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開催レポート

TOPPAN DX展 2019 開催レポート

日時:11月6日(水)~8日(金)/10:00~17:30(初日のみ13:00より)
場所:トッパン小石川ビル 

TOPPAN DX展|凸版印刷

ビジネスの課題解決のカギは、デジタル革新。
トッパンの知見とノウハウを活かしたDX導入のヒントがここに

高度にデジタル変革された社会とは、いったいどのような社会なのでしょうか。
すべての人とモノがデジタルでつながり、さまざまな知識や情報が共有され、これまでにない新たな価値を生み出すことで、さまざまな社会課題を克服する。
そんな未来を実現するため、企業は今、何をすべきなのか。どう向き合えばいいのか。
本展示会では、めざすべきDXを皆さまとともに考え、明日へのヒントとなるトッパンのDXへの取り組み『T-DX』についてご紹介します。

顧客体験DX
接客でのAI活用、キャッシュレス決済、購買履歴をもとにしたマーケティングなど、プロモーションから決済まで、顧客体験の変革をサポート。
【展示カテゴリー】
キャッシュレス/WEB接客/在庫監視・管理/メディア制作/顧客行動分析/パーソナライズ/MA運用

業務効率化DX
文書の電子化、販促ツール発注手配のオンライン化など、スタッフや営業部門の業務フローの分析から導入・運用まで、業務の変革をサポート。
【展示カテゴリー】
資材管理・業務自動化・資料電子化・業務標準化・営業支援・AI活用


製造DX
製造現場の見える化や品質管理、さらには、スマートファクトリー構築に向けたシステムの導入から運用まで、製造の変革をサポート。
【展示カテゴリー】
見える化・生産情報管理・ヒト作業効率化・帳票デジタル管理・在庫管理・トレーサビリティ・搬送ナビゲーション・品質保証・装置自動化・生産監視
 

   ◆ 特別セミナー ◆   

稀代のフューチャリストとともに考えるデジタル革新の未来
グランドデザイン株式会社の小川 和也氏をモデレーターにお迎えし、DXを推進されている企業のご担当者さまにご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。

Day1「5Gがもたらすビジネスチャンス -広がる可能性と忍び寄るリスク-」

(株)Armoris  /(株)ダイヤモンド社  /  グランドデザイン(株)
DX時代のビジネス変革にセキュリティの観点からアプローチ。
データ連携や情報活用における課題、DX後に起きる新たなビジネスリスクについて考えます。

Day2「DXマーケティング」

日産自動車(株) /  資生堂ジャパン(株) /  グランドデザイン(株)
DX時代の顧客コミュニケーションにフォーカスし、デジタルマーケティングから更に進化していく顧客満足度向上や、新しい顧客エンゲージメントのあり方について考えます。

Day1「5Gがもたらすビジネスチャンス -広がる可能性と忍び寄るリスク-」

5Gサービスが今後、日本社会に普及していくことに伴って、さまざまな産業に経済効果や新たな価値が創出されることが期待されています。一方で、通信環境の劇的な変化によってこれまでとは異なるリスクの出現も予想され、技術面だけでなく組織・人材面など、さまざまな分野での対応が必要になっていきます。このセミナーでは、来るDX時代におけるビジネスチャンスとリスクの両側面について、考えていきます。

 登壇者のご紹介 

小川和也 グランドデザイン

小川 和也氏
グランドデザイン株式会社 代表取締役社長
北海道大学客員教授
J-WAVE『FUTURISM』ナビゲーター

大矢博之 ダイヤモンド社

大矢 博之氏
株式会社ダイヤモンド社 ビジネスメディア編集局
ダイヤモンド編集部
副編集長 

鎌田敬介 Armoris

鎌田 敬介氏
株式会社Armoris
取締役CTO 

藤沢修 凸版印刷

藤沢 修
凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部
デジタル戦略本部
本部長 


5Gの現状と今後の展開予想 (大矢 博之氏)

