2014/09/16

凸版印刷、中食・惣菜製品向けの耐油性紙容器を開発
~印刷方式で耐油剤を塗布、耐油性・加工適性を大幅に向上~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、中食・惣菜製品向けの耐油性紙容器を開発しました。ファーストフードやコンビニエンスストア業界に向け、2014年9月下旬より本格的な販売を開始します。
 なお本製品は本格販売に先立ち、大手コンビニエンスストアで採用されています。
本製品は、揚げ物など油含有量の多い食品を入れた際、食品に含まれる油の漏れや染み出しを防ぐ機能を持つ紙容器です。具体的には、凸版印刷が独自に開発した耐油剤を、紙容器の内面に印刷方式で塗布することで紙繊維に浸透させ、耐油膜を形成する独自技術を開発しました。紙に均一に耐油剤を塗布することにより、従来の耐油性紙容器と比較して油の染み出しを1割以上軽減しました。また、のりしろ部分への塗布を避けるなど耐油剤の塗り分けができるため、加工適性も向上しました。
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耐油性紙容器のサンプル
© Toppan Printing Co., Ltd.
■ 開発の背景
 社会における女性の活躍機会の拡大やライフスタイルの変化に伴う個食の増加など、生活者の食生活は急激な変化を見せています。特に、コンビニエンスストアやスーパーにおける店内調理をはじめとする中食・惣菜製品の市場は、その簡便さから近年拡大を続けており、その市場規模は2014年に5兆円を超えると推定されています。
 店頭販売される惣菜、特に揚げ物など油を含む食品の容器には、耐油性があり、かつ廃棄が容易な紙容器が多く使われています。しかし従来の紙容器は、紙の表面全体に耐油加工した後に製函しているため、容器の折り部分での割れ(クラック)により油が染み出しやすく、耐油性に改善が求められていました。
 凸版印刷はこの課題を解決するため、従来培ってきたコーティング技術により耐油剤を印刷方式で紙に塗ることで耐油性を持たせる独自技術を開発。これにより耐油性や加工適性が向上しました。


■ 本製品の特長
・内容物に含まれる油の染み出しを従来比1割軽減
 耐油剤の材料選定と配合率、用紙の選定、生産条件など、凸版印刷独自のコーティング技術を組み合わせることにより、耐油剤を均一に塗布できるため、従来の耐油性紙容器と比較して油の染み出しを1割以上軽減しました。
・印刷方式のため、形状に合わせて耐油剤の塗り分けが可能
 耐油剤を印刷方式で塗布するため、のりしろ部分への塗布を避け、接着性を向上できます。


■ 価格
 各種条件や生産方式を工夫することで、従来の耐油性紙容器と比較し、ほぼ同等の価格を実現しました。


■ 今後の目標
 凸版印刷は本製品を、中食・惣菜製品はもちろん、バターやマーガリンなど含油性の高い食品のパッケージとしても拡販。2015年度に関連事業を含め約5億円の売上を目指します。



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以上

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