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2021.06.01

多角的な視点から考えるアーカイブの必要性「熊本城」

#自治体#防災・減災
VR映像で再現された江戸時代の熊本城 VR作品「熊本城」 製作:熊本城観光交流サービス株式会社 制作・著作:凸版印刷株式会社
アーカイブ構築には、史資料の情報の整理・管理や新たなコンテンツ制作のほかに、災害時の消失に備えるといった目的があります。ここでは文化財のコンテンツ制作を主目的としたアーカイブが、災害時の復旧に貢献した例を紹介します。

石垣の修復にアーカイブデータを活用

トッパンではVR作品『熊本城』を制作し、2011年より「熊本城ミュージアム わくわく座」で公開しています。制作にあたっては精密に再現するため、建造物や石垣の画像を4万点ほど撮影し、詳細な記録を取得していました。
 
公開から5年後の2016年に熊本地震が発生。熊本城は重要文化財13棟を含むすべての建造物が被災しました。特に石垣の被害が甚大で全体の約1割が崩落、緩みや膨らみなどで修復が必要な石材もあり、約10万個の築石の積み直しが必要となりました。
 
崩落した石垣を修復するには、石工職人が1個ずつ目視により元の位置を推定していく作業が必要です。しかし、熊本地震では崩落した数が膨大だったため、照合だけで大変な時間と労力がかかることが見込まれました。 
震災前にアーカイブしていた画像データが災害復旧のための取り組みにつながりました
こうした状況を受けて、トッパンと熊本大学は協働でデジタルアーカイブを活用し、復旧に貢献するシステムを開発。トッパンが保有する約4万点の被災前の記録写真や石垣の3Dデータと、熊本大学が開発した「石垣照合システム」、崩落後の石材データベースを組み合わせ、照合作業の効率化を図りました。また照合結果を現場で確認できるインターフェイスを開発し、石材置き場から対象の石材を絞り込む作業負荷を軽減。500個の候補石材を10個に絞るなど、現場の復旧作業に貢献しています。 
熊本城全体で積み直しが必要な石材の数は約10万個に及びます
照合システムを使うことで、目視だけでは分からなかった石材の位置の特定が可能になりました

事前に備えることで、次世代への財産を守る

熊本城の事例は戦後最大の文化財復旧事業と言われ、文化財を保有する他の自治体から注目を集めています。この事例を契機に、災害に備えたデジタルアーカイブの有用性が徐々に広まり、レーザー計測や撮影は増加傾向にあります。完全な記録でなくとも事前の備えをしておくことが、次世代へ貴重な財産や文化を引き継ぐ足掛かりとなります。 
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