5Gはすでに20ヵ国でサービスが実施されています。日本では2019年9月のラグビーワールドカップの開催に合わせて、5Gプレサービスが始まりました。その後も、2020年3月商用サービス開始などに向けて、さまざまな準備が行われています。
5Gの主な特長は「高速大容量」「低遅延」「同時多接続」の3つです。これが実現すると、さまざまなサービスが提供できるようになると期待されています。企業へ実施したアンケート結果によると、本格的にビジネスに影響するのは、3年後にあたる2022年の前後だと考えている企業が多いようです。また、5Gの浸透によってビジネスだけでなく、企業や日本社会全体が変わっていく。それほどに大きな変化だと考えています。
とはいえ、5Gで何ができるかについて模索中の企業も多いと思います。5Gの活用に関して、AIやIoTとつなぐことでより人の代わりを担うような大きな効果を生み出します。取材で伺ったところによると、ビジネスにこれを活かすポイントとしては、画像データの活用や、ものがネットワークにつながることでのビジネスモデル変革が生み出すことなどが挙げられると思います。 
 
5Gに伴うサイバーセキュリティの課題 (鎌田 敬介氏)

近年デジタルへの依存度が高まり、サイバーリスクも増大しています。サイバーセキュリティに関して、まず企業でどのようなリスクが存在するかを紹介すると、サイバー攻撃でまず狙われるのは「金銭」ですが、ウイルス感染による「業務停止」というリスクも存在します。また忘れられがちなリスクとしては、たとえばトラブルが生じた際に、対外的に適切な対応ができず、会社の「レピュテーション(評判)」に影響が生じてしまうことも挙げられます。それ以外にも、法律や規制に関するリスクもあります。
サイバーリスクはIT分野限定のリスクではなく、企業全般、経営に関わるリスクと捉える必要があります。攻撃主体はハッカー集団のほかに、「国家」の情報機関がサイバー攻撃をする場合もあります。さらには、SNSを通じた若年層のハッカーコミュニティも存在するなど、あらゆる方面からのリスクを考え、想定外の攻撃を受けた際にどう対処するかを考えていくことも重要となります。
一方で、過度なサイバーセキュリティ対策はサービスの質の低下をもたらし、ユーザー側にしわ寄せがいくこともあるので、行き過ぎもよくありません。企業としては5G導入やデジタル化に関するリスク管理を、経営全体の視点から考え、技術(テクノロジー)のみで解決していくのではなく、ピープル・プロセス・テクノロジーという3つの観点を持って、組織として体制を整えていくことが重要でしょう。


パネルディスカッション
(小川 和也氏/大矢 博之氏/鎌田 敬介氏/藤沢 修)
パネルディスカッションでは、モデレーターの小川氏を中心に、各社の5Gビジネスの動向に詳しい大矢氏とサイバーリスクとその管理に詳しい鎌田氏、DXビジネスを担う企業サイドからトッパンの藤沢がDX時代をセキュアの観点から議論しました。

5Gへの期待の高まりと、リスクへの対応
小川氏>
今後、DXがさまざまなビジネスを変えていくことになると思います。私たちが実感できるのは数年先というお話がありましたが、来年はどのようなことが起こると予想されるでしょうか。
大矢氏>
5Gの基地局の整備がまだ進んでいないので、来年はオリンピックのスタジアムやパブリックビューイングの会場などの限定的なエリアで、各通信キャリアが新しいサービスを提供していくと思います。 
小川氏>
「オリ・パラ」が5Gの象徴的なイベントの場ということですね。これに対するリスク面からみると、どうでしょうか。5Gからの恩恵を活かしながら、リスクを最小化していくことを目指す必要があるかと思いますが、具体的に企業は何をすればいいでしょうか。
鎌田氏>
リスク対策について、どの分野ができていないか、どういうところが狙われやすいかなどといった角度から検証しておくことが重要です。5Gを使った大きなイベントを経験した人は少ないので、どうしても想定しきれないことが出てくると思います。前もって体制を整えておくことが必要ですね。 
大矢氏>
企業の方から取材を通じてリスクとして挙がっていたのは、侵入経路が多くなることや、通信量が増えるのでログを探すのが難しいことの2つです。これらのことを念頭に置いて、リスクを想定しなければいけません。 
小川氏>
トッパンの藤沢さんは、5Gを取り巻くビジネスをどう見ていますか。 
藤沢>
トッパンでも、数年前から5G時代の到来を意識して、VRなどを使ったリアリティのある映像コンテンツを提供しています。各地で実証実験を進めていますが、まだ地域が限定的です。オリンピックを契機として、それを拡大していきたいですね。一方でセキュリティに関して、トッパンは業務上お客さまからさまざまなデータをお預かりします。そのため、個人情報を取り扱う業務では高いレベルでセキュリティ基準を設けています。しかし、すべての基準をそれに合わせると他の業務が停滞してしまいます。そこで、最適なセキュリティとサービス設計の両方を実現していくため、情報セキュリティ本部を設けています。喫緊の課題としては、5GでIoTの活用が進むことにより、ネットワークの入口が増えていく中での対応などが挙げられます。 

