ANAHDとJAXAが始動する共創プログラム「AVATAR X」と連携し、
遠隔体験技術を活用した新たな宇宙開発・利用の創出を目指す

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、ANAホールディングス株式会社(代表取締役社長:片野坂 真哉、以下 ANAHD)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下 JAXA)が始動する、新たな宇宙開発・利用を創出する共創プログラム「AVATAR X Program(アバターエックスプログラム)」(以下 AVATAR X)に参画します。

 AVATAR Xは、ANAグループが描く瞬間移動手段「ANA AVATAR VISION」(※1)および、JAXAの新たな事業を共創する研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」(※2)の一環として、宇宙関連市場の拡大を見据え、AVATAR技術を活用した事業に向けて準備していく共創プログラムです。 
 さらにAVATAR Xの始動にあたり、各事業分野におけるコミュニティの形成、事業計画などの検討を推進することを目的として「AVATAR Xコンソーシアム」を発足、また大分県における月面などの宇宙環境を模擬した技術実証フィールド「AVATAR X Lab@OITA(アバターエックスラボアット大分)」について具体的検討に着手します。

 今回、凸版印刷は、このコンソーシアムの中核メンバーとしてAVATAR Xへ参画。凸版印刷が持つIoA(※3)や高精細画像処理技術を活用し、ANAHD、JAXAをはじめ、産官学のメンバーと連携しながら、AVATAR(分身ロボット)技術を活用した新たな宇宙関連の遠隔サービスについて共同で検討を行うとともに、それらを活用した観光事業の創出にも取り組んでいきます。

画像提供:ANAホールディングス株式会社
画像提供:ANAホールディングス株式会社

背景

 宇宙はアクセスするのに時間や距離といった大きな制限がある場所ですが、AVATAR(分身ロボット)などを活用することでその制限を超え、だれでも宇宙へアクセスできる環境を創り出すことが可能となり、新たな宇宙開発・利用の創出が期待されています。
 凸版印刷は遠隔地体験ソリューションとして、スポーツイベントや博物館、工場などに配置した分身ロボットを遠隔にいる見学者や誘導者が操縦して実際に現地にいるかのような体験や見学ができる「IoA仮想テレポーテーション」(※4)の実現を目指しています。
 今回これまで培ってきたIoAや遠隔体験技術の活用を宇宙にまで広げ、新たな事業創出に着手することを目的にANAHDとJAXAが始動するAVATAR Xへ参画。具体的な取り組み案として、①宇宙遠隔サービスの共同開発、②共創活動による地上での新たな遠隔体験を活用した観光事業創出、の検討を想定しています。

凸版印刷による取り組み案とAVATAR Xで検討される5つの事業分野での活動イメージ

1)宇宙遠隔サービスの共同開発

 凸版印刷では、培った「IoA仮想テレポーテーション」技術と今後AVATAR Xで検討される各種技術を融合し、技術実証フィールド「AVATAR X Lab@OITA」を活用することで、宇宙遠隔サービスの共同開発を想定しています。
 AVATAR Xにおける「探す・みつける」、「建てる」、「暮らす」、「医・食・住」の検討事業分野での取り組みとなります。

2)共創活動による地上での新たな遠隔体験を活用した観光事業創出

 凸版印刷では、遠隔体験技術や地方創生・観光立国の共創拠点「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」(※5) とAVATAR Xの連携による、新たな事業創出を想定しています。
 AVATAR Xにおける「楽しむ・学ぶ」の検討事業分野での取り組みとなります。

「IoA仮想テレポーテーション」による宇宙探査体験の実証デモについて

 AVATAR(分身ロボット)と「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、月面での様々な活動を、地上から遠隔で見学・体験できる技術開発を検討中です。具体的には宇宙にいるAVATARを、地上の体験者が操作。AVATARの4K+広角レンズ搭載カメラの映像を地上に伝送し、実際の宇宙での作業の様子を地上で体験可能なシステムと環境の構築を予定しています。
 IoAの没入体験転送技術を活用したテスト環境での実証デモをきっかけに、宇宙探査や観光、コミュニケーションなどの新たな遠隔サービスの創出を目指します。

宇宙探査体験の実証デモ・イメージ 左)AVATAR (分身ロボット)、右)地上でのOLED 大型伝送ルーム
宇宙探査体験の実証デモ・イメージ
左)AVATAR (分身ロボット)、右)地上でのOLED 大型伝送ルーム

© Toppan Printing Co., Ltd.

今後の目標

 凸版印刷は、AVATAR Xへの参画により、宇宙利用の遠隔サービスについて研究開発に取り組むとともに、既存ソリューションの活用や、産官学の連携による新たな遠隔体験技術の開発を進め、宇宙および観光、教育分野を始めとする遠隔体験サービス関連事業で2021年に約3億円の売上を目指します。

AVATAR X WebサイトURL
https://avatarx.com

※1 ANA AVATAR VISION
2018年3月13日ANAHDプレスリリース:https://www.ana.co.jp/group/pr/201803/20180313.html

※2 JAXA J-SPARC
http://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)は、事業意思のある民間事業者などとJAXAの間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい研究開発プログラム。

※3 IoA(Internet of Abilities)とは
東京大学大学院情報学環 暦本純一教授により提唱された未来社会基盤で、人間とテクノロジー・AIが一体化し、時間や空間の制約を超えて相互に能力を強化することを実現します。

※4 IoA仮想テレポーテーション
凸版印刷が東京大学大学院情報学環 暦本研究室(教授:暦本純一)とのIoA共同研究の成果をもとに、遠隔観光体験、スポーツ観戦・コンサート鑑賞、遠隔就労などの用途を想定して開発した遠隔体験技術です。なお「仮想テレポーテーション」は、凸版印刷株式会社にて商標出願中です。
共同研究の内容 https://www.toppan.co.jp/news/2016/07/newsrelease160714.html

※5 「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」
「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」は、日本各地にある国宝などの文化財や史跡、観光資産の魅力を最先端の表現技術を用いて体験できる、情報発信と価値創造の共創拠点です。
凸版印刷は、官公庁、自治体、観光関連団体・企業との共創により日本文化の魅力を世界に発信し、訪日外国人客の増加による地方創生・観光立国の実現に貢献。政府が目標とする2030年の訪日外国人数6,000万人達成に向け、関連事業の拡大に注力していきます。
なお「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」は、凸版印刷株式会社にて商標出願中です。
https://www.toppan.co.jp/cs/nippongallery.html

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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