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CSRコミュニケーションの最新動向

G4への対応

(1)企業のG4への対応状況

2016年のG4への対応状況は、中核準拠が35社56%で、自動車メーカー1社が初めて包括準拠しました。一昨年の調査が4社、昨年が17社、今年が35社と毎年倍々で増えています。包括準拠した自動車メーカーE社では、サスティナビリティレポートにおいて、「GRI内容索引(Content Index)」について日本企業として初めてGRIの検証を受け、その正確性の証明もしています。

(2)マテリアリティの再設計

G4が浸透してきて3、4年経ったこともあり、マテリアリティの再特定を実施した企業が多く見られたのが2016年度の大きな特徴でした。

【事例】

  • ①F社(損害保険会社)
  • 途中段階のマトリックスやマルチステークホルダー各々の詳細なコメントなど、マテリアリティ再特定のプロセスを丁寧に記載。
  • ②G社(スポーツ用品メーカー)
  • 各取り組み項目の重要度がマテリアリティ再特定により、どのように変化したかをマテリアリティ・マトリックス図内でわかりやすく表現。

(3)バウンダリーの開示

G4準拠の先進企業でも特定のハードルはまだ高く、3割の企業にとどまっています。

【事例】

  • ①H社(タイヤメーカー)
  • 上流と下流、自社のなかで単体かグループ連結かという切り分け方で、バリューチェーンに沿った形にすることでバウンダリーの特定を実現。
  • ②I社(自動車部品メーカー)
  • 組織外・組織内(日本/海外)でバウンダリーを特定し、報告ページにおける各項目においてもアイコンで訴求。
  • また、マテリアリティの各活動の項目について優先度や責任部門を記載し、G4の側面の関連づけもしっかりと対応。

(4)DMAの開示

レベル差はありますが、9割の企業がしっかりとDMAを記載しています。

【事例】

  • ①J社(輸送会社)
  • マテリアリティごとに責任者がマネジメントについてコメント。
  • ②K社(ハウスメーカー)
  • 「活動が社会に及ぼす影響」を今年度追加し、DMAを充実化。
  • ③L社(損害保険会社)
  • 「ステークホルダーからの意見」を今年度追加し、DMAを充実化。

(5)第三者保証の実施

G4対応企業に絞っているため7割の企業が実施。保証内容としては環境パフォーマンス、社会パフォーマンス、Scope3がありますが、そのすべてを受けている企業が増加していました。また、中核準拠に関しての保証を受けている事例も1社ありました。

(6)第三者意見の掲載

以前は第三者意見を掲載する企業が多かったのですが、G4化にともない保証を受けるという意識が浸透し、だんだんと減少している印象。2016年版は5割の企業で掲載していました。

SDGsへの言及

程度の差はありますが、4社に1社がSDGsに関して言及しています。以下に各社の事例を紹介します。

【事例】

  • ①M社(精密化学メーカー)
  • マテリアリティ特定プロセスにSDGsを取り入れる。
  • ②N社(化学会社)
  • 各事業分野別にSDGsの貢献領域を記載。
  • ③O社(損害保険会社)
  • SDGコンパスにのっとった5つのステップで事業への組み込みを行うことを特集で表現。
  • ④P社(電子機器メーカー)
  • CSRの考え方を伝えるページでインパクトを評価するSDGsの目標を記載。

ツールの充実化

CSRコミュニケーションの一環として、「ツールの充実化」が今年のトレンドでした。一般向けのコミュニケーションとして、一人ひとりの課題を解決する姿勢を打ち出す企業がありました。Q社(タイヤメーカー)の場合、WEB上のパララックス(視差効果)という手法を用い関連数字の訴求力を高めています。R社(通信会社)も同様にパララックスや動画を活用して訴求しています。従業員向けには、S社(銀行)がダイバーシティに絞って、その活動を7つの柱で報告するダイバーシティレポートを発行し報告しています。
取引先の向けのコミュニケーションとしてのトレンドは社会に対する自社の提供価値を伝える事に絞ったツールを準備すること。T社(電気通信メーカー)は考え方を伝える「ヴィジョンブック」と実際の取組みを伝える「事例集」の2つのツールで展開。同様にU社(総合電機メーカー)も民間の調査会社と提携し、社会イノベーションに関するグローバルな事業機会を研究し「ホワイトペーパー」という形で発表しています。
健康経営では、V社(コンビニエンスストアチェーン)が従業員、ESG投資家やメディアなどに対し、健康促進に目的を絞った健康白書を発行しました。「肥満」「脂質」「血圧」「喫煙率」「男性育児休暇取得率」などをKPIとして設定しています。
また、投資家・メディア向けコミュニケーションとしては、Y社(自動車メーカー)が、ゼロエミッションに向けた決意を各担当役員が動画でメッセージを発信し、訴求力を高める工夫をしています。

最後に

あらためて2016年のトレンドをまとめますと、ひとつ目のキーワードが「G4への対応」です。G4への準拠が一般的になってきており、これまでは準拠に向けた枠組みを作っていた状況から、実際にそれぞれの活動に関してマテリアリティの変化を伝えるような時期になってきた印象です。
2つ目として「SDGs」です。既に取り組んでいる課題をアイコンで示す企業が多かったのですが、今後はそれ以外の取り組んでいない課題に関しても、どのような方針で取り組むかを示すことが求められます。
最後は「ツールの拡大」です。報告書の形にとどまらず、従業員、取引先などのターゲットやダイバーシティ、健康などの目的に絞ったコミュニケーションの充実を図っていく必要があるではないかと考えています。

小髙 悠詩(おだか ゆうし)

凸版印刷株式会社 トッパンアイデアセンター マーケティング本部 マーケティング企画部 コーポレートコミュニケーション企画チーム CSR担当 小髙 悠詩(おだか ゆうし)
凸版印刷入社後商品企画部にて様々なクライアントの商品プランニングに携わった後、コーポレートコミュニケーションの世界へ。環境情報学を専攻し、エネルギー関連に携わるほか、環境先進国ドイツで過ごした経験を活かし、CSRを中心にグローバルなコミュニケーション支援に携わる。環境省「環境コミュニケーション大賞」などのアワードも受賞。

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