5Gを活用して、人手不足対策を
小川氏> 
5Gの恩恵を特に受けそうな業界は、どのあたりの分野でしょうか。 
大矢氏>
ひとつは建設業界だと思います。すでに危険な場所での作業は通信機器を使って遠隔作業するという事例が増えています。その次に製造業だと思います。 
鎌田氏>
そういった現場ではインターネットを使って遠隔操作をするわけですが、それが攻撃を受けると、業務ができなくなるということもあり得ますね。 
小川氏>
製造業以外、たとえば小売業などでの5Gの活用はどうでしょうか。 
大矢氏>
将来的には、棚の整理など人がやっていたことをAIの画像認識技術やロボットを組み合わせて、代行していくケースも出てくるでしょう。人手不足という課題に対しては、無人店舗や、接客以外はロボットが行う店舗が増えていくかもしれません。
小川氏>
日本は人手不足で、人件費の高騰を考えると、無人店舗も現実味を帯びてきますね。無人にした場合、盗難などのリスク対策も必要ですね。 
鎌田氏>
そうですね。盗難のほかにも、たとえば災害などによる停電で販売ができなくなるなどのリスクがあると思います。 
小川氏>
トッパンでは、小売業向けにどのようなデジタルサービスを提供しているのですか。 
藤沢>
サプライチェーンをリアルタイムで可視化するなどの取り組みがありますが、その際に、データを取得する手段として5Gは効いてくると思います。次世代のビジネスモデルということでは、データの流れが可視化されるので、それを利活用して次の段階に行くためのツールとして5Gが活躍すると思います。それらのことをお客さまと一緒にこれから探究していきたいと思います。

セキュリティ人材の育成における課題
小川氏>
ビジネスの開発だけでなく、5Gに関わる部署間の連携や組織の見直しなども、急いで整備する必要があります。 
鎌田氏>
IT部門に任せきりではセキュリティだけを偏重してしまう恐れがあるので、業務部門もある程度ITのことを理解しておく必要があります。デジタル化とセキュリティ対策をセットで、全社的な課題として捉えて取り組む必要があります。米国の大手企業では、全部門にセキュリティ担当者が配置され、どこの部署にどのような課題があるかを全社的に把握できるようにしています。またセキュリティのルールや考え方も各部署に反映できるようにしています。 
小川氏>
ITはどの分野も人材が不足していますが、サイバーセキュリティも急いで人材を育てないといけないわけですね。 
鎌田氏>
まずITの勉強をして、その上でセキュリティを学んでいく必要があります。ひと通りのことを理解するのに3年ほどかかります。中途採用は売り手市場でなかなか採用でき、ませんし、自社で育成しようにも、まとめられた知識体系もない、というのが現状です。 
小川氏>
トッパンでは専門部署を設置していますが、社内連携という側面では、どのような課題がありますか。 
藤沢>
いくつものセキュリティ基準に準拠していくだけでも苦労しますが、同時に、人材育成を進めていくことも大きな課題です。サイバーセキュリティを担う人材の人事評価制度の整備や、外部とのコミュニティづくりを行いながら、取り組んでいこうと考えています。 
小川氏>
各部門、グループごとに人材を配置することが、求められてくるのかもしれませんね。
鎌田氏>
その場合、各グループのセキュリティ担当者を集めて、一緒に仕事をしながらナレッジを共有するということも必要でしょう。 
小川氏>
5Gに関しては、誰もが何らかのかたちで関わっていくことになるのでしょうね。では最後に、5Gによって何が変わっていくでしょうか。 
大矢氏>
新しい技術に対して懐疑的な人もいらっしゃいますが、これまでの時代の流れを振り返ると、インターネットやスマートフォンが登場したときも、新しいものを積極的に取り入れた人たちが、ビジネスで勝ち残ってきました。5Gについても同じことが言えると思います。 
鎌田氏>
同時多接続が可能になることで、管理が必要な端末も増えていきます。5Gを今までのITの延長で捉えるのではなく、新たなものの出現と捉え、セキュリティを理解している人材を社内にどのように配置していくかという点が重要だと思います。 
小川氏>
お二人の意見を踏まえて、藤沢さんは改めて何か思ったことはありますか。 
藤沢>
自分が日々生きていく中で、今、デジタルがどのぐらい浸透しているかを考えると、5Gが普及していくことで、これからは空間全体がコンテンツになっていくのではないかと思います。生活がどのように豊かになるか、便利になるかを想像しながら、セキュリティ、リスクも踏まえて、これから取り組んでいきたいと思います。

