2016/10/04

凸版印刷、包材のフィルム使用量削減
~透明バリアフィルム「GL BARRIER」の新製品、「GL FILM」の酸素・水蒸気バリアに
ナイロンフィルムの強靭性を付与し、レトルト包材を最小2層構成に削減可能~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、透明バリアフィルム「GL BARRIER(ジーエルバリア)(※1)」で、従来のレトルト食品向けバリアフィルムに耐ピンホール性を付与した新製品「強靭化GL FILM(GL-AR-MG)」を開発。レトルト食品向けのバリア包材として2016年冬にサンプル出荷、2017年3月より販売を開始します。

 本製品は、レトルト食品向けバリアフィルムとして展開する「GL FILM(ジーエルフィルム)(※2)」の酸素バリア性・水蒸気バリア性などのバリア性能はそのままに、基材のPETフィルムを改良し、ナイロンフィルムの性能に近づけた独自の強靭フィルムです。従来のレトルト食品向け包材は耐熱樹脂層、バリア層、補強樹脂層、ヒートシール層による4層構成が一般的でしたが、本製品の開発により、最小2層構成のレトルト包材を実現。従来のレトルト包材と比較して包材製造までのCO2排出量を約25%削減できます。

 なお本製品は、2016年10月4日(火)から7日(金)まで開催される「2016東京国際包装展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースで紹介します。

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「強靭化GL FILM(GL-AR-MG)」とその使用例
©Toppan Printing Co., Ltd.

■ 開発の背景
 超少子高齢化や共働き夫婦の増加に伴い、生活者の時短・簡便調理・健康志向へのニーズが増加しています。特に、常温で長期保存が可能なレトルト食品の市場は年々拡大しており、その包材市場は2018年に約240億円規模と推察されています。
 レトルト食品など長期保存を必要とする食品包材には、内容物の品質保持のために酸素や水蒸気の透過を遮断する機能が必要で、一般的にアルミ箔が多く使用されています。しかし、環境意識の高まりや電子レンジ対応商品の開発、品質保証のための金属探知機利用の需要増などに伴い、非金属素材でアルミ箔同等のバリア性を有するバリアフィルムを用いたパッケージへのニーズが高まっています。
 凸版印刷では従来からレトルト食品向け包材を展開。特に、凸版印刷が独自開発した透明バリアフィルム「GL FILM」を用いたグレードは、その高いバリア性能により、多数の採用実績があります。
 今回、従来製品の基材を独自改良し、突刺強度を約40%向上。従来必要とされていた補強樹脂層が不要となり、レトルト包材製造までのCO2排出量を約25%削減しました。


■ 本製品の特長
・突刺強度の向上により層構成を削減
レトルト対応GL FILMの基材を改良しナイロンフィルムの性能に近づけることにより、突刺強度を約40%向上。従来必要とされていた補強樹脂層が不要となり、層構成の削減を実現しました。
・CO2排出量を約25%削減
GL FILMの突刺強度を向上させ、最小2層構成のレトルト包材を実現。これにより包材製造までのCO2排出量を約25%削減(*)しました。  (* 4層構成品と比較した場合)


■ 今後の目標
 凸版印刷は本製品の開発を進め、レトルト食品業界に向けて拡販、本製品を用いたパッケージ全体で2018年度に約5億円の売上を目指します。



※1 GL BARRIER
凸版印刷が独自に開発した透明バリアフィルムの総称です。
※2 GL FILM
凸版印刷が独自に開発した透明バリアフィルムです。独自の蒸着加工技術による世界最高水準のバリア性能と用途に応じた豊富なバリエーションによって、国内だけでなく欧州を中心に北米、東南アジアなど海外市場でも高い評価を得ています。今日では透明バリアフィルム市場のトップブランドとして、約45の国と地域、約15,000点の商品に採用されています(2016年9月時点)。


* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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