治療の効果や安全性の臨床アウトカム評価に活用できる
電子カルテデータを基にした、疾病別患者数や薬の処方状況などの分析ツール
「DATuM IDEA」を開発

 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、医療機関から収集した電子カルテデータを基にした、診断患者数/処方患者数/性別/年代などの情報を、直感的な操作で分析できるツール「DATuM IDEA(読み:デイタム イデア)」を開発しました。「DATuM IDEA」を活用することで、疾患における治療実態の把握や、医薬品使用に関する有効性/安全性の分析などの目的のため、主に製薬会社が定量的かつ実際の医療行為に即したデータを参照/分析することができます。これによって、より効果的/効率的な医薬品開発や治験モデル構築、個別化医療実現に貢献することを目指します。

「DATuM IDEA」ロゴ ©TOPPAN INC.
「DATuM IDEA」ロゴ
©TOPPAN INC.

開発の背景

 医療ビッグデータを活用した健康・医療に関する研究開発の推進や、新たな産業・事業の創出による健康長寿社会実現を目的に「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(通称:次世代医療基盤法)」が2018年5月に施行されました。国を挙げて医療ビッグデータの利活用が促進されています。
 このような中で凸版印刷は「健康・ライフサイエンス」領域を今後の成長領域と定め、事業拡大を推進するべく、次世代医療基盤法に基づく、医療情報の匿名加工を行う認定医療情報等取扱受託事業者であるICI 株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:工藤 憲一、以下 ICI)と資本業務提携契約を2019年11月に締結しています。これを踏まえ凸版印刷とICIは、一般財団法人日本医師会医療情報管理機構(以下 J-MIMO)の収集した、医療機関の日常的な臨床記録である電子カルテデータの匿名加工を実施し、データベースを構築してきました。今回、このデータベースを基に、医療ビッグデータ分析ツール「DATuM IDEA」を開発しました。

医療ビッグデータ分析ツール「DATuM IDEA」の特徴

①様々な検索条件による絞り込みが可能
 ダッシュボード上から、年代や性別等のセグメントを指定すると、即時にチャートが連動し指定セグメントに絞り込まれた状態で表示することができます。データ処理の専門知識がなくても直感的な操作でデータ分析を行うことができます。

②電子カルテ記載疾患名での分析が可能
 電子カルテデータに登録された疾患名を用いた分析が可能です。レセプトデータ上では調整されてしまう病名での検索ができることにより、薬剤の適応外使用の状況把握も可能になります。

ダッシュボード画面イメージ ©TOPPAN INC.
ダッシュボード画面イメージ ©TOPPAN INC.

③薬剤投与後の結果まで検索/表示可能
 疾患患者数や薬剤処方件数だけでなく、薬剤投与後の検体検査結果値分析も可能です。

④匿名加工された電子カルテデータを活用
 「DATuM IDEA」は、認定匿名加工医療情報作成事業者である、J-MIMOから委託を受けたICIが医療情報の整理/加工を実施しています。「DATuM IDEA」は、患者の個人情報などが復元できないよう、ICIによって匿名加工された医療情報を基に構築しています。

提供メニュー例

 サマリー分析/傷病基本分析/処方基本分析/シェア分析/薬剤使用量分析/検査値分析/処方動態分析 など

提供メニュー例 ©TOPPAN INC.
提供メニュー例 ©TOPPAN INC.

「DATuM IDEA」サービスサイト

 https://datumidea.jp

今後の目標

 凸版印刷は「DATuM IDEA」を、製薬会社を始め医療業界に展開を進めていきます。また、他の医療データ(レセプトデータ、健康診断データなど)も繋げることで、患者が疾患を認識してから診断/治療/その後の生活に至るまでの流れを明らかにした統合データベースの構築を目指します。
 そして、健康長寿の延伸と効率的な創薬を支援するサービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以 上

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