TOPPAN DX展2019

Day2「DXマーケティング」

DXの進展によりビジネスでの変革が生じると、マーケティング分野においても、手法や施策を変化させていく必要性があります。この日のセミナーでは、DX時代における顧客獲得のためのアプローチ方法や、エンゲージメントのつくり方などに関して議論しました。

  登壇者のご紹介 

小川和也 グランドデザイン

小川 和也氏
グランドデザイン株式会社 代表取締役社長
北海道大学客員教授
J-WAVE『FUTURISM』ナビゲーター

斉藤太一 日産自動車

斉藤 太一氏
日産自動車株式会社 日本戦略企画本部
日本デジタルトランスフォーメーション部
主担(CXチーム)

久野慶一郎 資生堂ジャパン

久野 慶一郎氏
資生堂ジャパン株式会社 次世代事業開発部
デジタルフューチャーグループ
アシスタントブランドマネージャー

鎌田浩史 凸版印刷

鎌田 浩史
凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部
TIC マーケティング本部 デジタルプロモーション企画部
課長 


顧客管理をサポートし販売機会を確実に捉える (斉藤 太一氏)


今、多くの業界の共通課題として、国内市場の縮小や、実店舗に来るお客さまの数の減少といったことが起きています。来店数の減少については、スマートフォンなどメディアの登場、それに伴ってデジタル上だけで購入を決めるケースも増えているため、これは従来通りの対面営業やマーケティング手法では対応できません。
当社においては、これまでのマーケティング施策では、実際にどれほどの数のお客さまが来てくれたか、何が成約要因だったかは分かりませんでした。そこで今年の試乗キャンペーンではウェブで応募していただいた際に、シリアルIDを発行。そのIDを用いて実店舗でのみ読み取れるQRコードからキャンペーンの抽選を行うことで、これまで分からなかった顧客の購入にいたるまでの途中の行動を明らかにしようと試みました。
また、ウェブサイトの閲覧履歴を分析し、顧客を車種や検討段階ごとに分類して、それぞれオファー内容を変えてアプローチする様なデジタル1to1マーケティングに加え、今後はオンライン・オフラインのビッグデータをAIを用いて解析し、営業マンの活動効率化の領域もデジタル化を図ってまいります。
常に考えていることは、お客さまや販売現場の声を生かしたシステムを開発していくことです。経営層の期待度が高いため、可能なことと難しいことを明確に判断し、対応が必要とされるため、最新の技術ソリューション情報を追っていくことが重要です。
また、デジタル領域と現場のオペレーションの両方に精通する人材が必要で、そのような人を育成していく事がミドルマネジメントにも求められていると考えています。
 
IoTでパーソナライズ化したスキンケア商品を実現 (久野 慶一郎氏)

