2015/09/15

凸版印刷が提供する、PUF技術搭載ICタグによる真贋判定サービスが
タニタの海外向けポケッタブルスケールで採用
~NFC対応スマートフォンで、生活者自身による製品の真贋判定が可能~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、半導体の個体差を認証に用いるPUF(Physical Unclonable Function)技術(※1)を搭載したICタグ「SMARTICS-V(スマーティクス・ヴィ)」を2013年9月に開発。製品の偽造・模倣対策を実施する企業に向け、SMARTICS-Vを用いた真贋判定サービス(以下 本サービス)を提供しています。

 このたび本サービスが、株式会社タニタ(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:谷田千里、以下 タニタ)が海外向けに販売しているポケッタブルスケール「1479V」と「1479J/J2」に採用。製品の背面フタ部分に「SMARTICS-V」を格納し、製品背面はもちろん、個装箱の外からでもNFC対応スマートフォンを用いた真贋判定が可能な製品が、今冬より販売される予定です。
 なお本サービスは、一般社団法人日本自動認識システム協会が主催する「第17回自動認識システム大賞」にて、「大賞」を受賞しました。2015年9月16日(水)から18日(金)に開催される「第17回自動認識総合展」(主催:一般社団法人日本自動認識システム協会、会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースにて展示します。
07.画像1
タニタ「1479J/J2」でNFC対応スマートフォンを用いた真贋判定の利用イメージ。
本体背面からの読み取り(左)はもちろん、個装箱の上からでも読み取り可能(右)
09.画像2
真贋判定結果をNFC対応スマートフォンの画面に表示
■ 背景
 近年、模倣品や海賊版の流通は世界的に拡大しており、その年間被害額は約177兆円にのぼると推計されており、その内容も多様化しています。模倣品や海賊版が流通し続けることで、真正品の売り上げ減少やブランド価値の低下を招く恐れがあります。
 タニタでは国内外に向け各種計量計測機器の製造・販売を行っており、その製品は海外でも高い評価を受けています。従来、同社では海外向け販売製品に対してはホログラムなどを用いた模倣品対策を行ってきましたが、模造品を市場から排除するまでには至っておらず対策が求められていました。
 凸版印刷が提供するICタグ「SMARTICS-V」に搭載するPUF技術とは、ICチップが持つわずかな個体差を人間の指紋のように真贋判定に用いるものです。従来の暗号技術を搭載した高価なICチップとは異なり、製造コストを抑えながら、偽造される可能性が極めて低いため、次世代セキュリティ技術として注目されています。さらにNFC(※2)に対応しているため、NFC対応のスマートフォンでの読み取りが可能です。 
 凸版印刷は今回、これらの特長を融合した、PUF技術搭載ICタグを用いた真贋判定サービスを提供。これによりタニタ製品の模倣品・海賊版対策の強化に貢献しました。


■ タニタに採用された、PUF技術搭載ICタグを用いた真贋判定サービスの特長
・世界初、シリコンPUFを搭載したICタグによる、高セキュリティな真贋判定スキームの構築・提供
・NFCに対応しているため、生活者自身がNFC対応スマートフォンを用いて真贋判定が可能
・スマートフォンの言語設定に対応し、9か国語でメニュー画面の表示が可能
(日本語、英語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、オランダ語)
・ASP方式によるサービス提供により、企業は短期かつ低コストで導入が可能

■ 採用製品について

製品名

1479V

1479J/J2

商品寸法

D156×W76×H16.5mm

D167×W75×H17mm

本体質量

170g

147g

ひょう量(最大計量)

120g

200g

最小表示

0.1g

0.01g

電源

CR2032×1

CR2032×2 

 

 

 

■ 今後の目標
 凸版印刷は本サービスを、家電製品や住宅設備などの耐久消費財や、工業用部品や事務機器用品などの消耗品を取り扱う業界に向け拡販、2017年度に関連受注を含め約10億円の売上を目指します。また、本サービスを拡張することにより、真贋判定機能をベースにしたトレーサビリティ機能も提供していきます。
 さらに、メーカーと消費者の新たな接点の提供や、利用者同士のコミュニケーション機会の提供など、さまざまなアプリケーションとしての展開も推進していきます。


※1 PUF(Physical Unclonable Function)技術
ICチップ製造プロセスには、チップ一つずつに対して製造上に発生する固有の差異があり、これをデジタル化して抽出することによって「PUF特徴量(パラメータ)」として利用可能になります。
この「PUF特徴量(パラメータ)」は、発生パターンが予測不可能、恒久的に維持される、という、いわばICチップの「指紋」のような特性を持ち、仮にLSIの回路パターンが不正コピーされても、本物と偽物の区別が可能であることから、偽造防止に極めて有効です。
※2 NFC(Near Field Communication)

ISOで規定された国際標準の近距離無線通信技術です。昨今のスマートフォンには非接触ICカード機能やリーダ/ライタ機能として搭載が進んでおります。タイプA、タイプB、FeliCa、ISO15693の通信方式に対応しています。

 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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