LEDの光を利用してデータ通信を行う「光子無線通信」技術を確立、
閉鎖空間や水中など通信環境を整備しにくい場所でも大容量データの無線通信を実現

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、LEDの光を利用してデータ通信を行う「光子無線通信」技術で、大容量データの無線通信を可能にする新ソリューションの提供を、2018年10月下旬より本格的に開始します。

 本ソリューションは、株式会社クオンタムドライブ(本社:沖縄那覇市、代表取締役社長:伊禮勇吉)が保有する「光子無線通信」技術と、その基礎技術のもと、電気興業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松澤幹夫)が開発・製造する無線通信機器を活用し、凸版印刷が用途開発および販売し、3社共同で推進するものです。
 光を用いた通信のため、従来のような通信ケーブルの設置や電波が不要なため、河川や道路間など通信ケーブル敷設が難しい場所での監視カメラ設置や、電波が届かない水中やトンネル内での映像伝送、電磁ノイズなどにより安定した通信が難しい工場内のデータ伝送、建設機械やロボットなどの遠隔操作にも応用できます。
 本ソリューションは本格販売に先駆け、株式会社ユニカ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:磯崎 元彦)が西武新宿駅前で展開する屋外デジタルサイネージ「ユニカビジョン」と、大通りを挟んで向かい側の特設カフェとを結ぶ通信回線として2018年8月27日から9月2日まで導入。ユニカビジョンの映像と特殊音声を特設カフェへ伝送する仕組みの提供を行いました。

 なお本ソリューションは、2018年10月16日(火)から19日(金)に開催される「CEATEC JAPAN 2018」(会場:幕張メッセ)の3社合同ブースにて展示し、また18日(木)には同展示会にてセミナー発表を行います。

本ソリューションで使用する光子無線通信送受信端末機器
本ソリューションで使用する光子無線通信送受信端末機器
本ソリューションのシステム展開例
本ソリューションのシステム展開例

開発の背景

 モバイルネットワークの普及やクラウドサービスの拡大、IoTの進展などに伴い、データ通信量は大幅に拡大しています。そのような中で、電波が届かなかったり通信ケーブルの敷設が難しいなどの理由で、通信環境を整備しにくい場所であっても、大容量データの無線通信を行いたいというニーズが拡大しています。
 凸版印刷はこのニーズに応えるため、光子無線通信技術を活用した新ソリューションの提供を開始し、増え続ける通信需要のための通信インフラ強化の実現に貢献し、社会課題の解決を目指します。

光子無線通信の特長

(1)電波による通信が困難な環境でも通信が可能

通信には光を用いるため、水中や山間部、地下空間や発電所付近など、電波を用いた無線通信環境の構築が難しい環境でも利用できます。また、都市部など電波が密集し電波干渉が発生しやすい環境下の利用にも適しています。

(2)大容量・高速通信の実現

最大通信速度は約750Mbpsを実現※1。(※1 当社実験値)
大容量・高速通信が可能なため、4Kなど高解像度の動画データでもスムーズに送受信できます。

(3)屋外でも長距離通信が可能

日中屋外でも最大約600mまで通信が可能です※2。(※2当社実験値)
また、雨による影響もほとんど受けないため、屋外でも使用可能です。

(4)通信ケーブルが不要

通信ケーブルの敷設工事が不要のため、大幅な工期・コスト削減につながります。また設置が容易なため、一時的な工事やイベントなど期間限定での利用にも適しています。

(5)セキュアな無線通信

Wi-Fiなど公衆電波を用いた無線と異なり、光の届く範囲に通信先を限定できるため、通信データへの外部からの侵入や傍受がされにくいセキュアな無線通信です。

具体的な展開例

電波による通信が困難な山間部やトンネル内
大容量映像データの通信が必要なイベント会場
電波による通信が困難な山間部やトンネル内 大容量映像データの通信が必要なイベント会場
ケーブル敷設が困難な河川や道路間
電波干渉の多い都心部
ケーブル敷設が困難な河川や道路間 電波干渉の多い都心部

今後の展開

 凸版印刷は本ソリューションを拡販、2025年に約50億円の売上を目指します。
 また今後も光子無線通信技術を活用したソリューションを、さまざまな用途に向け展開していきます。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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