マーケティング分野でもDXによる新しい潮流が起こる中、資生堂ではこれまで蓄積してきた研究や美容知見に、最先端デジタル技術を掛け合わせたパーソナライズド・ビューティの提供に取り組んでいます。
新ブランド『オプチューン』は、IoT技術を活用して、化粧品をパーソナライズ化し、一人ひとりのお客さまの変化する肌の状態に合わせて提供するスキンケアサービスです。肌の状態をお客さま自身で測定することができるスマートフォンアプリと、複数のカートリッジからその時に最適な保湿液を組み合わせて抽出できるIoTマシンなどを用います。
肌の状態は、一人ひとりで異なるだけでなく、睡眠時間や天候、紫外線などさまざまな要因の影響を受けて、変化し続けています。このサービスは、専用アプリでその時のお客さまの肌のセンシングを行い、その分析結果に基づき、個々の肌のその時の状態に合ったケアをお客さまの手元でチューニングします。これまでに蓄えたスキンケアの知見と、アプリから取得する肌の状態の客観データを基に、約8万パターンの組み合わせから保湿液の種類や量を決定し、その時の生活者に合ったスキンケアを提供します。
また『オプチューン』は、お客さまとのコンタクトポイントが増えるように設計しています。これまでは店舗に来店していただきカウンセリングを行い、肌の状態を測定してスキンケアの最適な提案をしてきましたが、『オプチューン』では、これが自宅で手軽にできるようになりました。化粧品を購入してから次に購入するまでの間の使用状況という、これまで接触できなかった部分のモニタリングを可能にして、最適なフォローを行うことができるようになっています。アプリを使って、生活者とその時に合った適切なコミュニケーションが取れるようになったこともIoT導入の成果の一つです。カートリッジの使用量をチェックして、残量が少なくなったら自動配送を行う仕組みを構築しています。
自分の肌を測定し、最適なものを使用するという新たなユーザー体験を感じてもらい、習慣にしてもらうことを重視して取り組んでいます。そのために、デジタルとリアルを組み合わせて、楽しみながら継続使用していただく企画なども実施しています。このような取り組みを通じて、将来にわたって顧客との関係を深めていくCRMに取り組んでいます。

パネルディスカッション
(小川 和也氏/斉藤 太一氏/久野 慶一郎氏/鎌田 浩史)
パネルディスカッションでは、モデレーターの小川氏を中心に、日産自動車の斉藤氏、資生堂の久野氏に加えて、DXマーケティングをサポートするトッパンの鎌田が意見を交わしました。
 
顧客ニーズを取り込んだDXマーケティングの実例
小川氏>
お二人から実例をご紹介いただきました。改めて、現在の日産自動車はどの辺りから優先的にDXマーケティングに着手しようと考えているのでしょうか。
斉藤氏>
自動車には、メーカーごとに愛着を持っている方も多いので、いかに他のメーカー車に乗っている方に振り向いてもらえるかが重要です。DXマーケティングにより、興味を持ってもらえそうな情報を、どのような方法で提供していくかということです。例えば、休日に店舗に来て試乗してもらうことだけではなく、お客さまの都合のいいタイミングで自宅近辺での試乗ができるようにしたり、営業の話が不要な方、専門家からの意見を聞きたいという方の両方の要望に応えられるようにするなど、多様化していくお客さまのニーズに対して、こちらもいろいろなオプションを準備していく必要があると考えています。
小川氏>
資生堂ではDXをIoTの観点から進められています。パーソナライズ化という考えは以前から存在していたと思いますが、やっと技術が追いついてきたという認識でしょうか。実際の反応はいかがですか。
久野氏>
今回、IoTを活用したブランドを設立したのは当社でも初めての試みです。ローンチしてまだ3カ月ほどですが、その前にはベータ版を展開して約1年実績を積んできました。お客さまからの反応は良好で、私たちが想像していた以上にポジティブな意見をいただきました。具体的な反応としては、スキンケアが最適化されるので効果の実感があるという声や、肌の状態が安定してきたという声もありました。そのほかにも、自分に合ったものは何かを考える手間や、なくなったら買いにいかなければいけないというストレスがなくなったという声もあり、お客さまのニーズに幅広く応えられたという実感がありました。これは「生活のイノベーション」を提供できたということだと思っています。
小川氏>
DXマーケティングは、企業から主体的に仕掛けていくものというイメージもありますが、『オプチューン』はお客さまのニーズが存在するから実施された事例かと思います。お客さまにあったオーダーメイド製品をダイレクトに提供するD to C(Direct-to-Consumer)の考え方の文脈に当たるプロダクトでしょうか。
久野氏>
そうですね。まさにその文脈に当たるものだと思います。ECサイトやフルフィルメントなどの既存のD to Cスキームを基にして、サブスクリプションとIoTを用いた新しいビジネスモデルとサービスを構築しています。
小川氏> 
自動車業界でもオーダーメイドの製品やサービス提供を重視された動きはございますか。
斉藤氏>
最初にお話ししたのは、主に販売に関する取り組みについてでしたが、プロダクトに目を向けると、コネクテッドカーでそのような取り組みをしています。車の中に通信機能を設けることでそこから得られたデータが今後の開発などに活かされると思います。例えば、走り方によってどの部品の消耗が早くなるかなどのデータを取得しており、安心や安全性の向上につながるものです。
小川氏>
トッパンでは、D to Cについて従来のダイレクトマーケティングから取り組んでいると思います。今、DXマーケティングにシフトしていく中で、現在の状況や動向についてどのように感じていますか。またDXを導入する上で、どのような壁があるでしょうか。
鎌田>
自分たちでデータを持っているけれども、どのように扱えばよいかわからないといった企業が多いのではないかと感じています。セールスプロモーションやマーケティングに関するDXについては、まだ、これまでアナログだったものをデジタルシフトするというDXに取り組む前の段階で停滞していると感じています。その次の段階にどのように進めばよいのかを、どの業界・業種でもまだ模索しているところが多いというのが実感です。

