2018年12月からの実証実験を経て、みずほ銀行で「AI校閲・校正支援システム」が採用
広告制作物における校閲・校正業務の効率化に貢献

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、AIを活用することで印刷物・デジタル媒体に関する業界・企業特有の表記や専門用語を学習し、企業ごとの基準に合わせて文章の校閲・校正を可能にする「AI校閲・校正支援システム」(以下、本システム)を2019年10月に開発。第一弾として、金融業界向けにサービス提供を開始しています。

 このたび、本システムが株式会社みずほ銀行(本社:東京都千代田区、頭取:藤原弘治、以下 みずほ銀行)に採用され、広告制作物における業務効率化を目的に2020年1月より運用を開始します。
 なお、採用に先だち、凸版印刷とみずほ銀行は共同で本システムの実証実験を2018年12月から2019年3月まで約4ヵ月間実施。実証実験において、広告制作物における校閲・校正業務に本システムを活用することにより、作業者の負荷削減やヒューマンエラーの減少などの業務効率化が確認され、有効性が実証されました。

みずほ銀行において採用された「AI校閲・校正支援システム」利用イメージ
みずほ銀行において採用された「AI校閲・校正支援システム」利用イメージ
© Toppan Printing Co., Ltd.

採用の背景

 みずほ銀行では、商品・サービスの担当部門が制作したパンフレットなどの原稿において、専門用語などのレギュレーションチェックを確認部門が一括して行っています。しかし、制作レギュレーションを複数の作業者に徹底することの難しさにより、確認者の2重3重のチェックや複数の確認者からの差し戻しに対する制作者の修正作業などが発生し、制作・確認の両部門ともに負担がかかっていました。また、制作レギュレーションに対する校正スキルやナレッジの属人化も課題となっていました。
 これらの課題を受けて、凸版印刷はみずほ銀行と共同で2018年12月から2019年3月まで、本システムを用いた実証実験を実施。AIにレギュレーションを学習させた自動チェック機能で、確認部門だけでなく制作部門も初期段階からレギュレーションチェックが可能となり、制作者と確認者間のやり取り回数や修正指示の削減を実現。制作業務フロー全体の業務効率化と品質向上における有効性が確認され、今回の導入に至りました。

「AI校閲・校正支援システム」の特長

・AIを活用した誤表記検出
 AIが業界・導入企業特有の表記や専門用語を学習することで、各企業が求めている基準に合わせて誤表記を検出します。また「てにをは」の誤用や漢字誤変換、誤字脱字なども、文脈と合わせて判断・検出ができます。

・制作レギュレーションを管理
 媒体制作のルールや基準をシステムが管理し、異なる制作者・管理者による品質のばらつきを防止します。媒体ごとに異なるレギュレーションを複数管理することも可能です。

・制作業務に最適なインターフェース
 確認者による完成文書に対するチェックだけでなく、制作段階からの文章チェックにも合わせたインターフェースをそれぞれ提供することで、制作時のチェックからオンラインでの赤字入れ、修正指示出しまでの制作フロー全体のデジタル化・効率化を支援します。

今後の目標

 凸版印刷は、第一弾として金融業界を中心に「AI校閲・校正支援システム」の拡販を進め、2020年度までに20社の導入、2022年度までに関連受注を含めて累計100億円の売上を目指します。
 また今後、金融機関以外の業界に向けて、企業特有の表記や専門用語の実装とAIによる学習を進め、各業界へ展開してきます。

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以  上

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