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選ばれ続ける企業になるためのブランディングの進め方

ブランディングの進め方

(1)あるべき姿を見つける

実際のブランディングの進め方として、大きく3つの段階があります。ひとつ目は、「あるべき姿を見つける」。これは、有名クリエイターとかコンサルタントに依頼したらいいものができる、というわけではありません。その答えは、あくまで「会社自身の中にある」のです。

その方法として、まず「過去から想いを集める」ことです。具体的には、

①社是や理念をひも解く
②創業時のエピソードを調べてみる
③社史・年史を読む
④過去のメッセージを集める

という作業によって、過去の変遷から会社としての意志の変化を洗い出します。

過去の次は未来です。10年後にどんな会社にしたいかという「理想の企業像」を、

①経営者へのインタビュー
②キーマン(経営改革のや新規事業などの担当者)へのインタビュー
③経営ビジョンや経営方針の確認

などによって明らかにします。

さらに現場の「社員の想いを集める」ことを行います。
①代表社員を集めてインタビュー
②従業員意識調査(アンケート)

などを行い、さまざまな観点(例:強みや特徴、イメージ、社風や社員のタイプ、誇りや帰属意識、満足度、好意度、不満な点や改善すべき課題など)から社員の意見を聞いていきます。

また、外部の意見として「顧客や関係者の声を聴く」ことも行います。「自社を選び続けている理由は何か?」ということを
①消費者調査(アンケート)
②お得意様へのインタビュー
③取引先、株主、学生(新入社員)へのインタビュー

などから聞いてデータを集めます。

こうして収集した大量のキーワードを大きく3つに整理・分類します。ひとつは「維持・継承」、これからもずっと持ち続け伝えていくべきもの。ふたつ目が「強化・付加」で現在は弱いけれど、今後強化あるいは付加していくべき項目。最後が「捨てる・なくす」で、従来の欠点や不備な点です。これらの作業は、社内のさまざまな部門のメンバーを集めたプロジェクトやワークショップにより、何度もディスカッションをしながら検討していきます。

(2)あるべき姿を言葉にする

分類されたキーワードをもとに、あるべき姿を次の3つのカテゴリーで定義します。
①どんな人たちに愛されたいか(理想的な顧客像)
②どんな価値を提供できるか(提供価値)
③どんな「らしさ/イメージ」を感じさせたいか(ブランドパーソナリティ)

こうして、ブランドコンセプトの基本構造を決めていきます。自動車メーカーを例にブランドコンセプトを見てみましょう。自動車メーカーA社では、都会的でドライブに喜びを感じる顧客に、抜群のハンドリングやセンスの良さという価値を与えながらドライブの高揚感や気持ちよさを提供しています。一方、B社では、実用性と高い品質を求める顧客に、燃費の良さや安全性によって安心感や信頼感を提供するイメージを打ち出しています。あるべき姿を整理体系化することで、違いがはっきりしてくるのです。

このように、キーワードをもとに一つひとつの要素を定義していくことで、自分たちのあるべき姿を明確化していきます。そして、一般的には、次のように、ブランドステイトメントやブランドスローガンという形で文章化することで、よりコンセプトを鮮明化することができます。

(3)あるべき姿を見える化する

あるべき姿を言葉にしたら、次はそれを見える化する作業です。
まず、行うことは、自社のコミュニケーションツールを集めて視覚監査をすることです。会社案内やカタログ、商品パッケージ、広告や販促物などを一斉に集めて並べます。そして統一感が不足していれば原因を探っていきます。単純にロゴがバラバラなのか、色や書体に一貫性がないのかなど、どこを整備し変更すべきかを検討します。

中でも企業の「顔」となるのが、ロゴやシンボルマークです。ロゴは、顧客を導いてくるための視覚的道具であり、企業の本質的な強みや特徴と社名を結びつける重要な役割を持ちます。だからこそ、あるべき姿をきちんと規定し、それを反映させたロゴの開発が重要になります。
新たなロゴを制定する際、トップの独断で決めたり、著名なクリエイターを起用して作ったりする場合があります。しかし、できれば従業員を巻き込んで組織の中の意志を大切にしながら検討していくことを推奨しています。その方が、社内の多くの人が共感し、納得できるロゴになるからです。

例えばある企業では、新しいロゴを決めるために、各部署の代表者を集めて議論しブランドコンセプトを固め、それをもとに1,500案ほどのロゴデザイン案から絞り込みを行いました。そして、1案決定後は、デザインの微調整などを幾度も行いながら、ロゴの意味づけやデザインシステム開発(ルール化)などを経て、最終的なロゴを完成させています。

最後に

今回は、ブランディングのなかでも、あるべき姿を規定して、カタチにする「BRAND」の部分にフォーカスをあて、ざっとご説明しました。時間の関係でほとんど触れませんでしたが、「ING」の展開も重要な要素になります。それも含めて、ブランディングは従業員が一緒になって取り組むべきものであり、それが従業員としての自覚や誇りにつながり、結果として日々の企業活動に反映されていきます。それによって顧客や消費者、社会が持つイメージとのギャップを徐々に埋めていき、目指すべき企業ブランドに近づけていくのです。
詳細は、拙著『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』 (講談社+α新書)でも触れておりますので、もしよろしければご覧いただけますと幸いです。

佐藤 圭一(さとう けいいち)

凸版印刷株式会社 トッパンアイデアセンター  マーケティング本部  マーケティング企画部 ブランド戦略チーム ブランディング・ディレクター 佐藤 圭一(さとう けいいち)
広告会社の営業職を経て、ビジネススクール卒業後の2006年に凸版印刷入社。以来ブランドコンサルティング部門にて、ブランディング・ディレクター兼コンサルタントとして、
企業理念・ビジョン策定、企業及びグループブランド戦略の立案、CI・VI開発、組織風土改革や広告・広報の支援など、ブランドを起点に企業経営とコミュニケーションの両サイドからコンサルティングサービスを提供している。著書に『選ばれ続ける必然 誰でもできる
「ブランディング」のはじめ方』。
日本マーケティング学会会員(マーケティングサロン委員)。

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