デジタルマーケティングとDXマーケティング
小川氏>
デジタルマーケティングと称されるものも、まだ道半ばだと思います。デジタルマーケティングとDXマーケティングの環境差異があるとすれば、前者はインターネットの影響を強く意識したものでしたが、DXマーケティングになると、それはもはや空気のようになり、5G以降の通信環境によりできることが一気に広がります。化粧品は、日本では成熟した産業ですが世界的に見るとまだこれからマーケットが広がる余地があると思いますが、そういう地域では最初からDX的なマーケティングになりますか。
久野氏>
まずは国内で新しい文化を創り、提供範囲をグローバルに広げてユーザーを増やしていく可能性はあると思います。『オプチューン』は、今はスキンケアの分野での取り組みですが、今後取得していくデータの蓄積と利活用が進めば、メイクアップやサプリメント分野といった美容を軸にしたさまざまな広がり方もあり得るかと思います。
小川氏>
DXを実践していく上で人事や社内体制、その連携に関しては、どのようなポイントがあるとお考えでしょうか。
斉藤氏>
これまでは、デジタルに長けた人がマーケティング部署にいる必要はなかったのですが、現在はそれでは困る状況になったと思います。
久野氏>
人的リソースという点では、さまざまなジャンルの専門性やノウハウが必要になってきましたので、自社だけの人材を確保して対応できるわけではないと思います。専門的なリソースを持った企業との横の連携をつくりながら、新しいビジネスやサービスを生み出していくという方向に、考え方をシフトしています。
小川氏>
高度化や専門化が進んでいく中で、社内だけのリソースで対応していくのは難しくなっていくということですね。トッパンはDXを支援していく立場から、人材、組織に関して、どのように考えていますか。
鎌田>
DXを導入すると、バックオフィスの役割が複雑になってきます。弊社ではその辺のサポートをしっかり実施していこうと考えています。また、お客さまのパートナーや頭脳としての役割も担っていければと思います。
小川氏>
DXに関して本格的に進展していくのはこれからという中で、事例や経験をいかにシェアしていくか、他社と連携したり技術を持ち寄ったりするのがDX時代を生きる知恵なのかもしれません。最後に、DXマーケティングで今後力点をおいていきたいことを御三方にお話しいただければと思います。
斉藤氏>
多種多様なデータを連携しながらサービスを提供していますが、データが集まるほどお客さまのことをより深く知ることができると思います。もっと社内にある他のデータベースの情報を活かせるように連携し、それにより営業の精度をあげていきたいと思います。
久野氏>
本格的な展開を始めてまだ日も浅いのですが、現在のスピード感を緩めずに歩みを進めて、イノベーションを提供していきたいと思います。パーソナライゼーションを通じて生活と美容の質の向上を目指していきます。
鎌田>
トッパンとしては、本日登壇されている企業のお客さまのDXの支援にしっかり取り組んでいければと思います。

TOPPAN DX展2019

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