2016/11/24

凸版印刷とオルタス、台湾・液晶パネルメーカーを買収
台湾Giantplusを連結子会社化、拡大する車載や産業機器向け
中小型液晶パネル市場における事業成長を目指す
凸版印刷株式会社
株式会社オルタステクノロジー
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)と同社の連結子会社で小型液晶パネル製造を手掛ける株式会社オルタステクノロジー(本社:東京都日野市、代表取締役社長:遠藤仁、以下 オルタス)は、台湾中華映管股份有限公司(Chunghwa Picture Tubes, Ltd. 以下、CPT)の子会社で、中小型液晶パネル製造を手掛ける凌巨科技股份有限公司(Giantplus Technology Co., Ltd. 以下、Giantplus)の株式を取得し、子会社化することを決定しました。
 2016年11月24日付でCPTと株式譲渡契約を締結し、CPTの保有するGiantplusの全株式(53.67%)を取得する予定です。関係当局からの許認可取得を経て、2017年1月中のクロージングを目指します。
 凸版印刷およびオルタスは、オルタスの持つ超高精細技術とGiantplusの量産化技術を融合させ、市場拡大が続く車載向け液晶パネルをはじめ、産業機器向けの中小型液晶パネル事業を強化。Giantplusの持つ生産設備を活用し、ワールドワイドで事業拡大を図り、2020年度には中小型液晶パネル事業で600億円の売上を目指します。

■ 背景
 オルタスは、超高精細技術と所有する小型生産ラインの特長を活かし、独自の屋外視認性、低消費電力である液晶パネルおよび液晶モジュールを生産。業界最小サイズのG1(320mm×400mm)ラインの特長を活かしカスタム対応および少量多品種対応により、産業機器市場を始めとするニッチ市場に特化して事業を展開。スマートフォンなどの消費者向け機器の市場とは一線を画した独自路線で事業を拡大してきました。

 

 昨今の中国におけるG6(1500mm×1850mm)サイズ以上の大型液晶パネル生産ラインへの過剰投資などにより、中小型液晶パネルの市場環境は急激に悪化しています。その中で、オルタスの正面市場である産業機器向けや車載向けは、少量多品種で規模は小さいものの、今後も市場拡大が予想されており、オルタスの培ってきた独自技術やカスタム対応力を活用するチャンスが拡大しています。しかしながら、同市場で要求される液晶パネルのサイズが大型化する傾向にあり、現行のG1サイズの生産ラインのみでは、さらなる成長が見込めなくなっているため、最適なサイズで、かつ安定的な生産能力を獲得することが急務となっていました。
 一方、Giantplusは、産業機器や車載などのニッチ市場における有力プレイヤーで、台湾の上場企業です。オルタス同様、徹底したカスタム対応を得意とし、グローバルでの営業力と強固なカスタマー・サポート体制を強みとしています。
 2016年に親会社であるCPTからG4(680mm×880mm)サイズの液晶パネル生産ラインを譲り受け、さらなる事業拡大を目指していますが、車載領域で求められる技術水準や品質要求の高度化に対応するため、開発体制の強化が課題となっていました。

 

 オルタスとGiantplusは、ニッチ市場における安定的な事業成長を目指す戦略面の方向性が一致していることから、資本業務提携を実施することで、今般、CPTおよびGiantplusと合意しました。
双方のノウハウを共有し、提携シナジーを追及すべく、オルタスが、CPTの保有するGiantplusの全株式(53.67%)を譲り受け、オルタスは、Giantplusの保有するG3(550mm×670mm)およびG4ラインを活用した安定した液晶パネルの調達、共同購買による材料調達の合理化によるコスト競争力の強化により、事業のさらなる拡大を目指します。

 

■ 具体的な協業内容について
1) 「Blanview(※1)」などのオルタス独自の差別化モデルのGiantplusへのライセンスおよび製造委託
2) Giantplusのカスタマー・サポート体制活用によるオルタスの顧客対応力の強化
3) オルタスの自主保全、製造技術の供与によるGiantplusの保守費用削減および不良リスク低減
4) 両社の保有する生産ラインや設備の効率化による固定費の削減
5) 共同購買による材料調達力の強化

 

■ 資本提携の内容
1) 異動する株式の詳細
CPTが保有するGiantplusの全株式を、クロージング日までにオルタスが取得する
株式の種類と数(予定): 普通株式 236,981,757株(議決権比率:53.67%)

 

■ 凌巨科技股份有限公司(Giantplus Technology Co., Ltd.)の概要
・名称:凌巨科技股份有限公司(Giantplus Technology Co., Ltd.)
・所在地:台湾 苗栗縣頭份市蘆竹里工業路15號
・代表者(役職/氏名):董事長 林 盛昌
・事業内容:液晶パネルおよび液晶モジュールの製造・販売
・資本金:4,415百万台湾ドル
・設立年月日:1997年12月15日
・売上高:10,839百万台湾ドル(2015年度)
・主な工場:桃園工場(台湾)、深圳工場(中国)、昆山工場(中国)

 

■ 株式会社オルタステクノロジーの概要
・名称: 株式会社オルタステクノロジー
・所在地: 東京都日野市旭が丘2-8-7
・代表者(役職/氏名):代表取締役社長 遠藤 仁
・事業内容:TFT事業(液晶パネルおよび液晶モジュールの開発・製造・販売)、
        試作事業、エンジニアリング事業
・資本金:29億円
・設立年月日:2010年4月1日
・売上高:16,638百万円(2015年度)
・主な工場:高知工場(日本)、マレーシア工場(マレーシア)

 

(※1)Blanview :

オルタス独自の超高精細・高透過率技術と外光利用反射率設計により屋外視認性に
優れたエナジーセービング液晶です。

 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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