ

    • 簡単・便利に調理ができるパウチ

    具材を入れてひと手間加えた手づくり感を実感できるチャック付きパウチ「蒸できスマデリバッグ®」。火や調理器具を使わず電子レンジで簡単においしく調理ができ、後片付けも簡単です。

EP-PAKオルカット トルキャップ

    • 分別がしやすいパッケージ

    頭部のミシン目を前後に折り曲げて手で引き裂くだけで簡単に分別できる「オルカット」、特殊加工で簡単にキャップをねじ取ることのできる「トルキャップ」によりリサイクル性を向上させることができます。

トッパンのユニバーサルデザイン支援

トッパンは、デザイン制作とリサーチのノウハウを活用した「ユニバーサルデザイン支援サービス」を提供しています。
印刷物やWebサイト、パッケージ、空間デザインを診断・分析して課題を洗い出し、その課題を解決するためのデザイン改善を提案しています。

情報ツールカウンセリングサービス「でんたつクリニック®

“わかりにくさ”の原因を診断・改善策を処方

「でんたつクリニック®」は、お客さまがご使用中の情報ツールを「見やすさ」「読みやすさ」「わかりやすさ」の観点から診断し、改善するためのサービスです。
多様な読者にとってのわかりやすさを実現するために、2009年に開発した独自メソッド「E-UD(エディトリアル・ユニバーサルデザイン)」をベースに、蓄積してきたノウハウを加えてバージョンアップ。独自開発の診断項目で“わかりにくさ”の原因を特定。「見た目」だけでなく、文章表現からページ構成、媒体編成まで、総合的な診察が可能です。
様々な条件下の方々の情報保障への合理的配慮はもちろん、多忙な人にとっての使い勝手や、信頼・共感の獲得、炎上対策等にも有効です。

ダイバーシティ&インクルージョン支援

多様性に応えるコミュニケーション施策を

SDGsが掲げる“誰一人取り残さない”世界の実現のためになにができるのか―。2016年、トッパンは長年培ってきたコミュニケーション企画のノウハウとユニバーサルデザインに関する専門ナレッジをさらに社会に役立てるために、専門部署「UDコミュニケーションラボ」を開設、サービス開発を進めてきました。
組織のダイバーシティ化を円滑にし、企業価値につなげるためにも、生活者の多様性に応えるためにも、ユニバーサルデザイン視点をもったコミュニケーション施策が必須です。組織ごとに異なる課題に「インクルージョン啓発」「ユニバーサルデザイン教育」「ダイバーシティ経営広報」「特定層配慮型プロモーション」の4つの領域で支援していきます。

UDパッケージ開発ソリューション

ユーザー課題分析に基づく使いやすさの実現

トッパンは1990年代からパッケージ分野におけるUDに取り組み、UDに配慮した自社商材開発やお客さまの商品パッケージの開発・改善を、課題の抽出からアイデアの具現化、検証、生産までトータルに行っています。
科学的アプローチにより抽出したユーザーの課題を体系化し、パッケージデザインについてのUD対応指針を独自に設定。ユーザビリティ視点と、五感や心理面への配慮を踏まえたUD課題解決のためのメニューを用意。高齢者やお子さまへの使いやすさ、怪我への配慮などの視点に加え、家事の時短や環境配慮などの社会の変化により発生するニーズにも対応し、時代に即したユニバーサルデザインを提供しています。

視線解析調査

視線解析による商品の視認性、ユーザビリティ分析
  • 商品パッケージや店頭什器、販促物などのコミュニケーションツール、ショッピングサイトが「きちんと生活者に情報を伝えられているか」、また、購入後、商品の使用時に「分かりやすく情報を伝えられているか」、アイカメラを活用して定量的・科学的に検証します。
    実際の店頭や模擬店舗、Webサイト、使用する場面を再現した空間で、生活者に商品を購買・使用をしていただき、さらにインタビューを行うことでより正確に深く課題を抽出、クリエイティブ改善を提案します。