~一度はがすとアンテナ回路が断線し読み取りができなくなる脆性加工を施した
NFC対応のICタグ「Cachet-Tag」で高級ワインの不正流通や偽造を防止~

 凸版印刷(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、一度はがすとアンテナ回路が断線し読み取りができなくなる脆性加工を施したNFC対応のICタグ「Cachet-Tag(カシェタグ)」を提供しています。
 このたび、本製品がフランス・ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカーであるドメーヌ・ポンソのグラン・クリュクラスのすべての製品において採用。2018年10月より順次出荷されています。

 今回採用された「Cachet-Tag」は、一度はがすとICタグが壊れて、データの読み取りができなくなるため、ラベルの不正な貼り替えや再利用を防止でき、偽造品・模倣品対策として有効です。またNFC対応スマートフォンをかざし、専用アプリでICチップ内部のデータを認証することにより、商品の真贋判定が可能です。専用アプリは、IoTプラットフォームにおける認証セキュリティソリューションを提供するSelinko SA (本社:ベルギー、CEO:Patrick Eischen)のアプリを採用しており、商品情報なども表示できるため、消費者向けの情報提供ツールとしても活用できます。

 本製品が採用されたドメーヌ・ポンソはそのワインの希少さと名声の高さから、20年以上前から製品の偽造被害を受けており、高級ワイン市場でいち早く先進的な偽造防止技術の導入に取り組んできました。今回、長年にわたる技術探究を経て、グラン・クリュクラスの製品において、より強固なセキュリティ対策を実現するために「Cachet-Tag」を採用しました。

「Cachet-Tag」をはがす前(左)と はがした後(右)
「Cachet-Tag」をはがす前(左)と
はがした後(右)
「Cachet-Tag」が採用されたドメーヌ・ポンソのグラン・クリュクラスのワイン
「Cachet-Tag」が採用されたドメーヌ・ポンソのグラン・クリュクラスのワイン
真贋判定イメージ
真贋判定イメージ

© Toppan Printing Co., Ltd

背景

 近年、偽造品や模倣品の流通は世界的に拡大しており、その内容も多様化しています。ワインや蒸留酒も偽造被害の対象となっており、偽造品や模倣品が流通し続けることで、真正品の売上減少やブランド価値の低下を招く恐れがあります。
 今回、フランス・ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカーであるドメーヌ・ポンソのグラン・クリュにおいて本製品が採用。不正流通の防止や偽造品・模倣品の抑止をするとともに、商品情報や保管方法、ワインに合う食事のアドバイスなど消費者向けの情報提供ツールとしても活用できます。

本製品の特長

・脆性加工で不正対策

 本製品には、特殊な脆性加工が施された層があり、ラベルをはがすとアンテナ回路が破れ、ICタグが壊れるため、不正な貼り替えや再利用を防止できます。

・読み取りごとに演算によるIC認証を実施

 本製品には、NXP®Semiconductors製の暗号認証機能を持ったセキュリティ性の高い革新的なICチップであるNTAG® 413 DNAを採用しており、ICタグを読み取ると、ID情報だけでなく、演算による認証情報も取得。認証情報は製品個体ごと、またNFC対応スマートフォンによる読み取りごとに異なり、クラウド上でその演算結果を判定するため、高いセキュリティ性を保有しています。

・スマートフォン(Google Android/Apple iOS)でICタグの認証が可能

 消費者が保有するNFC対応スマートフォンで読み込むだけで、認証結果を画面に表示できるため、専用の読み取り機器が必要なく真贋判定や商品情報の取得が可能です。

今後の目標

 凸版印刷は本製品を、高級ワインのボトル、医療・医薬品や高級化粧品のパッケージなどに向け拡販、2020年度に関連サービスも含め約10億円の売上を目指します。また、ICタグをはじめとした最新のテクノロジーを付加したスマートパッケージの開発・提供を推進していきます。
 なお本製品は、2018年11月19日(月)から20日(火)までオランダのアムステルダムで開催される「AIPIA World Congress」(会場:Amsterdam Conference Centre Beurs van Berlage)のNXP®Semiconductors ブースにて展示します。

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