聖衆来迎寺が所蔵する国宝「六道絵」の全15幅を再現したデジタル掛軸コンテンツ『国宝 六道絵』を製作、特別展「源信 地獄・極楽への扉」にて初公開

  • 奈良国立博物館
  • 凸版印刷株式会社

 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館(所在地:奈良県奈良市、館長:松本伸之、以下 奈良国立博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、仏教において命あるものが輪廻するとされる6つの世界の様相を描いた、聖衆来迎寺(しょうじゅらいこうじ)(所在地:滋賀県大津市)所蔵の国宝「六道絵(ろくどうえ)」全15幅を再現したデジタル掛軸コンテンツ『国宝 六道絵』を製作しました。2017年7月15日(土)から9月3日(日)まで、奈良国立博物館で開催される1000年忌特別展「源信 地獄・極楽への扉」の会場で公開します。

 今回製作した『国宝 六道絵』は、凸版印刷のVR技術を用いて再現された国宝「六道絵」を、自由に鑑賞できるデジタル掛軸コンテンツです。1000年忌特別展「源信 地獄・極楽への扉」では、約11年ぶりに「六道絵」の全15幅がそろって展示されますが、作品保護の観点から展示期間が約3週間に制限されています。本コンテンツを製作したことで、全展示期間を通じて全15幅の鑑賞が可能となりました。

 本展では、会場内のモニターに表示されたコンテンツを、連動したタブレット端末で操作することで、見たい掛軸を自由に選択し鑑賞することが可能です。4K解像度80インチモニターを用いることで、原寸大表示されたコンテンツを目の前で鑑賞できます。また、表示されたコンテンツを2.5倍まで拡大できるため、実物の展示では見ることのできない、緻密に描かれた絵柄の細部まで鑑賞できます。さらに、モニター上に表示された、「六道絵」に描かれた物語のうち代表的な75の場面の解説で、「六道絵」の世界をより詳しく知ることができます。 

デジタル掛軸コンテンツ『国宝 六道絵』を80インチモニターに表示(左)し、タブレット端末で操作(右)
監修・画像提供:奈良国立博物館 製作・著作:凸版印刷株式会社

1000年忌特別展「源信 地獄・極楽への扉」について

会期: 2017年7月15日(土)~9月3日(日)
 開館時間: 9時30分~18時(入館は閉館の30分前まで)
        ※毎週金・土曜日と8月6日(日)~15日(火)は19時まで
 場所: 奈良国立博物館
 主催: 奈良国立博物館、朝日新聞社、NHK奈良放送局
 観覧料金: 一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 900円(700円)、小・中学生 500円(300円)
         *カッコ内は前売り・20名以上の団体料金
※展覧会の詳細は、奈良国立博物館のホームページhttp://www.narahaku.go.jp/をご覧ください。 

国宝「六道絵」について

 国宝「六道絵」は、仏教において命あるものが輪廻(りんね)する6つの世界、地獄道(じごくどう)、餓鬼道(がきどう)、畜生道(ちくしょうどう)、阿修羅道(あしゅらどう)、人道(にんどう)、天道(てんどう)に加え、2つの経典と閻魔王庁の様子を描いた全15幅の作品です。六道の描写の多くは源信の「往生要集(おうじょうようしゅう)」に依拠します。描写は細部まで精緻を極め、鎌倉時代の絵画を代表する名品に数えられます。「六道絵」は特別展「源信 地獄・極楽への扉」で11年ぶりに全15幅そろって公開されます。 

凸版印刷のVRへの取り組み

 凸版印刷は、1997年から文化財のデジタルアーカイブデータの公開手法としてVR技術を用いた「トッパンVR」の開発に取り組んでいます。これまでに、『マチュピチュ -太陽の聖地』、『よみがえる興福寺中金堂/阿修羅像』など、国内外の貴重な著名文化財をテーマとした50本のVR作品を製作。2007年には、いち早く4K超高精細VRの開発・公開を行い、近年では12KVRやHMDなど次世代VRの開発に取り組んでいます。

 また、VR作品の公開の場としてVRシアターの導入を進めており、海外では中国・故宮博物院やホンジュラス共和国博物館にVRシアターを開設。国内では東京国立博物館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で文化財ナビゲータによるVR作品のライブ上演を行っているなど、国内外22か所の文化施設、観光施設へ展開しています。
http://www.toppan-vr.jp/bunka/ 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

 以上

Newsroom Search