凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、展示会、スポーツ大会、講習・講演会、音楽コンサートなどの各種イベントに対するカーボン・オフセット(※1)の申請代行を行う「イベント向けカーボン・オフセット申請支援サービス」の提供を2017年4月より開始します。
なお本サービスを採用したモデルケースとして、凸版印刷は2016年度前半期に開催した自社の社員向け教育イベントのカーボン・オフセットを実施しました。
本サービスは、これまで提供してきた印刷製品のカーボン・オフセット申請支援サービスに続くもので、各種イベントを対象としたカーボン・オフセットの申請を支援するものです。凸版印刷がこれまでに培ってきた製品やサービスのカーボンフットプリント(※2)の算定手法によるCO2排出量算定及びカーボン・オフセット申請の実績に基づき提供するもので、カーボン・オフセットサービスの対象を広げるものです。
多くの参加者を集めるイベントでCO2排出の大きな割合を占め、算出の難しかった参加者の移動に関するCO2排出量についても、独自の算出手法を開発しました。これによりイベント全体のCO2排出量の算出から、カーボン・オフセットの申請手続きまでを代行し、お客さまのカーボン・オフセットを支援します。
また、これまで提供してきたカーボン・オフセットサービスより更に幅広く、取り扱うクレジットもSDGs(※3)を見据えた国際クレジットやグリーン電力などを充実させ、多くのお客様のニーズに応えられるサービスとしました。
背景
大気中のCO2など地表からの熱の一部を吸収する温室効果ガスが人間の経済活動などに伴い増加することに加えて、森林伐採・砂漠化などの森林破壊によりCO2を吸収する力が減少していることなどが地球温暖化の原因であるとされています。そのため、企業には事業活動で排出するCO2を削減する活動や、森林保護・生物多様性保全といった環境課題に多角的な取り組みが求められています。
凸版印刷では、CO2排出量の削減に貢献できる取り組みのひとつとして、2012年に民間企業で初めてCFPシステム認証(※4)を取得しました。2013年度にはCFPを活用したカーボン・オフセット制度に参加、2014年度には印刷物や出版物向けカーボンフットプリントによるカーボン・オフセット申請支援サービスを始めました。
このたび、このノウハウを活かし展示会、スポーツ大会、講習・講演会、音楽コンサートなどの各種イベント活動に伴って発生するCO2排出量の算定法と、CO2削減のための各種施策の提案およびJ-クレジット(※5)やどんぐり認証制度(※6)などを利用するカーボン・オフセット手続きのワンストップサービスを構築しました。
特長
・イベント参加者へのアンケート調査や登録情報などから人の移動に関するCO2排出量を類推し算出する独自の手法を開発。これまで難しかった人の移動に関するCO2排出量の算定を可能としました。
・参加者の移動に関するCO2排出量の他、イベントにおいて使用する印刷物や開催期間中の使用エネルギーによるCO2排出量を算定します。
・作業負荷の高いカーボン・オフセットに関わる申請やどんぐり認証取得、環境省カーボン・オフセット宣言登録についても、これまでのノウハウを活用し一括支援いたします。
価格
想定価格:クレジット実費を除くカーボン・オフセット手数料10万円から
(※イベントの規模や算出範囲など条件によって価格は異なります)
自社の社員向け教育イベント
トッパングループは、自社の社員向け教育イベントを2016年前半期に実施。
「イベント向けカーボン・オフセット申請支援ワンストップサービス」を活用し、イベント全体で排出されたと算定したCO2約0.95tを、熊本県県有林による間伐を用いた温室効果ガス吸収事業のJ-VERクレジットを利用して、カーボン・オフセットしました。
さらに今回、公共交通機関利用の促進や乗用車の乗り合いのサポートを行うことで、CO2排出削減に努めています。
(1)実施時期と開催場所;
・2016/4/16、多摩動物公園
・2016/5/14、凸版印刷株式会社深谷工場
・2016/7/24、清瀬金山緑地公園(柳瀬川)
(2)イベントに関わるCO2排出量;約 0.95t- CO2(算出値)
(3)クレジット;熊本県県有林による間伐を用いた温室効果ガス吸収事業(J-VER) 1t- CO2
クレジット番号:JP200-000-000-093-295
今後の目標
凸版印刷は、商業印刷物や出版物および証券印刷物をはじめ、展示会、スポーツ大会、講習・講演会、音楽コンサートなど様々な製品やサービスに係るカーボン・オフセットの算定・申請・登録までを含めたワンストップサービス支援体制を構築し、2018年度に関連サービス含む全体で売上5億円を目指します。
さらに今後も、凸版印刷は持続可能な社会の実現に貢献するため、お客さま企業や最終消費者と協働し、社会的課題の解決に取り組んでいきます。
※1 カーボン・オフセット
排出した温室効果ガスのうち、削減が困難な部分の排出量の全部又は一部を、他の場所での排出削減・吸収量で埋め合わせ(オフセット)する取り組みです。
※2 カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products 、CFP)
商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、環境負荷を定量的に算定します。
※3 SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
2015年9月、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)」。社会・経済・環境面における「持続可能な開発」を目指す、先進国も途上国も含めた国際社会共通の目標です。
※4 CFP システム認証
企業や団体が組織内部にカーボンフットプリントを算定、検証、登録・公開申請を行うシステムを構築し、このシステムを、第三者であるCFPシステム認証機関が審査し認証する制度です。システム認証を取得した企業や団体は、個別のCFP検証の手続きを経ることなく、カーボンフットプリントの登録・公開申請が可能になります。
※5 J-クレジット(Japan-Credit)
カーボン・オフセットに用いられることを主眼に、国内における温室効果ガス排出削減・吸収量をオフセット・クレジットとして認証・発行する制度で、2008年11月より環境省が運営していたが、2013年に他の国内クレジットと総合され、経済産業省・環境省・農林水産省が運用する「J-クレジット制度」となった。
※6 どんぐり認証制度
どんぐり認証制度とは、経済産業省の「CFPを活用したカーボン・オフセット制度」による認証の仕組みであり、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が管理をしている。製品・サービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスをカーボン・オフセットするために、温暖化防止に対する貢献度が高い。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以上