2016/11/25

TBMと凸版印刷、新素材LIMEXの活用で共同開発
環境素材LIMEXの特性を活かした新たな用途開発および
高付加価値マーケットの創出において共同開発およびライセンス契約に向け基本合意
株式会社TBM
凸版印刷株式会社

 石灰石を主原料として水やパルプを使用せずに、紙やプラスチックの代わりとなる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山﨑敦義、以下「TBM」)と、凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下「凸版印刷」)は、LIMEXの用途拡大に向け共同開発を進めることで2016年11月10日に基本合意しました。
 今後、この基本合意に従い、共同開発の対象領域を検討し、新素材LIMEXの特性を活かした新たな用途開発を共同で進めます。さらに製造を含め事業協力を行うための詳細条件を検討し、高付加価値マーケットの創出を目指します。

 

 なお本製品は、2016年12月8日(木)から10日(土)に開催される「エコプロ2016 ~ 環境とエネルギーの未来展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパングループブースにて展示します。

画像1
用途開発イメージ:一般印刷物、真空成型トレー、紙箱など

■背景
 TBMは、経産省による日本の革新的な技術の実用化を支援するためのイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」を受け、2015年2月に宮城県白石市に年産6,000トンの第1号プラントを建設しました。その後、LIMEXの生産効率および品質改善を重ね、2016年からは一部印刷物などのLIMEX製品の販売を開始しています。今後、LIMEXを資源問題に貢献できる素材としてグローバルで広く活用してもらえるよう、より一層の用途開発を進め、新素材としての可能性を追求します。
 具体的には、用途毎に国内外の各業界のリーディングカンパニーをパートナーとして共同開発を行っていく新たな開発スキームを設定。TBMが保有する新素材LIMEXのノウハウと、パートナー企業の保有する対象分野における用途開発や量産化技術・ノウハウ、人員、設備などの融合により、LIMEXのグローバル展開を含む早期の事業規模拡大を目指します。
 今回その第一弾として、TBMと凸版印刷が共同開発に向けて基本合意しました。

画像2

■ 本基本合意の概要                                          
(1)本基本合意は、TBMが開発した石灰石などの無機物を50%以上使用した新素材LIMEXの特性を活かした新たな用途開発および高付加価値のマーケット創出を目指すものです。TBMが有する新素材「LIMEX」の技術と、凸版印刷が「印刷テクノロジー」として培った加工技術やマーケティング力、販売力などを融合し、LIMEXを活用したビジネスの可能性について検討を進めていくことを合意し、両社の協力体制の方向性について基本合意しました。

(2)さらに両社は今後、LIMEXの用途対象領域を検討し、当該領域における開発を共同で行っていくことに加え、対象領域における製造まで凸版印刷と共同して行なっていくべく、LIMEXの技術ライセンスを凸版印刷に対して供与することを予定しています。共同開発により完成した製品・接着剤など材料および生産技術は、両社協議の上、第三者含めて広く製造、販売することも検討します。

(3)両社は今後、2017年3月を目途に対象とする領域における共同開発および製造のためのライセンスの詳細内容を協議、決定し、具体的な開発に着手する予定です。なお技術ライセンスについては、一時金(15億円を上限)およびランニングロイヤリティに関してライセンス条件を検討することとしています。

 

■ 今後の展開
 TBMと凸版印刷は、今後、詳細条件を検討するとともに共同開発を進め、関連事業で2020年度に500億円の売上を目指します。

 

■ 新素材「LIMEX(ライメックス)」について                                
[ LIMEXとは ]
・LIMEXは石灰石を主原料に紙やプラスチックの代替となる、エコノミーかつエコロジーな革命的な新素材。
・2013年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・2015年、宮城県白石市に年産6,000トンのLIMEXを製造する第一工場を建設。
・2014年、国内特許を取得。現在、米国や欧州など世界43カ国にて特許を取得・申請中。

[ 紙の代替として ]
・通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使うが、LIMEXは原料に木や水を使用せず、石灰石0.6〜0.8トンとポリオレフィン約0.2〜0.4トンからLIMEXの紙1トンを生産可能。
・「耐水性」が高く、浴室や水回り、屋外や水中での利用が可能。経年劣化に強く、半永久的にリサイクル可能。

[ プラスチックの代替として ]
・従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂100%であるが、LIMEXでは主原料が石灰石であり、
 石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・LIMEXの印刷物等のリサイクル材から、LIMEX製のプラスチック成型品を作れ、環境負荷軽減に貢献できる。

[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・日本でも100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。

[ LCA(ライフ・サイクル・アセスメント) ]
・2016年4月からTBMと国立大学法人東京大学 生産技術研究所 沖研究室で共同研究を実施し、ライフサイクルアセスメント手法を用いて、LIMEXペーパーおよび、LIMEXプラスチックの原材料から製造までのウォーターフットプリント(水消費量)および、CO2排出量を算定。
・LIMEXペーパーのウォーターフットプリント(「原材料調達」から「製造」工程)は、洋紙の各産地における
平均消費量と比較して、約98%少ない水の消費。
・LIMEXペーパーの温室効果ガス排出量(「原材料調達」から「製造」工程)は、印刷用紙の平均値CO2と
比較して、約20%小さい排出量。
・LIMEXプラスチックの温室効果ガス排出量(「原材料調達」から「製造」工程)は、ポリプロピレン製の従来プラスチックと比較して、約57%削減。
・今後、原材料選定や製造プロセスの見直しなど、ウォーターフットプリントや温室効果ガス排出量をさらに
低める活動を継続的に行っていく。

 

■ 株式会社TBMについて                                                                         
会社名 :株式会社TBM
代表者 :代表取締役社長 山﨑 敦義
設立 :2011年
資本金 :40億6,920万円(資本準備金を含みます)/ 2016年1月時点
所在地 :東京都中央区銀座2-7-17-6F 
事業内容:LIMEX及びLIMEX製品の開発、製造、販売
URL :http://www.tb-m.com

 

■ 凸版印刷株式会社について                                                                         
会社名 :凸版印刷株式会社
代表者 :代表取締役社長 金子 眞吾 
創業 :1900年
資本金 :1049億8,600万円/ 2016年3月時点
所在地 :東京都千代田区神田和泉町1番地
事業内容:「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」
および 「エレクトロニクス事業分野」の3分野にわたり幅広い事業活動を展開。
URL :http://www.toppan.co.jp/

 

*本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

ページの先頭へ戻る

Newsroom Search