住まいづくり、まちづくり、印刷テクノロジーを結ぶもの

高度経済成長期以降、工業化住宅の発展により、多くの人が、高性能な住宅で、快適で豊かな暮らしを実現できるようになりました。
それから数十年が経ち、時代も大きく変化。住宅着工戸数が減少する一方で、人々のライフスタイルは多様化。
自由度が高くデザイン性に優れた住宅や、バリアフリーなど誰にとっても使いやすい規格や機能、環境に配慮した省エネ住宅など、価値観や暮らし方、高齢化などの社会課題に応える住まいが求められるようになりました。
こうした変わりゆく住まいづくり、まちづくりに寄り添うように、TOPPANの印刷テクノロジーが重要な役割を果たしていたことをご存知でしょうか。

それは、建材や家具に使用される化粧シートなどをつくる建装材事業の技術です。
美しい木目や、機能的な壁紙、床材などをつくることは、印刷会社であるTOPPANの得意分野だったのです。
さらに近年ではこうした建装材技術にコミュニケーション技術を加え、TOPPANのトータルソリューションとして暮らしやまちに新しい価値の提供を始めています。
今回は、この建装材事業からスタートしたTOPPANの生活空間への挑戦を紐解きたいと思います。

「デザイン力」と「技術力」で、住まいづくりとまちづくりを支えていく

60年の歴史を持つTOPPANの建装材事業。当初は家具の表面材から始まり、工業化住宅の発展とともに進化を続けてきました。

TOPPANの強みは、国内外でのマーケティングにより、独自に磨かれてきた「デザイン力」。美しい木目を中心に、時代のニーズにマッチした色柄、質感、触感などを、繊細な印刷技術で実現した建装材の化粧シートは、豊かな空間の演出に欠かせない存在になっています。

そして、もうひとつの強みは「技術力」。長期使用される建装材には、高い耐久性や安全性が求められます。
1995年には、業界で初めて非塩ビ素材を使用したトッパンエコシートを開発。トッパンエコシートは、機能付加や性能向上を重ね、今でも建装材のスタンダードとして業界をリードしています。

近年では住宅のみならず、公共施設や商業店舗、外装用途にも使用されるようになり、不燃性能など、国が求める法規制への対応や、多様化・高度化するニーズに対しても、性能向上を追求し、優れた建装材をつくり続けています。
例えば、ある河川の護岸工事で使用されたTOPPANの建装材は、25年の時を経ても著しい変退色がなく、その高い性能を象徴しています。

絶え間ない取り組みの中で生まれた新たなテクノロジーのひとつが、『Smart NANO』。この『Smart NANO』技術を搭載した化粧シートは、従来品よりも約2倍の表面強度や耐傷性、耐汚染性を実現。次世代の建装材として、世界最高水準の表面性能を実現しました。

TOPPANは、このようなライフスタイルやトレンドを反映した「デザイン力」と、これまでの実績が示す高い「技術力」に裏打ちされた品質保証体制の確立により、国内外の住まいづくり、まちづくりを支えてまいりました。

印刷テクノロジーで広がる未来の生活空間の姿

TOPPANの生活空間への取り組みは建装材のみにとどまらず、印刷テクノロジーを活かして次の未来を描きはじめています。

例えば、エレクトロニクス事業分野の技術で実現した『LC MAGIC』。電気のON/OFFで「透明/不透明」を瞬時に切り替えることができる調光フィルムで、プライバシー保護や空間演出だけではなく、自動車や航空機への活用も期待されています。

さらにTOPPANは、建装材にセキュア技術、ビジュアライゼーション技術を組み合わせ、暮らしそのものを大きく変えていく新しいコミュニケーションシステムやサービスの実用化にも進出しています。

マンションに使われる電子キーの仕組みづくりはその代表例と言えるでしょう。鍵の中に埋め込まれるICチップに、生活者一人ひとりの個人認証機能を実装。高いセキュリティ性能を実現しつつ、アプリを通じた電子決済や、共用施設利用の手続き、居住者同士のコミュニケーションなど、マンションと地域を結び、その人ごとに最適なサービスを提供することができます。

また、介護・福祉業界向けに、身体に装着することなく利用できるシート型生体センサー『SensingWave 介護見守りシステム』を開発。ベッドのマットレスの下などに設置するだけで利用者の心拍や呼吸などの生体信号をもとに、睡眠状態をリアルタイムに把握。リハビリ効果の最大化、遠隔地からの見守りサービスの提供、スタッフの業務負荷軽減などが期待できます。

TOPPANのトータルソリューションが、人と生活空間の環境をデザインしていく

これからの社会では、より快適に、安全に、そして一人ひとりが自分らしく暮らすことのできる生活空間が求められています。
TOPPANの取り組みは、建物をつくって完結するのではありません。印刷テクノロジーを駆使したトータルソリューションでその先の暮らしを支えながら、住まいやまちの価値を向上させ、保ち続けることが使命です。

あしたを心地よい空間(セカイ)へ
TOPPANは、「住」を核とした、暮らし・モビリティ・環境・エネルギー・ヘルスケア・セキュリティ・教育・まちづくりに至るまでの幅広い、環境をデザインするソリューションの提供を目指し、これからも独自の印刷テクノロジーを武器に、心地よい空間・まちづくりに挑み続けていきます。

現代に蘇る江戸城。デジタルアーカイブとVR・ARが文化財の保存と体験を変えるミライ