レトルト食品とモノマテリアル口栓付き食品向けの「GL BARRIER」包材出荷量から算出
CO₂排出量削減効果が前年比約29%増

 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、アルミ箔からの置き換えでCO₂排出量削減を実現する、透明バリアフィルムのトップブランド 「GL BARRIER」を活用したパッケージをグローバル市場へ展開しています。また、脱炭素社会の実現に向けた環境配慮型パッケージの取り組みを強化することを目的に、2020年度の実績から製品のCO₂排出量削減効果の公開を行っています。
 今回、「GL BARRIER」を使用したレトルト食品パウチとモノマテリアル口栓付き食品パウチにおいて、2021年度1年間の出荷量からCO₂排出量を算出した結果、アルミ箔を用いたパッケージに比べ、81,000トンのCO₂排出量削減効果となりました※1。同じ基準で算出した2020年度の実績63,000トンから約29%削減効果が伸長しています。これは、パッケージのモノマテリアル化(単一素材化)が進む欧米市場において、口栓付き食品パウチを中心に、アルミ箔から「GL BARRIER」のPP(ポリプロピレン)仕様である「GL-BP」への置き換えが進んでいることや、利便性と環境配慮のニーズから、金属を用いず、調理にかかるエネルギーも少ない電子レンジ調理が可能なレトルト食品包材の消費が増えたことなどによると考えられます。また、このCO₂排出量削減効果は、1世帯から排出される年間のCO₂量の約28,000世帯分※2に相当します。
 凸版印刷は、脱炭素社会の実現に向け、モノマテリアル化を含めた「GL BARRIER」への置き換えや、CO₂排出量の見える化による最適な包装設計により、パッケージを通したCO₂排出量削減に貢献します。

(左)「GL BARRIER」フィルム、(右) 「GL BARRIER」を使用したレトルトパウチのイメージ © TOPPAN INC.
(左)「GL BARRIER」フィルム、(右) 「GL BARRIER」を使用したレトルトパウチのイメージ
© TOPPAN INC.

取組みの背景と製品の概要

 SDGs(持続可能な開発目標)など、環境配慮や省資源化推進における世界的な機運の高まりを受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まっています。凸版印刷は、2021年5月に公表した中期経営計画において、「DX(Digital Transformation)」と「SX(Sustainable Transformation)」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をはかるとし、重点施策の一つとして「環境」への取り組みを掲げ、事業活動を推進しています。
 パッケージ事業においては、「TOPPAN S-VALUE® Packaging」を中心とした取り組みにより、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ®」の提供を加速しています。

 従来レトルト食品向けパウチにおいてはアルミ箔仕様が主流でしたが、CO₂排出量削減と電子レンジ調理対応が可能となることから「GL BARRIER」の採用が大幅に拡大しました。また、パッケージのモノマテリアル化が進む欧米市場ではPPバリアフィルムのニーズが高まり、口栓付き食品パウチを中心に、アルミ箔から「GL BARRIER」のPP仕様である「GL-BP」への置き換えが進んでいます。「GL BARRIER」を使用し開発したモノマテリアル構成のパッケージは、ドイツのリサイクル性評価機関のInterseroh+ GmbH社とInstitute cyclos-HTP GmbH社より、リサイクル適性に優れたパッケージ製品として高い評価を獲得しました。

 凸版印刷は、需要が拡大するこれらの製品に関し、CO₂排出量の削減効果を数値化し、見える化することにより取り組みを加速させ、持続可能な社会への貢献を目指します。

「GL BARRIER」について

 「GL BARRIER」は凸版印刷が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称です。独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、安定したバリア性能を発揮します。また多くの優れた特性が高い評価を受け、食品から医療・医薬、産業資材に至る幅広い分野で採用されています。印刷基材とバリア基材の双方の機能を兼ねること、電子レンジ対応が可能であることなどにより、アルミ箔代替、層構成の合理化を図ることができます。

「GL-BP」について

 従来のOPP基材のバリアフィルムでは、温度や湿度の影響を受けてバリア性能が低下する課題がありました。「GL-BP」は、水蒸気バリア性の向上と温湿度依存性を低減させるとともに、高湿度下においても従来のOPP基材のバリアフィルムと比較して高い酸素バリア性を実現しました。また、OPP基材のシーラントを本製品と組み合わせることで、リサイクルに適した単一素材で構成するパッケージの「モノマテリアル化」が可能となりました。
 凸版印刷は「GL-BP」の国内外への拡販を強化し、CO2排出量削減とリサイクル適性向上による環境負荷低減に貢献していきます。

 従来のOPP基材のバリアフィルムでは、温度や湿度の影響を受けてバリア性能が低下する課題がありました。「GL-BP」は、水蒸気バリア性と温湿度依存性を向上させると同時に、高湿度下においても従来のOPP基材のバリアフィルムと比較して高い酸素バリア性を実現しました。また、OPP基材を使用した本製品と組み合わせることで、リサイクルに適した単一素材で構成するパッケージの「モノマテリアル化」が可能となりました。
 凸版印刷は「GL-BP」の国内外への拡販を強化し、CO₂排出量削減とリサイクル適性向上による環境負荷低減に貢献していきます。

「TOPPAN S-VALUE® Packaging」について

TOPPAN S-VALUE® Packaging
凸版印刷は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE® Packaging」を掲げ、「ひと」に価値ある「スマートライフ バリュー パッケージ®」、「しゃかい」に価値ある「ソーシャル バリュー パッケージ®」、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ®」を提供します。 
 「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®」
 「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®
円滑な購入や効率的な保管、美味しく仕上がる調理、簡便な廃棄、安全・安心な取り扱いなど、生活のさまざまな場面に最適な価値を提供し、コミュニケーション媒体として顧客体験を最大化させるソリューションを展開します。
 「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ®」
 「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ®
サプライチェーンにおいて発生する業務効率化、生産性向上、販売の最適化などのさまざまな課題を解決し、継続的な企業活動を実現する価値あるパッケージやサービスを展開します。
 「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ®」
 「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ®
再生プラスチックを用いた包装材、単一素材でリサイクル適性を向上した包装材、植物由来材料の紙やバイオマスプラスチックを用いた包装材など、環境負荷の低減と循環型社会の実現につながるソリューションを展開します。

<URL> https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/sustainability/ 

※1 「GL BARRIER」とアルミフィルム(PETフィルム/アルミ箔)との比較。算定範囲はパッケージの原材料、製造、輸送、廃棄。すべて国内の製造拠点での生産と想定して算定。

※2 環境省 令和3年3月 「令和元年度 家庭部門のCO₂排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」
 http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateiCO2tokei.html
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以 上

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