マイクロ波を使用した乳がん検査「マイクロ波マンモグラフィ」の実用化に向けて協業を開始

  • 凸版印刷株式会社
  • 国立大学法人 神戸大学

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿秀晴、以下 凸版印刷)と国立大学法人神戸大学発のスタートアップ企業 株式会社Integral Geometry Science(本社:兵庫県神戸市、CEO:木村憲明、以下IGS社)は、微弱なマイクロ波を使用した乳がん検査「マイクロ波マンモグラフィ(※1)」の実用化に向け、凸版印刷からIGS社へ出資を行うとともに、器材開発での協業に合意しました。
 具体的には、検査の際に必要となる乳房表面座標シールを凸版印刷からIGS社 に提供していくとともに、今後の研究開発においても両社の連携を強化していきます。

9/13に実施された神戸大学での記者会見の様子
9/13に実施された神戸大学での記者会見の様子

「株式会社Integral Geometry Science」について

 神戸大学発のスタートアップ企業で、神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授および木村憲明博士によって2012年に設立されました。木村教授らは、“波動散乱の逆問題”(※2)を世界で初めて解析的に解くことに成功し、その研究成果を基に高精度かつ瞬時に3次元画像を再構成する、マイクロ波マンモグラフィのプロトタイプ機を開発、その実用化に取り組んでいます。

凸版印刷株式会社の「健康・ライフサイエンス」事業について

 凸版印刷は、重点的に取り組むべき成長領域の1つとして「健康・ライフサイエンス」を設定しています。
 この領域においてはこれまでも、薬や医療用の包装材、医薬品ラベルの製造、遺伝子解析システムの開発など、印刷技術をもとに発展させてきた、医療の世界を支える先進的なテクノロジーを創出してきました。また直近の取り組みとして、センシング技術を用いた高齢者の見守りサービスの提供や、健康・地域・観光資源を結びつけた健康増進プログラムの開発など、誰もが健やかに生活できる健康長寿社会の実現に向けたサービス・製品を提供しています。
 凸版印刷は今後も、「健康・ライフサイエンス」事業の拡大を通じての社会貢献を目指します。

乳房表面座標シールについて

 マイクロ波マンモグラフィの測定に用いる部材です。計測データをもとにした両側乳房の3次元構造の立体映像と、実際の生体表面の位置を対応させるために、マイクロ波を送信・受信するプローブと呼ばれる機器を動かす参考座標として使用します。

※1 マイクロ波マンモグラフィ
マイクロ波マンモグラフィは未承認機器であり、3年後の実用化に向けて医療機器の承認申請を進めていきます。
※2 波動散乱の逆問題
散乱したマイクロ波などの波動から、外部からは見えない構造等を推定しようとする問題。「散乱」という物理現象の因果関係を逆方向に辿るという意味で「逆問題」と呼ばれる。


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以  上

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