仁徳天皇陵古墳築造当時の外観や石室内部をデジタルで再現したHMD向けVRコンテンツ『仁徳天皇陵古墳ツアー』を制作、堺市博物館で実施の体験ツアーで採用

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、国宝をはじめ地域のさまざまな文化資産をデジタルで再現し、人々が誇りを持てる観光資源として活用できる「デジタル文化財」の提供を推進しています。

 このたび凸版印刷は、大阪府堺市にある仁徳天皇陵古墳の築造当時の外観や、石室内部をデジタルで再現したヘッドマウントディスプレイ(以下 HMD)向けVRコンテンツ『仁徳天皇陵古墳ツアー』を制作しました。なお、本コンテンツは、2017年8月1日(火)から堺市博物館にて実施される体験ツアーで採用されています。

 仁徳天皇陵古墳は、堺市が世界遺産登録をめざした取り組みを進める百舌鳥・古市古墳群にある全長約486メートルの国内最大の古墳です。全体が木々で覆われた巨大な古墳の全貌を見渡すことができず、また築造当時の姿を想像することが難しいなどの課題を抱えています。

 今回、凸版印刷はこれまで培ってきたVR技術を活用し、古墳築造当時の外観や石室内部を再現。さらに、小型無人機ドローンを用いて仁徳天皇陵古墳を含む堺市博物館の上空周囲360度を撮影した映像を組み合わせ、HMD向けVRコンテンツを制作しました。

 HMDを装着することで、堺市博物館の中庭から上昇し、現在の仁徳天皇陵古墳と築造当時の古墳の外観を鳥瞰できるだけでなく、実際に石室内部へ入ったかのような臨場感溢れる360度映像を自由に鑑賞できます。また、今回の体験ツアーでは、HMDで表示するコンテンツを一元管理し、多人数が同時に鑑賞できるシステム「VRscope®リモート」を活用。HMDは個別にコンテンツを楽しむ目的での使用が一般的でしたが、本システムを用いることで、ナビゲータが解説をしながらそれぞれに同じコンテンツを表示し、ツアー参加者が同時にコンテンツを楽しむことができます。 

『仁徳天皇陵古墳ツアー』より、上空から見た現在の古墳
『仁徳天皇陵古墳ツアー』より、上空から見た現在の古墳
築造当時の古墳
築造当時の古墳
古墳の石室内部
古墳の石室内部
墳丘に並べられた埴輪
墳丘に並べられた埴輪

製作:堺市・堺観光コンベンション協会 制作:凸版印刷株式会社

『仁徳天皇陵古墳ツアー』について

期間: 2017年8月1日(火)~
 場所: 堺市博物館 
 料金: 800円(博物館常設展観覧料含む)
 時間: 10:00/10:30/11:00/11:30/13:00/13:30/
      14:00/14:30/15:00/15:30/16:00/16:30
      ※所要時間は約20分、各回定員20名です。
 申し込み方法:当日、堺市博物館にて直接申込
※但し、10名以上の団体は、5日前までに堺観光コンベンション協会へメールまたはFAXにて事前予約が必要。
 対象: 13歳以上
 なお、今回の体験ツアーは、凸版印刷がVRコンテンツ制作業務を受託し、ツアーの運営支援業務を近畿日本ツーリスト株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田ヶ原 聡)が担当しています。 

「VRscope®リモート」について

 「VRscope®リモート」は、多人数が同時に使用するHMDで、コンテンツを一括制御できるシステムです。工場見学や観光ガイドツアーで説明員が手元のタブレットPCにより複数のHMDのコンテンツの再生、一時停止、切り替え等を一括で制御できるため、HMDの運用や表示コンテンツの説明などが容易になります。また、管理システムとHMDは、Wi-Fiルーターを介してローカルな無線ネットワークでつなぐため、外部のネットワークに接続する必要がなく、インターネット環境のない場所でも利用できます。

凸版印刷のVRへの取り組み

 凸版印刷は、1997年から文化財のデジタルアーカイブデータの公開手法としてVR技術を用いた「トッパンVR」を開発に取り組んでいます。これまでに、『マチュピチュ -太陽の聖地』、『よみがえる興福寺中金堂/阿修羅像』など、国内外の貴重な著名文化財をテーマとした50本のVR作品を製作。2007年には、いち早く4K超高精細VRの開発・公開を行い、近年では12KVRやHMDなど次世代VRの開発に取り組んでいます。

 また、VR作品の公開の場としてVRシアターの導入を進めており、海外では中国・故宮博物院やホンジュラス共和国博物館にVRシアターを開設。国内では東京国立博物館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で文化財ナビゲータによるVR作品のライブ上演を行っているなど、国内外22か所の文化施設、観光施設へ展開しています。
http://www.toppan-vr.jp/bunka/ 

凸版印刷の地方創生支援への取り組みについて

 近年、自治体や商業施設などにおいて、訪日外国人をはじめとする旅行者の誘致による地域経済の活性化や、市民意識の醸成などによる、地方創生への取り組みが本格化しています。

 こうした中、凸版印刷では地方創生支援への取り組みとして、旅先での動画配信や自動音声翻訳が可能な観光ガイドアプリ「旅道-TABIDO-」や、臨場感と没入感を体験できるVRシアター、全地球測位システム(GPS)を組み合わせた体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアムアプリ」、外国人とのコミュニケーションを支援する音声翻訳アプリ「TabiTra(たびとら)」などを提供しています。
・「ストリートミュージアムアプリ」
http://www.toppan.co.jp/solution/service/streetmuseum.html
・「旅道」プロジェクト
http://www.toppan.co.jp/solution/service/tabido/ 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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