トッパンの可能性を追求し「環境」「まち」「ひと」の注力分野を特定

トッパンは1900年に創業して以来、世の中の変化に柔軟に対応し、社会が求める多様な価値を創造することで事業領域を広げてきました。社会とともに歩んできたトッパンにとって、SDGsへの貢献は事業発展に欠かせない視点であり、成長し続けるためのエンジンとして位置付けています。トッパンが果たすべき役割は何か、これまで培ってきた技術力やノウハウを最大限に社会へ還元するにはどうすれば良いか。それを追求し明確なビジョンをもってSDGsへの取り組みを推進していくため、「TOPPAN Business Action for SDGs」を策定しました。
SDGsが掲げる17の目標の中から事業活動を通じて特に注力すべき分野を定めた「事業活動マテリアリティ」に続いて策定した「TOPPAN Business Action for SDGs」では、トッパンの可能性をより深く、具体的に追求しています。「環境」「まち」「ひと」の3グループにおいて計9つの注力分野を特定し、ビジネスによるSDGsへの貢献を加速させていくことを目指しています。

全社を横断する策定プロセスと数値目標の設定

「TOPPAN Business Action for SDGs」の策定は、代表取締役社長 を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」と、その下部組織である「SDGs推進ワーキンググループ」において行いました。策定プロセスで中心的な役割を担ったのが、「環境」「まち」「ひと」のサブワーキングリーダーです。各事業の責任者でもあるサブワーキングリーダーが、それぞれの分野で日々実感している社会の変化やお客さま企業の意識の高まりも踏まえて意見を出し合い、トッパンの強みや課題を改めて掘り起こしていきました。
経営層・事業部門・経営企画部門が連携して、2030年を見据えたバックキャスティングの考え方も取り入れながら繰り返し議論。全社を横断するプロセスを経て、2020年11月、「TOPPAN Business Action for SDGs」を策定し、トッパン独自の技術やノウハウ、強みが発揮できる領域を中心に9つの注力分野を発表しました。その後も引き続き、各事業部内で具体的な活動につなげていくための議論を重ね、9つの分野それぞれにおいて具体的な数値目標も設定しています。
「TOPPAN Business Action for SDGs」で特定した各注力分野を強化していくとともに、「環境」「まち」「ひと」の取り組みを柔軟に掛け合わせることで、トッパンならではのアプローチによるSDGs貢献にチャレンジしていきます。

Toppan business action for SDGs

「TOPPAN Business Action for SDGs」に込めた思い
— 策定に携わったリーダーからのメッセージ —

社会をリードしていく大きなチャレンジに真摯に向き合い取り組みます

山田 道広
「環境」のワーキングリーダー

山田 道広

生活・産業事業本部
パッケージソリューション事業部
マーケティング戦略本部
本部長

お客さま企業のSDGsへの関心が急速に高まり、個々のソリューションではなく、より総合的に、企業ブランドや価値向上につながる提案が求められています。こうした中で、「TOPPAN Business Action for SDGs」には社会をリードしていく要素が必要だと考えました。例えば「サステナブルパッケージの売上比率100%」という目標はトッパンにとって大きなチャレンジですが、ステークホルダーの皆様にも関心を持っていただけるテーマだと思います。ただ真に重要なのは、掲げた目標に対して実直に向き合っていく姿勢です。ステークホルダーの皆さまにお約束したことを真摯に一つひとつ確実に実現していくことがトッパンのアプローチだと思います。

トッパンらしさが生かせる分野で、企業の成長とSDGs目標が無理なく成り立つビジネスを設計します

尾脇 庸仁
「まち」のワーキングリーダー

尾脇 庸仁

DXデザイン事業部
ビジネスアーキテクトセンター
センター長

策定プロセスにおいて議論になったのが「トッパンらしさ」です。例えば、注力分野に「文化を『魅せる・未来に残す』への貢献」を掲げていますが、ここでいう文化は著名な観光地や文化財のみではなく食文化や民俗、風俗など人々の暮らしに関わる全てであり、生活インフラの提供で培ってきた知見やノウハウを持つトッパンだからこそできる取り組みです。「まち」のテーマである「利便性とプライバシーの両立」「地域」「文化」も、トッパンの知見とノウハウが活用できる領域です。事業を通じたSDGsへの貢献とは、企業としての成長と従業員のやりがい、お客さま企業の利益、社会の利益、そしてSDGsが掲げる目標が、無理なく成り立つビジネスを設計していくことだと思います。

