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2020.9.1

ターゲットとのエンゲージメントを深めるDMを

#デジタルマーケティング#セールス#マーケティング・プロモーション#印刷・加工
株式会社 日本HP 経営企画本部 マーケティング推進部 部長 甲斐 博一さん
テレワークの普及を後押しする株式会社 日本HP様は、「働く場所にしばられない仕事の環境づくり」の実現のため、質の高いテレワーク環境を訴求する「フォトブックDM」を作成しています。折からテレワークに注目が集まり、各社がPR攻勢をしかける中、日本HP様がトッパンとともに手掛けたDMマーケティングについて、お話をうかがいます。

デジタルでは届かない想いを届ける

第34回全日本DM大賞で入選した日本HP様のB5サイズの3種類の冊子は、これがDMで送られてくるものなのか、一体何が書かれているのだろうと思わず手に取ってみてしまうほどのハイクオリティな質感です。表紙の「ReDiscover」というタイトルの下には、それぞれ「for IT Professionals」「for IT Manager」「for Mobile Workers」と、各DMのターゲットである役職が記されています。また最初のページを開くと、そこにはDMを受け取った人の名前が印刷されており、その人のためだけに作られたメッセージであるかのような特別感があります。

「今回対象となるターゲットは大企業の約12,000社でしたが、ここに私たちの考えを広めるために、基本はEメールなどを使ったデジタルマーケティングを行っています。うまくキーパーソンに到達できる場合もあれば、それだけではリーチできない人もいます。そのような人たちに私たちの提案を訴求していくために、デジタルとかけあわせたDMを活用することにしました」と、甲斐さんは、デジタルとリアルの施策を組み合わせたマーケティングの必要性について説明します。

また、「DMの制作にあたっては、誰に、いつ、どのような情報を届けるか、その後のテレマーケティングをどのタイミングで実施するか、さらにデジタルを組み合わせながら、どのように最後まで実行していくかを設計します」(甲斐さん)と、時間軸を考えて設計することの重要性も指摘します。

DMといえば、とにかく大量に配布するというイメージもありますが、甲斐さんは「捨てられてすぐにゴミになるようなものを作ってはいけない」と、DMが捨てられないようにするには、どうすればよいかを念頭に置いて企画に当たりました。「必ず手に取って読んでいただき、関心を持ってもらえるような心理的な絆をつくるもの、顧客とのエンゲージメントを深めるものにしたいと考えました」(甲斐さん)。
「ReDiscover 価値あるテレワークの実現に向けて」
B5サイズ28ページの写真集DMで、ターゲットである役職・職種ごとに3種を作成。テレワークによる新たなワークスタイルをファッション誌のようなビジュアルで訴求。最初の見開きページに、メインメッセージとともに一人ひとりのお名前を印字することで、受け取った本人だけに贈られてきたような特別感を演出している。

DM送付後に丁寧なフォローを実行

日本HP様は、PCとプリンティングを事業の中心に据えるメーカーですが、この冊子にはPCのパンフレットによく見られる細かい機能の紹介やスペックなどは記載されていません。さまざまな働き方を模索する人たちが、テレワークによって実現できる快適な仕事環境を、ファッション性の高い写真によって紹介しています。

「最終的にはPCや機器を販売するので、そこでは機能などの説明も必要ですが、DMではさまざまな働き方に合った快適な仕事環境をどうつくれるのか、どこまで実現できるのかなど、これまでのオフィス内だけでの仕事という既成概念を壊すような提案がしたいと思いました。一見するとファッション誌のようですが、実はファッションの紹介はしていません。写真は仕事のスタイルに合ったおしゃれさを演出していますが、文章では、その仕事環境を実現するためのテクノロジーの必要性について、堅苦しくないタッチで表現しています」(甲斐さん)。

DMの発送後は、手に取られたタイミングを見計らって、テレマーケティングを展開しています。関心を持ってくれた人に対して丁寧なフォローを実施するためには、それが可能な範囲の部数を小ロットで、複数回制作できることが必要です。またこのDM制作には、1冊ごとに宛名を印刷するなど個別対応ができる、手に取って見ていただき捨てられないだけのクオリティを実現するといったことが求められました。これら一つひとつの機能や取り組みを積み重ねることで、顧客とのエンゲージメントを深めていきました。

「テレワークの推進には、人事部、IT関連部、総務部などいろいろな部署が関わります。それぞれの部署が考える課題も異なるため、違う角度から同じ情報を届けていく複合的なアプローチが必要です。それには宛名や内容などをターゲット別に細かく分けて対応できるデジタル印刷が最適だと思います。デジタル印刷は素材との組み合わせが重要です。今回は従来のDMのイメージにはない、ファッション誌のような仕様を目指したのでそのアイデアを形にしていく部分でトッパンさんの知見が不可欠でした」と甲斐さん。ちなみに今回のDM制作には、日本HP様の「Indigo デジタル印刷機」が使われています。

ワークショップの実施でより効果的な施策を

今回のプロジェクトでは、クライアントからのオリエンテーション、それに対する提案を行うといった流れではなく、最初から関係者全員が集まってワークショップを実施するという手法が採られています。
「トッパンさんをはじめ関係者全員に、ワークショップに何回か参加してもらい、私たちが持っている課題に対して、どういうアプローチが効果的か、それをどう具体化するかということをしっかり議論し、それぞれの立場から意見を出し合いました。私も最初からこのような冊子を作ることは想定していませんでしたが、お互いの知見やアイデアを出していく過程の中でこの方向が最適だろうと全員納得の上決まりました。

トッパンさんについては印刷以外のこと、撮影などのスタッフィングからクリエイティブ面まで任せることができると分かったことが大きな発見でしたね。結果として一番良い方向に進んだと思います」と甲斐さんからは、トッパンの制作に関する総合力について評価をいただきました。
甲斐 博一さん
株式会社 日本HP 経営企画本部 マーケティング推進部 部長
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