2015/04/07

凸版印刷、創建当時の興福寺中金堂や回廊をバーチャル体験できる
簡易型ヘッドマウントディスプレイ用VRコンテンツを開発
~興福寺「特別公開2015|中金堂再建現場」で4月6日から公開~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、興福寺(奈良県奈良市)が再建工事を進めている中金堂や将来再建予定の回廊など、約1300年前の創建当時の姿をバーチャル体験できる簡易型ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD※1)用バーチャルリアリティ(VR※2)コンテンツを開発しました。興福寺 中金堂再建現場で2015年4月6日(月)から4月19日(日)まで開催される「特別公開2015|中金堂再建現場(以下 特別公開2015)」で一般公開します。
 凸版印刷は、2009年に、専門家や学識者による綿密な監修を経て、創建当時の中金堂や回廊、中門を精確に再現したVR作品『よみがえる興福寺中金堂』を朝日新聞社と共同で製作。東京国立博物館と九州国立博物館で開催され、約164万人が来場した 興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」で公開しました。
 今春、中金堂再建現場が特別公開されるにあたり、当VR作品のデジタルデータを活用し、屋外にある再建現場にて来訪者自身が創建当時をバーチャル体験できるHMD用VRコンテンツを開発しました。「特別公開2015」の来訪者は、再建工事建設現場の足場にあがって至近距離から中金堂の瓦や組物を見学する前に、特設コーナーにてHMDを装着することで、興福寺創建当初の天平文化空間を360°自由に見回すVRコンテンツを鑑賞・体験できます。また、今年3月18日(水)に行われた高さ約2メートルの巨大な棟飾り「鴟尾(しび)」の設置工事を記録した全天周映像を鑑賞することができます。
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VR作品『よみがえる興福寺中金堂』
総監修:法相宗大本山興福寺
監修:金子啓明 鈴木嘉吉
製作・著作:朝日新聞社・凸版印刷株式会社
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特設コーナーで使用されるオリジナルHMD

■ 今後の展開
 凸版印刷は1997年より文化財のデジタル公開手法として「トッパンVR」を開発、これまで47本のVR作品を製作し、東京国立博物館内に開設した「TNM & TOPPANミュージアムシアター」をはじめ国内外の文化施設18ヶ所にVRシアターを導入してきました。
 今後、VRシアターでのVR作品公開を核としながら、HMDなどのパーソナルデバイス向けVR開発を進め、自宅や史跡などでの新しい文化財体験を実現していきます。


■ 興福寺「特別公開2015|中金堂再建現場」について
 奈良を代表する大寺の一つである興福寺で、現在再建中の中金堂建設現場と東金堂、国宝館の3ヶ所を公開します。中金堂は、興福寺に3棟あった金堂の中心となるお堂で、過去に7度も火災に見舞われました。現在、焼失前の実測図や絵図を参考に、創建時の礎石や規模を踏まえた復元を目指し、2010年から工事が本格的に進められています。今回の特別公開では完成(2018年落慶予定)を目前にした、中金堂の建設現場をご覧いただけます。
 会期 : 2015年4月6日(月)~4月19日(日)
 場所 : 興福寺 中金堂再建現場、国宝館、東金堂
 主催 : 法相宗大本山興福寺、朝日新聞社
 中金堂再建現場拝観料(国宝館、東金堂の拝観含む) : 
       (個人)一般 1,500円、中高校生 1,000円、小学生 500円
       (団体)一般 1,300円、中高校生 800円、小学生 400円
       *団体料金は20名以上
       *障害者手帳をお持ちの方(およびその付添者1名まで)は半額

 
■ 凸版印刷のVRへの取り組み
 凸版印刷は、トッパンVRを用いて、『ナスカ』『マチュピチュ -太陽の聖地』や『東大寺大仏の世界』『洛中洛外図屏風 舟木本』など、国内外の貴重な著名文化財をテーマとしたVR作品を数多く製作しています。
 また、超高精細大型スクリーンを用いたVRシアターの展開を進め、海外では中国の故宮博物院やホンジュラス共和国博物館へ導入。国内では 2007年に東京国立博物館内に「TNM&TOPPANミュージアムシアター」を開設、文化財ナビゲータによるVR作品上演を行っています。2015年3月には、18件目となるVRシアターを日光東照宮宝物館へ導入しました。
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/



※1 簡易型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
紙などでつくられた筐体にレンズを取り付け、スマートフォンと組み合わせてバーチャルリアリティを体験することができるもの。
※2 バーチャルリアリティ(VR)
コンピュータで生成された三次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながらその三次元空間にいるかのような感覚を体験することができる技術。



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以上

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