デジタルアーカイブ

事例紹介

日本の塩づくりの歴史は古く、また、かつては全国各地で塩づくりが行われていました。塩事業センター様では、塩づくりをはじめとする日本の塩業の歴史を広く伝えていくために神奈川県小田原市にある海水総合研究所内に「塩業資料室」を設置し、塩業に関する資料を公開しています。2017年より歴史的に貴重な過去資料のデジタル化に取り組み始め、web上での公開や、オンデマンド印刷での複製冊子の発行も行っています。

当社のサポート領域 -貴重書籍のデジタル化と活用-

①  調査・設計

デジタル化の第一弾として、100年以上前(1906~1915年)に編纂・刊行された『大日本塩業全書』が選ばれました。編纂当時の日本国内に存在したほぼすべての塩田に関する情報をまとめた貴重な資料で、本編4冊にそれぞれ別冊として『附図』があり、全8冊がデジタル化の対象です。塩事業センター様の主なご要望は、「小田原市まで行かなくとも資料が閲覧できるよう、PDF化してweb上で公開する」「冊子が必要な方に向けては、オンデマンド印刷で対応できるようにする」という2点でした。
はじめに、現物の資料を見せていただいたところ、1冊につき1000ページほどの、厚みがある書籍であることが分かりました。製本された状態でスキャニングすると文字にゆがみが生じることや、原資料の保全などを考慮して、本を一度解体した上で1枚ずつ1ページ単位でスキャニングする方法を提案し、この方法を採用することになりました。

原本の状態を確認

②  用途に応じたデータ加工

1ページずつ高解像度でデジタル化したフルカラーの画像を、用途に応じてデータの加工を実施しました。web公開用では、本の「章単位」で一つにつなげたPDFデータを作成するため、1ファイルのデータ容量が大きくなりすぎないよう、圧縮する必要があります。圧縮率については数種類のサンプルをご覧いただき、どの品質で作成するかをご確認いただきました。
その結果、拡大しても文字の可読性が保てる品質で圧縮し、1ファイルのサイズも100MB程度に収まるよう作成しました。
オンデマンド印刷用については、印刷時のコストを考慮して4色カラーではなく、1色のモノクロに変換しデータを作成しました。さらに製本加工をする際に必要なデータの作成、本の表裏関係を考慮した設計(web用とは異なり白ページ用のデータも作成)を行ない、表紙においては、原本の素材を生かしながら新たにデータの作成も実施しました。

  • web公開用PDF

  • オンデマンド用PDF

  • 『塩事業資料室デジタルライブラリー』にて公開

③  原資料の保全・修復

解体した資料を再製本する際には、現状復帰に細心の注意を払い、元々破損していた箇所については一部補強もしています。その上で、データ作成に用いた原本は、長期保存に優れた「中性紙箱」に収納して返却しました。
またオンデマンド印刷については、書籍として購入を希望する研究者の方などがweb上から発注できるように「万能書店※」に登録することで、販路を確保しています。

  • 凸版印刷と(株)トーハンの合弁会社、(株)デジタルパブリッシングサービスが運営するオンデマンド書店
  • 解体前の原本

  • 解体後の原本

  • 再製本後の原本
    (中性紙箱に収納)

担当者の声

-デジタル化から再製本、冊子制作まで一貫して対応-

  • 塩事業センター様からは、貴重な資料の取り扱いに精通し、データ作成だけでくな解体・再製本といった資料保全、印刷会社としての冊子制作、オンデマンドによる販売まで一貫して対応できる点をご評価いただいています。
    今後も蓄積したノウハウを基に、資料の状態やお客さまのご要望から適切な方法を選択し、デジタル化後のデータの展開や、納品後の資料の保全も視野に入れて、アーカイブデータ活用のサポートをしていきたいと思います。

  • 凸版印刷株式会社
    情報コミュニケーション事業本部
    ソーシャルイノベーションセンター
    先端表現技術開発本部 立木令央

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