トッパンの技術・ノウハウで、世界の人々の学びに貢献することを目指します

山下 薫
「ひと」のワーキングリーダー

山下 薫

情報コミュニケーション事業本部
マーケティング事業部
エクスペリエンスデザイン本部
本部長

SDGsは世界共通の大きなチャレンジであり、その実現には価値観の共有が不可欠です。価値観を伝え共有するには教育が必要で、教育の普及に印刷技術は大きく貢献してきました。キリスト教が広まった理由の一つは聖書という媒体を印刷技術で広めることができたからではないかと思います。SDGsにおいても世界中の人が学べるプラットフォームが重要で、トッパンにはそれをつくることができる土壌があります。こうした考えから、「ハードルのない教育環境の創造」を注力分野とし、国内外の人々の学びに貢献することを目標にしました。トッパンの技術やノウハウにお客さま企業の強みも掛け合わせ、世界中の人々にアプローチしていきます。

トッパン社内やお客さまとの議論を深め連携をグローバルに進化・深化させます

高野 裕子
事業開発担当

高野 裕子

事業開発本部
テクノロジーイノベーションセンター
開発戦略部
部長

「TOPPAN Business Action for SDGs」の内容は勿論、策定過程にも大きな価値がありました。事業を通じた貢献について、経営層・事業部門・経営企画部門が連携し、ここまで具体的に議論したのは初めてですし、一連のプロセスを通じてトッパンの責任、可能性、様々な要素が可視化されたのです。対外的には、B to B企業として、当社がSDGsを実現するにはお客さま企業との協働が不可欠であり、当社の姿勢をご理解いただきつつどう提案・連携を深めていくか、今後の課題となるでしょう。またSDGs実現には国内外を問わず企業間の協働、セクターを超えた連携が鍵となります。グローバルプラットフォームにも積極的に参加し、SDGsへの貢献を多面的に進めていきます。

SDGs支援専門チームを設立。お客さま企業とともにSDGs貢献を加速させます

今津 秀紀
TOPPAN SDGs Unit
リーダー

今津 秀紀

情報コミュニケーション事業本部
マーケティング事業部
ブランド統括部
部長

9つの注力分野にはそれぞれ数値目標が設定されています。2030年を見据えたバックキャスティングで具体的な数値を伴うシナリオを策定するのは大変でしたが、その過程で議論が深まり目標への意識を高めることができました。ステークホルダーの皆さまに数値を示してお約束することで実行力が求められる内容になったと思います。これに続くステップとして2021年2月、「TOPPAN SDGs Unit」を立ち上げました。お客さま企業のSDGsバリューチェーン全体を川上から川下までワンストップで支援するもので、事業部門横断によるSDGs支援専門チームが全体の設計から施策実行までサポートします。これまで以上にお客さま企業に寄り添い、ともにSDGsへの貢献を加速させていきます。

環境環境サステナブルな地球環境

「環境」の活動と数値目標

  • ❶ サーキュラーエコノミーの実現

    3R(リデュース・リユース・リサイクル)に加え、製品の長寿命化や素材の開発により、シェアリング、回収からアップサイクルまでのしくみ等を推進し、廃棄による環境の汚染・破壊を阻止する。

  • サステナブルパッケージの売上比率
  • ❷ 脱炭素社会の実現

    環境に配慮した素材やしくみの提供、省エネルギー・創エネルギー等のソリューションを提案することにより、温室効果ガス排出を削減し、地球温暖化の阻止に貢献する。

  • 温室効果ガス削減に貢献するサービス数
  • ❸ エコプロダクツ・ソリューションの拡大

    GL FILMのモノマテリアル化をはじめ、自社開発によるエコプロダクツやソリューションの拡大を図るとともに、認証制度を創設することにより、環境貢献度を見える化し広く社会と共有する。

  • エコプロダクツ・ソリューションの売上比率

Case Study

モノマテリアルパッケージ
  • プラスチックごみの削減が大きな社会課題となっている中、トッパンはその解決に向けパッケージのモノマテリアル(単一素材)化によるリサイクル適性の向上に注力しています。
    従来のフィルムパッケージは機能性を高めるため複数の素材で構成されており、リサイクル適性に課題がありました。
    トッパンは世界トップシェアを誇る透明バリアフィルムブランド「GL BARRIER」のラインアップとして、軟包材に使用される3つの主要素材(PE、PP、PET)を基材とするバリアフィルムを開発。これにより幅広い分野において、単一素材で構成されたモノマテリアルパッケージの展開が可能となりました。
    さらに、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募、採択した先導研究プログラムにトッパンは参画しており、産学連携でマテリアルリサイクルプロセスの構築に取り組んでいます。

  • サステナブルバリューパッケージ

    地球温暖化防止やプラスチックごみ削減はもちろん、食品ロス低減など様々な社会的課題に対してパッケージで解決できることを追求。ちきゅうに価値ある 「サステナブルバリューパッケージTM」の開発・提供を通じて、持続可能な未来の実現に貢献します。

