ダウ社と共同で、再生可能な美しい装飾メディア「ecocracy(エコクラシー)」を開発
産業廃棄物として埋立処理されていた横断幕のマテリアルリサイクルが可能



 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)はオリンピックの公式化学会社であるダウ(本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:ジム・フィッタリング、以下 ダウ社)と共同で、再生可能な装飾メディア「ecocracy(エコクラシー)」(以下 ecocracy)を開発しました。2020年8月21日より販売を開始します。
 「ecocracy」 は、競技会やイベントに使用される装飾メディアで、終了後に回収しウッドデッキ材や植木鉢など、記念品として再生することが可能です。ダウ社がもつ、優れた光学適性と加工性を兼ね備えたポリオレフィン樹脂は、従来のターポリン性の装飾メディアと比較して複数のプラスチック素材を使用していないため、再生樹脂としてリサイクルが容易です。再生樹脂を木粉や添加物と混合し、ベンチや床などのウッドプラスチック製品や再生プラスチック製品などにマテリアルリサイクルが可能です。
 凸版印刷は「ecocracy」に使用するシートの生産と印刷・加工を行うとともに、イベント会場からの回収、再生樹脂としてのペレット化、成型品の生産、成型品の販売までを行います。

今回開発したエコクラシーのリサイクルスキーム

背景

 従来、競技会やイベントなどで使用される横断幕などは、ポリ塩化ビニル樹脂を含む複数のプラスチック樹脂を使用し生産されているため、リサイクルが困難で、多くは産業廃棄物として埋立処理されていました。その課題に対して、ダウ社の持つプラスチック材料に関する知見と、凸版印刷が持つ加工技術を合わせることで、リサイクルが可能となりました。
 凸版印刷は持続可能な社会の実現のため、環境負荷低減に貢献する製品・商材を提供しており、プラスチック加工製品においても、製品の調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル視点で、環境や社会的リスクを最小限におさえるソリューションを展開しています。このたび、ダウ社との共同開発を通じて開発した「ecocracy」を環境負荷低減のためのソリューションに追加し、さまざまな社会的課題の解決を図ります。

「ecocracy」の特長

・装飾メディアとしてのドレッシングツール機能

 優れた光学適性を持っているため、素晴らしい鮮明さと来場者の注目を集める「輝き」を提供するディスプレイ面を実現します。

・省プラスチック製品

従来のターポリン製品に比べ、プラスチック樹脂の含有量は半分以下の省プラスチック製品です。

・マテリアルリサイクルを実現

 横断幕などに使用される素材はもとより、掲示する際に必要な部品や縫製する糸、ハトメなど、オレフィン樹脂を使用し単一素材化しているため、モノマテリアル素材としてリサイクルが可能です。

・焼却処分も可能

従来のターポリン製品は、ポリ塩化ビニル樹脂を用いているため、産業廃棄物として埋立処理されるのがほとんどですが、「ecocracy」は一般プラスチックゴミ(可燃物)として焼却処分できます。
 

「ecocracy」の製品概要

タイプ 厚み 重量 最大出力巾 耐候性
エコクラシー片面使用 0.36mm 420 g/㎡ 1300mm×50m 屋外6か月相当
エコクラシー遮光両面使用 0.73mm 830 g/㎡ 1300mm×50m 屋外6か月相当

今後の展開

 凸版印刷は今回の共同開発から得た、マテリアルリサイクル製品の製造技術を活用するとともにさらなる研究をすすめ、さまざまなフィルム製品や成型品を開発します。2025年度に関連受注を含め20億円の売り上げを目指します。

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以  上

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