約2,000m離れたタグを検知し、資材管理業務の効率化を支援
タグと管理システムを組み合わせた実証実験キットを提供開始

 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、最長で約2,000m離れていても通信が可能な資材管理向けアクティブタグ「ZETag®(ゼタグ)」と、100万個以上の「ZETag®」の位置情報を管理するクラウド型システムプラットフォーム「ZETagDRIVE™(ゼタグ・ドライブ)」を開発しました。

「ZETag®」のシステム構成イメージ © TOPPAN INC.
「ZETag®」のシステム構成イメージ
© TOPPAN INC.

 「ZETag®」はボタン電池で駆動し、固有のID情報を自ら発信するアクティブ型のタグです。LPWA通信規格ZETA(※1)のプロトコルを使用しており、500~2,000m(通信環境や使用条件により増減)離れていても基地局との通信が可能です。従来のパッシブ型RFIDタグで必要とされていたリーダーでタグを読み取る作業やアンテナを内蔵したゲートの通過をすることなく、広い倉庫や屋外でパレットやカゴ車などの所在を自動で管理することが可能になります。「ZETagDRIVE™」は、基地局が検知した「ZETag®」からの情報を収集・記録・管理するクラウド型システムプラットフォームで、同時に100万個以上の「ZETag®」を管理することができます。
 凸版印刷は、2021年10月より、「ZETag®」と「ZETagDRIVE™」に通信基地局を組み合わせた実証実験キットを提供開始します。

 本製品は、2021年10月6日(水)から8日(金)に開催される「第23回 自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(南3・4ホール、小間番号A-51)に出展されます。また、10月11日(月)から11月10日(水)に開催されるオンライン展示会「TOPPAN Auto-ID 2021 秋」でも紹介されます。

開発の背景

 物流・運送業界では、生産年齢人口の減少や少子高齢化、厳しい労働環境による担い手確保の難しさなどから労働力不足が社会問題化しています。また、新型コロナウイルス感染症流行に伴う巣ごもり消費の拡大などによりネット通販のニーズが高まり、運搬物はさらに増える傾向にあります。
 このような中、凸版印刷はアクティブタグ「ZETag®」とその管理システム「ZETagDRIVE™」で、パレットやカゴ車などの所在を自動で管理し可視化することにより、管理業務の負担軽減や円滑な荷役作業を実現するなど、物流の効率化を支援します。

「ZETag®」および「ZETagDRIVE™」の特長

① 最長で約2,000mの長距離通信
 LPWA通信規格ZETAのプロトコルを使用しており、500~2,000m(通信環境や使用条件により増減)離れていても基地局との通信が可能です。

② 電波の減衰を防ぐ新設計のアンテナ搭載
 スタッフ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:後藤 晃一)と共同開発し、新たに設計したアンテナを搭載しています。電波強度減衰の影響を受けやすい金属製の資材に取り付けても長距離通信を可能としました。

③ 低消費電力
 「ZETag®」は、ボタン電池で駆動します。本来ZETAは双方向での通信を特長としていますが、「ZETag®」ではタグから基地局への単方向通信に固定、さらに送信電波強度を10mWに設定しました。これにより消費電力を大幅に低減することが可能となり、30,000回以上の通信を実現します(620mAhの電池を使用時)。

④ 100万個以上の大規模アクセスサポートを実現
 
物流用途では数万~数十万個の資材を同時に管理するシーンも想定されます。そのため、「ZETagDRIVE™」では分散アーキテクチャを採用することで、100万個以上の「ZETag®」の同時アクセスをサポートしています。

ZETag®ラインナップ

モデル名 サイズ(mm) 防塵防水レベル 電池容量 取得データ
ZETag® 標準版 63×35×9 IP55(専用ケース使用でIP68) 620 mAh ZETagID
ZETag® RFID搭載版 86×54×7 IP55(専用ケース使用でIP68) 225 mAh ZETagID・RFID・温度
ZETag® 薄型版(*) 86×54×3 非防水 22 mAh ZETagID・温湿度
ZETag® GPS搭載版(*) 65×43×9.4 IP55 620 mAh ZETagID・GPS
(*)開発検証中
「ZETag®」ラインナップ 左からZETag®標準版、ZETag® RFID搭載版、ZETag®薄型版、ZETag® GPS搭載版 © TOPPAN INC.
「ZETag®」ラインナップ 左からZETag®標準版、ZETag® RFID搭載版、ZETag®薄型版、ZETag® GPS搭載版
© TOPPAN INC.

今後の目標

 凸版印刷は、本製品を含むZETA関連事業で、2025年度までに約50億円の売上げを目指します。また、「ZETag®」の活用により、物流DX実現に向けて社会課題の解決を推進します。

「第23回 自動認識総合展」について

名称: 第23回 自動認識総合展
会期: 2021年10月6日(水)~8日(金)
開場時間: 10:00~17:00
会場: 東京ビッグサイト 南3・4ホール
主催: 一般社団法人日本自動認識システム協会
公式サイトURL: https://www.autoid-expo.com/tokyo/

オンライン展示会「TOPPAN Auto-ID 2021 秋」について

名称: TOPPAN Auto-ID 2021 秋
会期: 2021年10月11日(月)~11月10日(水)
参加方法: PCまたはスマートフォンで下記URLよりアクセス
URL: https://exh.t-norte.com/shoudan/autoid-onlinetwo
主催: 凸版印刷株式会社 DXデザイン事業部 事業推進センター
* 凸版印刷のオンライン商談会プラットフォーム「NORTE Exh(ノルテ エキシビション)」を活用しています。

※1 ZETA
英国ZiFiSense社が開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以 上

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