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アイデアノートでは、課題解決に役立つ当社の受注事例やソリューションを織り交ぜ、独自の視点で編集した注目コンテンツをピックアップしてまとめています。

2019.7.1

文字認識はここまできた!~OCRで業務効率化も、データ活用も~

#DX#BPO・業務効率化#コーポレートコミュニケーション#防災・減災#AI
九州大学 大学院 システム情報科学研究院 教授 内田 誠一 さん
AI関連技術の発展に伴って、文字認識技術はどのように変化してきているのか—。その技術進化の先にある、今後の社会実装に対する期待や、研究の展望について、文字認識技術研究の第一線で研究されている、九州大学大学院システム情報科学研究院の内田誠一教授にお話を伺いました。

AIによる技術発展を新しいチャンスに

文字認識に関する研究の歴史は古く、約90年前からその取り組みは始まっています。私は画像情報学が専門で、文字画像認識についてもさまざまな方法を試行錯誤してきましたが、近年のAI関連技術の発展、とりわけディープラーニングの活用により、その認識率は大幅に向上しました。AIの活用で効果を得るためには大量のデータが必要になりますが、文字情報は比較的データが集めやすいため、その効果は顕著でした。この急激な変化は研究者にとって大変喜ばしいことと、私は捉えています。これまで取り組むことが難しかった新しいテーマの研究に取り組むことができるようになったからです。

私の場合は、文字情報と人との関わりに興味があるので、それを解明する研究に取り組んでいます。文字の持つさまざまな機能を明らかにすることで、文字と人間、それを取り巻く環境の関わりを多角的に解明しようと試みています(図)。たとえば、情景内の文字の認識です。これまで、人が街中で見かける看板や標識の文字情報を画像からコンピュータに認識させることは難しかったのですが、ここ数年、さまざまな企業・研究機関からのデータ公開やディープラーニングの活用で、認識精度が上がっています。
図:文字の持つ機能と周囲環境・人間との関係

文字と人との関係をより深めていくために

文字認識技術は、文字を認識すること自体がゴールではなく、その先のことを考える必要があります。認識した結果をどのように利用していくか、どのような面白いことが社会で実現できるかも大切です。

先ほど挙げた「情景内の文字認識」に関しても、標識や看板を撮影すると、他言語に翻訳されるサービスが既にあるように、OCRを活用したサービスはさまざまなところに導入されています。一方で、まだ実現できていないこともあります。AIとOCRを活用した帳票認識等のRPAサービスへの取り組みが始まっていますが、その中でも、図や表などを含む複雑なものや、フリーレイアウトのものをコンピュータに理解させるのは難易度が高い分野です。

トッパンさんが取り組んでいる古文書やくずし字も難しい分野で、そこに取り組まれてきた経験は日本語OCR全般に活かされるのではないでしょうか。今後も実用的なサービスが生まれ、それに伴う新しい課題も生まれ、その解決のための取り組みも必要になってくるかと思います。

このような人々の役立つシステムやサービスを考えることは企業側の得意な分野ですが、アカデミアの役割としては、物事の基盤や根本となる部分を考えていく必要があると考えています。

たとえば、文字とはそもそも何か、どうしてこのフォントやレイアウトがこの場面で使われるのかなど、文字に関して理解を深めていくための基盤となる研究に現在、取り組んでいます。

人間は言葉を使って物事を思考、認識しています。それを誰かに伝えるためには文字が必要です。だから、文字は自然に発生したものでなく、誰かが意図して、そこに表したものになります。文字への理解を深めていくことは、人間を理解していくことにつながるのではないかと考えています。
内田 誠一 さん
九州大学 大学院 システム情報科学研究院 教授
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