コラム

アップサイクルの取り組み事例
花王株式会社様

日やけ止めブランドALLIE は2022年2月にブランドが提供する価値の一つにサステナブルを掲げ、全面リニューアル。前年度の商品プロモーションに使用した店頭販促物をアップサイクルするなど、多様な取り組みを展開していく予定です。ブランドマネジャーの前川裕一さん、TOPPANの徳良銀に、プロモーションのねらいやアップサイクルの取り組み、今後の展望について聞きました。


SDGs関連コラム一気読み資料


(左)TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 マーケティング事業部 ビジネスプロデュース本部 兼 SDGs Unitプロデューサー 徳良 銀(右)花王株式会社 化粧品事業部門 ALLIEグループ ブランドマネージャー 前川 裕一さん

店頭販促物を回収し、数量限定品のパッケージへ

花王株式会社 化粧品事業部門 ALLIEグループ ブランドマネジャー 前川 裕一さん
花王株式会社 化粧品事業部門 ALLIEグループ ブランドマネジャー 前川 裕一さん

前川世界では、一部の国・地域・ビーチにおいて、特定の成分を含む日やけ止めの持ち込みや販売などを制限する動きがあります。2018年7月に特定の紫外線吸収剤を含む日やけ止めの販売を規制する法案がハワイ州で成立し、2021年1月から施行されています。このような規制の広がりによってお客さまがとても困っているという状況が生まれてきています。




そこで、世界の、どのビーチでも美しく楽しく過ごしてほしいという願いを込め、ハワイやパラオなど、一部の国・地域・ビーチの規制※に配慮した設計の「ビーチフレンドリー処方」を採用した「アリィー クロノビューティ」シリーズを発売します。
世界と共に自身も美しくありつづけてほしいという思いから、ブランドコンセプトに「Think Sustainability, Be Beautiful」を掲げ、世界のどこでも美しく、楽しく過ごせる日やけ止めを提供するブランドを目指したいと考えました。外装はFSC認証を取得した紙を採用し、プラスチックを削減。容器の一部にはバイオマス素材を採用するなど、環境保全につながる活動に取り組んでいます。

TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 マーケティング事業部 ビジネスプロデュース本部 兼 SDGs Unit プロデューサー 徳良銀
TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部 マーケティング事業部 ビジネスプロデュース本部 兼 SDGs Unit プロデューサー 徳良銀

徳良前川様からリニューアルのお話を伺い、ブランドの魅力を伝えるためには、何かサステナブルな行動実績があった方がより説得力が増すと考えました。そこで店舗で商品をプロモーションする際の販促物を回収し、そこから出る紙資源をアップサイクルする案をご提案しました。独自調査で、店頭販促物は半数が燃えるごみとして処理されていることが分かり、また、日本では古紙回収率が8割なのに再生利用率は6割台にとどまるという調査データもあったので、そうした社会課題の解決につながればと思いました。

前川:ただ回収して再資源化するだけではなく、実際にお客さまの手元に届く商品のパッケージにアップサイクルさせる案を聞いて、ぜひ実施したいと思いました。パッケージとして、強度などの基準を満たす必要があったので、すぐに弊社の研究・開発部門との打ち合わせを開始しました。

アップサイクルとは

徳良:あえて少しラフな古紙らしさを活かす紙質にしたことで、お客さまご自身がサステナビリティに貢献していることをより実感いただけるものになったのではないかと感じています。

前川:店頭販促物の回収については弊社の営業部門から各チェーン様にお話させていただいたところ、サステナブル意識が高まっていることもあり、快くご協力くださいました。この協力がなければこの取り組みも実行できていないのでとても感謝しております。

※ ハワイ州のほかにも、パラオで2020年1月から販売と使用が禁止になるなど、ヴァージン諸島・アルバ・ボネール・タイ国立公園などで販売や使用が禁止されています。


アクションの輪をさらに広げていくための仕掛けを

販促物がパッケージになるまで

前川:2022年3月からは、ALLIEの考えるサステナビリティに共感していただける企業や団体、お客さまと共に取り組む活動「Think Sustainability Action」をスタートさせ、海をキレイにする活動などを実施します。この商品の売り上げの一部を環境保全活動団体に寄付する予定です。社内での期待値も非常に高い企画になりました。

徳良:化粧品業界では、企業の枠組みを超えてサステナブルな動きが始まっているので、その点、社会への影響も大きいのではないでしょうか。TOPPANとしても何かしらのご協力ができたらと思っております。

前川:今後、ALLIE を多くの皆さんに好きになっていただけるようなブランドに育てていきたいと考えています。今回のリニューアルはそのための第一歩。御社には、中長期的な視点でブランド強化につながるご提案を期待しています。

徳良:サステナブルの輪をつなげるためのストーリーづくりや企画推進、実際にパッケージなど、ものを形にしていく段階などでお手伝いさせていただき、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していきたいと考えています。


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2023.10.03

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