2016/09/14

凸版印刷、曲がるカラー電子ペーパー
~E Ink社と共同で、世界最大となる32インチのフレキシブルカラー電子ペーパーを開発~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、台湾のE Ink Holdings社(本社:台湾新竹市、CEO:Frank Ko、以下 E Ink社)と共同でフレキシブルカラー電子ペーパーの共同開発を推進しています。
 このたび両社は、1枚のTFT駆動背面板で構成されたフレキシブルかつフルカラーの電子ペーパーとして世界最大となる32インチの試作品の開発に成功しました。

 本試作品の電子ペーパーパネルはE Ink 社によって製造され、カラー用の「E Ink Pearl®」前面板と、高精細フレキシブル基材による「Mobius®」背面板の組み合わせによって構成されています。
 凸版印刷は今回、このフレキシブル背面板に、従来はその素材特性上難しいとされていた位置精度良くカラーフィルタを形成する技術と、外からの光を反射して表示する電子ペーパーの表示特性に適した色再現技術を確立。電子ペーパーに合わせて最適化した、電子ペーパー向けカラーフィルタを開発したことで、従来よりも明るい色調の再現を可能にしました。

 凸版印刷とE Ink社は今後もフレキシブルカラー電子ペーパーの技術開発を進め、2017年末までの商用化を目指します。

 なお本試作品は、2016年9月14日(水)から16日(金)まで開催される「第18回自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースにて、日本で初公開されます。

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32インチ・フレキシブルカラー電子ペーパーの試作品
© Toppan Printing Co. Ltd. / E Ink Holdings, Inc.

■背景
 電子ペーパーは、超低消費電力、紙のような見やすさ、薄型・軽量、といった、他のディスプレイ技術にはない特長を持っています。これらの特長とともに、カラー化とフレキシブル化により、電子ペーパーの市場は、既に用途として顕在化している電子書籍端末や電子棚札に加え、さまざまな産業への拡大が期待されています。
電子ペーパーは外からの光を反射して表示しているため、明るい所でも見やすく、消費電力が少ない反面、カラーフィルタを用いてカラー化すると、バックライトで照らす液晶ディスプレイと比較して画面が暗くなる、という課題がありました。
 凸版印刷はこの課題を解決するため、電子ペーパーに合わせて最適化した、電子ペーパー向けカラーフィルタを開発し、従来よりも明るい色調の再現を可能にしました。また、32インチという大きなサイズでありながら、軽量化とフレキシブル化を実現する樹脂基材の背面板が採用されていますが、樹脂基材が持つ伸縮性を考慮した独自技術により、画面全体にわたって精度良くカラーフィルタを形成することにも成功しました。
 なおフレキシブルカラー電子ペーパーは、軽量で、太陽光下で優れた視認性を持ち、表示した画像を保持するのに電力を必要としないため超低消費電力という特長があります。これにより、これまで設置が難しかった屋外や明るい場所でのカラー表示を可能にするとともに、大型表示装置として防災用掲示板としての活用も期待できます。


■フレキシブルカラー電子ペーパー試作品の概略仕様
・表示部寸法: 横 691.2 mm × 縦 388.8 mm (対角32インチサイズ)
・カラーフィルタ: RGBW正方パターン
・画素数: 横 1280 × 縦 720 カラー画素 (背面板サブ画素数: 横 2560 × 縦 1440)
・画素ピッチ: 540 um (インチ当たり47画素)
・表示色: 4096色 (RGB各色4ビット)
・コントラスト比: 10:1 ~ 12:1 (代表値)
・前面板:  E Ink Pearl®
・背面板:  E Ink Mobius®


■今後の展開
 凸版印刷とE Ink社は今後も、フレキシブルなフルカラー電子ペーパーの共同開発を進め、2017年末までの商用化を目指します。また、防災、交通、製造・物流、小売、金融など幅広い分野で、電子ペーパーの用途拡大に向けた取り組みを共同で推進していきます。



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以上


「「32インチ・フレキシブルカラー電子ペーパー」紹介動画



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