レトルト殺菌に対応可能なPPモノマテリアルバリアパッケージを開発。
単一素材で構成され、リサイクル適性に優れる環境配慮型パッケージ

  凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、透明バリアフィルムを軸とした総合バリア製品ブランド「GL BARRIER(※1)」シリーズの新しいラインアップとして、耐熱、耐水性に優れた性能を実現し、レトルト殺菌に対応したPP(ポリプロピレン)モノマテリアルバリアパッケージを開発しました。
 本製品は、「GL BARRIER」の蒸着、コーティング技術を活かし、従来のPPフィルムでは難しかったレトルト殺菌処理に要求される耐熱・耐水性能を有しており、リサイクルに適したモノマテリアル構成のパッケージがレトルト食品のパッケージとして使用可能です。また、金属を使用していないため、電子レンジ調理や金属探知機による異物検査にも対応します。
 本製品により、欧米で先行するモノマテリアルの需要に対応した「GL BARRIER」のラインアップを更に拡充しました。
 食品メーカーを始めとした幅広い業界に向け、全世界で2023年春頃よりサンプル出荷を開始し、2023年中の本格的な販売開始を目指します。
 なお、本製品は2022年10月12日(水)から14日(金)に開催される「2022東京国際包装展 -TOKYO PACK 2022-」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(東2ホール・小間番号2-52)に展示します。

ALL PPモノマテリアルバリアパッケージ製品のイメージ
© TOPPAN INC.

開発の背景

 SDGs(持続可能な開発目標)など、環境配慮や省資源化推進における世界的な機運の高まりを受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まっています。凸版印刷は、2021年5月に公表した中期経営計画において、「DX(Digital Transformation)」と「SX(Sustainable Transformation)」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をはかるとし、重点施策の一つとして「環境」への取り組みを掲げ、事業活動を推進しています。
 凸版印刷は1986年にフードロス削減や省資源化などの社会課題を解決するバリアフィルム「GL FILM」を開発。現在は世界最高水準のバリア性能と用途に応じた豊富なラインアップにより、環境配慮や省資源化の特長が評価され、透明蒸着バリアフィルムの市場において、世界トップシェアを誇っています。EUにおいては、2030年までにすべての包材を再利用・リサイクル可能にするという目標がかかげられるなど、各国が包装廃棄物の資源循環に取り組み始めています。包材のモノマテリアル化はリサイクル適性を向上する有効な手段であり、PPを基材としたモノマテリアルパッケージ向けバリアフィルム、バリアパッケージの開発が求められています。今回、レトルト処理に対応する高い耐熱耐水性能を有するALL PP構成のモノマテリアルバリアパッケージの開発により、レトルト食品のパッケージにおいてもモノマテリアル構成への置き換えが可能となります。

「ALL PPモノマテリアルバリアパッケージ」の特長

 ・PPモノマテリアル構成による優れたリサイクル適性
 
パッケージの構成材料をPPによる単一素材化することにより、優れたリサイクル適性を実現しました。

・レトルト殺菌に対応したモノマテリアル包材を実現
「GL BARRIER」の開発・製造を通じて培われた蒸着とコーティング技術を活かし、これまで実現が困難であったバリア性と耐熱・耐水性を両立したPPバリアフィルムを開発しました。このPPバリアフィルムと高度なコンバーティング技術の掛け合わせにより、PPの特性である耐熱性を活かしたPPモノマテリアル構成のバリアパッケージを実現しました。

・アルミ箔からの置き換えによりCO2排出量を削減
 
従来のアルミ箔を使用したマルチマテリアル構成からの置き換えにより、包材製造時に排出するCO₂量を約26%削減※2することが可能です。

 
「モノマテリアルバリアパッケージ」 紹介

「TOPPAN S-VALUE® Packaging」について

TOPPAN S-VALUE® Packaging
凸版印刷は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE® Packaging」を掲げ、「ひと」に価値ある「スマートライフ バリュー パッケージ®」、「しゃかい」に価値ある「ソーシャル バリュー パッケージ®」、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ®」を提供します。 
 「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®」
 「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®
円滑な購入や効率的な保管、美味しく仕上がる調理、簡便な廃棄、安全・安心な取り扱いなど、生活のさまざまな場面に最適な価値を提供し、コミュニケーション媒体として顧客体験を最大化させるソリューションを展開します。
 「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ®」
 「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ®
サプライチェーンにおいて発生する業務効率化、生産性向上、販売の最適化などのさまざまな課題を解決し、継続的な企業活動を実現する価値あるパッケージやサービスを展開します。
 「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ®」
 「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ®
再生プラスチックを用いた包装材、単一素材でリサイクル適性を向上した包装材、植物由来材料の紙やバイオマスプラスチックを用いた包装材など、環境負荷の低減と循環型社会の実現につながるソリューションを展開します。

<URL> https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/sustainability/

今後の目標

 凸版印刷は本製品を含むモノマテリアルパッケージを国内外で拡販し、2025年に関連受注を含め約200億円の売上を目指します。持続可能な社会の実現に向け、ワールドワイドで持続可能な社会を実現する取り組みを進めます。

「TOKYO PACK 2022」について

名称:2022東京国際包装展 -TOKYO PACK 2022-
会期:2022年10月12日(水)~14日(金)
開場時間:10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 東1~3・東6ホール
テーマ:新時代パッケージ ここに集う!-未来のために機能進化と使命-
主催:公益社団法人日本包装技術協会
公式サイトURL: https://www.tokyo-pack.jp/
「TOKYO PACK 2022特設Webサイト」
URL: https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/tokyopack2022/

アクセス情報

・東京ビッグサイトまでのアクセス
りんかい線 国際展示場駅(下車 徒歩7分)
ゆりかもめ 東京ビッグサイト駅下車(下車 徒歩3分)

・凸版印刷ブースへのアクセス
凸版印刷ブース位置
東2ホール 小間番号2-52
※1 GL BARRIER
「GL BARRIER」は凸版印刷が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルム「GL FILM」を軸とした
総合バリア製品ブランドです。「GL FILM」は独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、
安定したバリア性能を発揮します。また多くの優れた特性が高い評価を受け、食品から医療・医薬、産業資材に至る
幅広い分野で採用されています。
URL:https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/products/barrier_film/

※2 当社算定。アルミ箔を使用したラミネート包材との比較。CO₂排出量の算定範囲はパッケージに関わる①原料の調達・製造、②製造、③輸送、④リサイクル・廃棄。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以 上

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