~NFC対応スマートフォンで読み取るだけでWebブラウザに判定結果を表示できるクラウド認証機能付きICタグ2製品を開発~

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、NFC対応スマートフォンで読み取るだけでWebブラウザに判定結果を表示できる、クラウド認証機能付きICタグを開発しました。今回、セキュリティ認証機能を持つ「真贋判定タイプ」と、開封情報を記録できる「開封検知タイプ」の2製品をラインアップ。酒類や服飾品、家電製品などを取り扱うメーカーなどに向け、2017年内に販売を開始する予定です。

 本製品は、NFC対応スマートフォンをかざすだけで、ICチップ内部のNDEF(NFC Data Exchange Format)(※1)データを専用のアプリなしに読み込み、その認証結果をWebブラウザに表示できるICタグです。具体的には、ICタグに格納されている個別のID情報や認証情報から可変のURLを生成し、その値をクラウド認証した結果としてWeb ブラウザに表示し、真正性を確認できます。
 今回、ID情報とNFC対応スマートフォン読取時に演算した認証結果から製品の真正性を判定できるだけでなく、一度はがすと壊れてしまう脆性ラベル構造を採用した「真贋判定タイプ」と、アンテナ回路とは別に断線を検知する回路を持ち、検知回路が断線した後もICタグとして機能する「開封検知タイプ」の2製品を開発しました。

 なお本製品は、2017年9月13日(水)から15日(金)に開催される「第19回自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースにて展示します。 

今回開発した「真贋判定タイプ」(左)と、「開封検知タイプ」(右)

今回開発した「真贋判定タイプ」(左)と、「開封検知タイプ」(右)
©Toppan Printing Co., Ltd.

開発の背景

 IoTやロボティクスへの注目が高まる現在、生産現場や物流業界などにおいて、IC タグなどICT 技術を用いた生産・供給活動の自動化・最適化への動きが加速しています。同時に、世界的に拡大する模倣品や海賊版対策としても、ICタグの活用が拡大しています。特にNFCタグは、専用のリーダライタだけでなく生活者が保有するNFC対応のスマートフォンでも読み取れるため、その活用が期待されています。

 凸版印刷は2003年から業界に先駆けてICタグ事業に着手。ICタグを用いた物品管理や資産管理ソリューション、ブランドプロテクション向けの真贋判定ソリューションなどを展開し、企業の物流センターや生産工場、海外での販売製品などに多数採用されています。

 今回、NDEF方式でありながらクラウド認証機能を持つ新製品を開発。従来は固定のURL情報を元にしたWebページへの直接アクセスや、Bluetoothを用いての機器ペアリングなどの利用にとどまっていましたが、凸版印刷が従来培ってきたICタグの設計ノウハウにより、クラウド認証が可能なICタグの開発に成功しました。

本製品の特長

専用アプリがなくてもICタグの認証が可能

本製品には、NDEFでクラウド認証が可能な特殊ICチップを採用。NFC対応スマートフォンで読み込むだけで、専用アプリを使うことなく認証結果をWebブラウザに表示できます。 

NFC対応スマートフォンでの読み込みが可能

NFC対応ICタグのため、専用のリーダライタがなくても生活者が保有するNFC対応スマートフォンで読み込みが可能です。

クラウド型サービスとの連携が可能

凸版印刷が従来提供している、クラウド型統合ID認証サービス「ID-NEX」と組み合わせることで、商品のライフサイクルを一元管理できるサービスの提供が可能です。

<真贋判定タイプ>
・読取ごとに演算によるIC認証を実施
ICタグを読み取ると、ID情報を読み取るだけでなく、演算による認証情報も取得。認証情報は読み取りごとにことなり、クラウド上でその演算結果を判定するため、高いセキュリティ性を保有しています。
・脆性加工で不正対策
本製品は、ラベルをはがすとアンテナが破れ、ICタグが壊れる脆性加工を施しているため、貼り替えなどの不正を防止できます。
<開封検知タイプ>
・断線してもICタグとしての機能を保持
通常のICタグは回路の一部が断線すると読取不能となってしまいますが、本製品は通信用アンテナと断線検知用の2つの回路を備えています。そのため、検知回路が断線してもICタグとしての機能を保持できます。
・開封後もマーケティングなどに利用可能
消費者が開封した後も、トレーサビリティ情報やマーケティング情報などを提供するツールとして利用できます。 

価格

・真贋判定タイプ  約80円/枚 (※ラベル形状、100万ロットの場合。仕様により異なります。)
・開封検知タイプ  約40円/枚 (※ラベル形状、100万ロットの場合。仕様により異なります。)

今後の目標

 凸版印刷は本製品をブランドプロテクション用途向けを中心に拡販、2018年度に関連サービスを含め約10億円の売上を目指します。 

※1 NDEF(NFC Data Exchange Format)
NFCの普及を推進するための業界標準団体NFC Forumが規定する、NFCデバイス同士が情報交換するための共通データフォーマットです。

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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「アプリ不要の認証ICタグ」紹介動画

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