高い密封性を有する電子レンジ対応の紙製一次容器「ピタッと紙トレー®」を開発
プラスチック使用量、包材製造時のCO₂排出量を削減、2022年2月よりサンプル出荷を開始


 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE® Packaging」を掲げ、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ®」を提供しています。
 「サステナブル バリュー パッケージ®」で提供するラインアップの1つとして、高い密封性を有する電子レンジ対応可能な紙製一次容器「ピタッと紙トレー®」を開発しました。MAP包装(※1)のチルド食品や電子レンジ対応の冷凍食品向けの容器として、2022年2月15日(火)よりサンプル出荷を開始し、2023年春より本格的な販売を開始予定です。

 「ピタッと紙トレー®」は、コンビニエンスストアやスーパーでチルド販売や冷凍販売されている加工食品向けの紙製一次容器です。高い密封性を有する構造のため、紙トレーでは製品化が難しかった液状や水分を多く含む加工食品および、MAP包装しているチルド食品の製品化も可能になりました。容器表面に印刷表現が可能なことから外装や外箱が不要となり、従来使用されている同サイズのポリプロピレン製プラスチックトレーと紙トレー単体を比較して、プラスチック使用量を約90%削減でき、製造時に排出するCO₂量を約49%削減することが可能です(当社算定)。内面にはバリアシーラントの他、「GL BARRIER 」(※2)を使用することができ、バリア性のバリエーション提案が可能です。
 また、スタッキング可能な形状で製函納入に対応し、専用のシールヘッドと組み合わせて一般的なトレーシーラーを活用できるので、導入時の初期投資を抑えられます。

 なお、本製品は、2022年2月15日(火)~18日(金)に東京ビッグサイトで行われる「JAPAN PACK 2022」と、2022年2月16日(水)~18日(金)に幕張メッセで行われる「スーパーマーケット・トレードショー2022」に出展する東京食品機械株式会社のブースに参考出展します。

「ピタッと紙トレー®」のサンプル © TOPPAN INC.
「ピタッと紙トレー®」のサンプル
© TOPPAN INC.

開発の背景

 高齢化や共働き世帯の増加といった社会環境の変化によりコンビニエンスストアやスーパーで販売されるチルド総菜や冷凍食品の需要は拡大しています。一方、水分を多く含んだ加工食品には、液漏れ防止などのためプラスチック容器が使用される場合が多いことから、環境に配慮した密封容器のニーズが高まっています。
 このたび、凸版印刷は、高い密封性とバリア性を付与可能な紙製一次容器を開発。今まで紙トレーでは販売が難しかった水分を多く含んだ加工食品の紙トレー化が可能になりました。また、MAP包装が可能で、食品の賞味期限延長によるフードロス削減に貢献します。

「ピタッと紙トレー®」の特長

・環境に配慮した紙製一次容器
 トレーを紙化することで、同サイズのポリプロピレン製プラスチックトレーを使用した商品と比較して、プラスチック使用量を約90%削減でき、包材製造時に排出するCO₂量を約49%削減することが可能です(当社算定)。印刷可能面積が広く、一次容器でありながらフィルムや紙の蓋材、容器本体への印刷ができるため、内容物表示や使用方法を表示するための二次包装を省くことが可能です。また、基材となる紙素材には森林認証紙も使用可能です。

・高い密封性とバリア性を付与し、液状や水分を多く含む加工食品やチルド食品に対応可能
 高い密封性を有するため、液状や水分を多く含む加工食品の製品化が可能です。また、MAP包装しているチルド食品にも対応します。内面に積層するフィルム仕様により、ノンバリアからバリアシーラントを使用したセミバリア、「GL BARRIER 」(※2)を使用したハイバリアまで、ニーズに合わせたバリエーション提案が可能です。
・電子レンジ対応可能
 耐熱性を付与することも可能で、電子レンジで加熱できます。加熱後、そのまま食器としても使用できます。紙トレーは容器包装リサイクル法上の「紙製容器包装」に分類されるため「紙マーク」表記となります。
・スタッキング可能で製函納入に対応
 製函納入が可能なため、製函機の設備導入が不要です。また、一般的なトレーシーラーを使用し、専用のシールヘッドと組み合わせて蓋シール可能です。

今後の目標

 凸版印刷は「ピタッと紙トレー®」を拡販、2023年度に関連受注も含め約3億円の売上を目指します。

「TOPPAN S-VALUE®Packaging」について

TOPPAN S-VALUEⓇ Packaging
 凸版印刷は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE® Packaging」を掲げ、「ひと」に価値ある「スマートライフ バリュー パッケージ®」、「しゃかい」に価値ある「ソーシャル バリュー パッケージ®」、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ®」を提供します。
「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®」
 「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ®」
円滑な購入や効率的な保管、美味しく仕上がる調理、簡便な廃棄、安全・安心な取り扱いなど、生活のさまざまな場面に最適な価値を提供し、コミュニケーション媒体として顧客体験を最大化させるソリューションを展開します。
「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージⓇ」
「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ®」
サプライチェーンにおいて発生する業務効率化、生産性向上、販売の最適化などのさまざまな課題を解決し、継続的な企業活動を実現する価値あるパッケージやサービスを展開します。
「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージⓇ」
「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ®」
再生プラスチックを用いた包装材、単一素材でリサイクル適性を向上した包装材、植物由来材料の紙やバイオマスプラスチックを用いた包装材など、環境負荷の低減と循環型社会の実現につながるソリューションを展開します。

<URL> https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/sustainability/

※1  MAP包装(ガス置換包装)、
密封したプラスチックなどの包装内の空気を除去し他のガス(窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)、酸素あるいはこれらの混合気)を充填する包装技術であり、食品の酸化防止、微生物の繁殖の抑制、静菌あるいは殺菌などを目的としています。

※2 「GL BARRIER」
凸版印刷が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称です。独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、安定したバリア性能を発揮します。また多くの優れた特性が高い評価を受け、食品から医療・医薬、産業資材に至る幅広い分野で採用されています。印刷基材とバリア基材の双方の機能を兼ねること、電子レンジ対応が可能であることなどにより、アルミ箔代替、層構成の合理化を図ることができます。

https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/products/barrier_film/


* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以 上

Newsroom Search