JR東日本「モビリティ変革コンソーシアム」の実証実験に参加
AIとバーチャルキャラクターを組み合わせた駅案内の有用性を検証

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)はチャットボット搭載のデジタルサイネージと、バーチャルキャラクターを活用した遠隔対話機能を組み合わせた多言語AIサイネージ「BotFriends® Vision(ぼっとふれんず ビジョン)」を開発。2019年8月5日~2019年11月10日にJR横浜駅へ設置し、コミュニケーションAIとバーチャルキャラクターを通じた遠隔案内の有用性検証を実施します。
 なお本実証実験は、凸版印刷の参画する東日本旅客鉄道株式会社(以下:JR東日本)が設立した「モビリティ変革コンソーシアム」における「案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)」共同実証実験の一環として実施されます。

「BotFriends® Vision」 © Toppan Printing Co., Ltd.
「BotFriends® Vision」
© Toppan Printing Co., Ltd.

背景

 「モビリティ変革コンソーシアム」は、交通事業者や国内外のメーカー、大学・研究機関、行政機関など、多くの関係者が参画し、様々な社会課題の解決や次代の公共交通について、オープンイノベーションでモビリティ変革を実現する場としてJR東日本が設立しました。凸版印刷は2017年11月より本コンソーシアムに参画しており、2018年11月に実施された共同実証実験において「BotFriends® Vision」をJR東京駅に設置。コミュニケーションAIによる、駅および商業施設における案内業務の有用性検証を行いました。
 今回の共同実証実験「案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)」は「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の期間と重なり、さらに1年後には「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催が控えているため、前回以上に訪日外国人旅行者を意識した実証を共同で実施します。
 それを踏まえ凸版印刷は、「BotFriends® Vision」にバーチャルキャラクターを活用した遠隔案内機能を今回新しく追加。JR横浜駅に2台設置し、コミュニケーションAIによる多言語自動案内と、バーチャルキャラクターを通じた対人コミュニケーションの組み合わせの有用性を検証します。

「BotFriends® Vision」の特徴

・コミュニケーションAIとバリアフリースピーカーによるおもてなし対話を実現

 チャットボットプラットフォームは凸版印刷の「BotFriends®」を活用。用意された質疑応答集の通りに回答するのではなく、行動経済学と凸版印刷がコールセンター対応で培ってきた顧客対応ノウハウに基づき、利用者の気持ちに寄り添った「おもてなし」対応を可能にします。さらに、音のバリアフリースピーカー「ミライスピーカー®(※1)」を搭載しており、高齢者や大勢の人混みの中でもクリアな音で案内が可能です。

・遠隔地からリアルタイム対人コミュニケーションが可能

 「BotFriends® Vision」に表示されたバーチャルキャラクターを通じて、遠隔地から利用者へリアルタイムで案内・接客をすることが可能です。これにより、コミュニケーションAIによる自動案内では対応出来ないような、複雑な案内や接客を実現しました。また「BotFriends® Vision」を様々な箇所に複数台設置する事で、遠隔地から複数施設への情報発信が少人数で可能になります。なお、本実証においてはラグビーワールドカップ2019日本大会の期間中(2019年9月20日~2019年11月2日)に日時限定で公開予定です。

・多言語でのコミュニケーションが可能

 「BotFriends® Vision」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、本部: 東京都小金井市、理事長: 徳田 英幸)のニューラル機械翻訳(NMT)エンジンを使用し、音声やテキストでの翻訳が可能です。本実証においては、日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応します。
 なお本翻訳エンジンは、凸版印刷が提供する最新の多言語音声翻訳サービス「VoiceBiz®(※2)」にも活用されています。

・外部システムとの連携

 本実証実験中は「駅すぱあと」「MapFan」「ホットペッパーグルメ」と連携し、乗換案内や近隣地図、店舗情報を表示します。また、QRコードで画面上の情報を取得し、スマートフォンとの連携も可能です。

案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)の概要

名称: 案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)/モビリティ変革コンソーシアム
実施期間: 2019年8月5日(月)~2019年11月10日(日)
実施場所: 東京駅、浜松町駅、品川駅、新宿駅、池袋駅、上野駅、横浜駅(JR東日本)
羽田空港国際線ビル駅(東京モノレール)合計8駅等 32箇所
目的:
 山手線内の複数のターミナル駅を中心に、駅および商業施設(駅ビル、エキナカなど)に案内ロボットやデジタルサイネージを設置し、駅構内や駅周辺の案内のほか、お土産案内等を行います。昨年度の取り組みを踏まえ、設置箇所の見直し、既存の外部情報サービスとの連携拡大や多言語化を前提とするなど、より効率的かつ実用的な案内AIシステムの構築を目指します。
 また、実証実験期間中は「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開催期間(2019年9月20日から2019年11月2日)と重なることと、さらには1年後の「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催期間を想定するなど、より訪日外国人旅行者を意識した実証実験に取り組みます。

今後の展開

 凸版印刷は本実証実験を通して、案内コミュニケーションAIおよび、バーチャルキャラクターを通じた遠隔でのリアルタイムコミュニケーションの技術的課題の抽出や解決方法の検証を行い、サービス品質を向上させ、駅構内・周辺観光案内などのサービスの実現を目指します。

※1 ミライスピーカー®
 2013年創立の日本発社会貢献ベンチャー、株式会社サウンドファン開発の広く遠くまでクリアに言葉を届け、高齢者を含む多くの人に聴き取りやすい音のバリアフリースピーカーです。株式会社サウンドファンとの資本業務提携による協業の中で本実証実験へ提供いたします。
https://soundfun.co.jp/
※2 VoiceBiz®(ボイスビズ)
 翻訳可能な言語が30言語から選択でき、固有名詞や定型文の登録に対応した多言語音声翻訳サービスです。翻訳エンジンには、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発を進める、深層学習を用いたニューラル翻訳(NMT)技術を10言語に採用。従来技術に比べ、翻訳精度が大幅に向上しています。
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以  上

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