  • 髪にも地球にもやさしいサシェ

    ユニリーバは、世界規模の消費財メーカーとしてプラスチックの使用量削減を宣言し、製造から廃棄までを視野に入れた取り組みを世界中で展開しています。2021年4月、ユニリーバ・ジャパンから発売された「ラックス ルミニーク サシェセット 限定デザイン」には、トッパンとの協働により、単一素材のフィルムパッケージが採用されています。従来の包材はアルミ素材を含む複数素材から構成されているのに対し、本製品の包材はトッパンのPET基材「GL FILM」とPETシーラントより構成されています。両社が協力して内容物との適性検査や品質検証を行い、優れたバリア性や保存性、低吸着性を持たせながら、モノマテリアル化を実現しました。リサイクル適性の向上に加え、包材製造時のCO2排出量も25 %削減することが可能になりました。

まちまち安全安心で豊かなまちづくり

「まち」の活動と数値目標

  • ❶ 私らしく生きられる安全な社会の創造

    セキュリティシステム技術により、一人ひとりが自らの意思で自分のデータを安全に利用できる環境を構築し、利便性とプライバシー保護を両立させるパーソナルデータ利活用サービスを提供する。

  • 生活を豊かにするサービス数 (VRMプラットフォーム活用)
  • ❷ 地域に暮らす人々の生活の質向上への貢献

    全国を網羅するネットワークとデジタル技術により、その地域に最適化された住民サービスを提供し、地方都市の存続に貢献する。

  • 地域に最適化された住民サービスを展開する自治体数
  • ❸ 文化を「魅せる・未来に残す」への貢献

    文化・教育分野での経験と先端技術の組み合わせにより、有形・無形文化を保護・伝承する技術や枠組みを開発し、世界の多様性の確保に貢献する。

  • 文化資料・産業資料のアーカイブ数

Case Study

スマートシティ事業
  • スマートシティへの取り組みはトッパンと親和性が高く、これまで蓄積してきたノウハウや知見、セクターを横断するネットワークを通じて大きく貢献できる分野だと捉えています。その中でも、①基盤インフラ群 ②医療/ヘルスケア ③デジタルガバメント ④教育 ⑤観光/地域活性 ⑥UI/UXの6つを特に注力する領域として設定し、スマートシティ事業による社会への価値創造を加速させていきます。

  • ZETAを活用した遠隔センシングサービス

    トッパンは、次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格の一つ、ZETAを活用した遠隔センシングサービスで地域の課題解決に貢献することを目指し、全国で実証実験を行っています。例えば、全国で深刻化する野生鳥獣類による農作物被害、人間の居住地への出没被害への対策として、トッパンはZETAを使用した「リモワーナ」を開発しました。「リモワーナ」を罠に設置することで、携帯圏外の山間部やアクセスが不便な環境においても遠隔で効率的に罠の見廻り・管理が可能となります。福島県大熊町における実証実験では、ALSOK福島株式会社と連携し、罠の設置・見廻り・捕獲作業をワンストップで提供することを目指しています。

    • マルチポップメッシュアクセス通信
    • センサーを取り付けた罠

      センサーを
      取り付けた罠

    • アプリケーション画面例

      アプリケーション画面例

  • リモワーナ

ひとひと心と身体の豊かさと人のエンパワーメント

「ひと」の活動と数値目標

  • ❶ 食品ロス削減による飢餓撲滅への貢献

    「機能性パッケージ×DX」により、賞味期限延長とともに需要・供給を最適化し、1次産業から生活者までバリューチェーン全体で食品ロスを削減する。

  • 賞味期限延長に貢献するパッケージの食品総重量
  • ❷ ハードルのない教育環境の創造

    教育関連ソフトや翻訳技術等を組み合わせたプラットフォームを全世界に提供し、誰でも、いつでも、どこでも学べる社会をつくる。

  • 学びに貢献した人数
  • ❸ 革新的なデジタル技術による健康への貢献

    ヘルスケア関連情報やサービスへの国や地域を超えたアクセスを可能にし、全世界の人々の健康寿命の延伸に貢献する。

  • デジタル技術で健康に貢献するサービス数

Case Study

体外診断用医薬品を製造する新会社を設立
  • 血液や尿、唾液などから疾病の診断を行う体外診断用医薬品。そのニーズは、世界中で注目される健康寿命延伸への取り組みに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、急速に拡大しています。製薬会社において、高品質な体外診断用医薬品をいかに早く医療現場へ届けることができるかが課題となっている中、トッパンと、日本モリマー株式会社の子会社で体外診断キットの開発/製造を手掛けるトラストメディカル株式会社は、両社の強みを掛け合わせることで医療現場の課題改善につなげていくことを目指し、新会社「トッパンメディカルファクトリー株式会社」を設立しました。トッパンがもつ医療・医薬用包材を製造し梱包/発送するノウハウと、トラストメディカルがもつ製薬会社とのネットワーク、検査薬充填/検査キット製造の知見を融合。体外診断用医薬品の開発から製造、医療機関の手元に届くまでをワンストップで提供します。

トッパンメディカルファクトリー