2014/08/18

日光東照宮と凸版印刷、VR作品『日光東照宮 国宝 陽明門』を共同で制作
~現在と江戸時代の荘厳華麗な「陽明門」を再現~
日光東照宮
凸版印刷株式会社

 日光東照宮(所在地:栃木県日光市、宮司:稲葉久雄、以下 東照宮)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は共同で、VR(バーチャルリアリティ※)作品『日光東照宮 国宝 陽明門』を制作しました。2015年3月に開館予定の日光東照宮宝物館に常設するシアターで一般公開します。

 2015年に「400年式年大祭」を迎えるにあたり、東照宮はその歴史や社殿の意義などを改めて広く伝えるための手法を検討していました。一方、凸版印刷は文化財のデジタル化やその可視化手法を活用した文化財VRコンテンツの制作など、文化財のデジタルアーカイブとそのデータの利活用について、実績を積み重ねてきました。
 このたび、凸版印刷のこの実績が評価され、新設される宝物館にVRシアターを導入し、東照宮の参拝者に対し社殿の意義や修復の重要性を伝えることを目的に、VR作品『日光東照宮 国宝 陽明門』を共同で制作しました。
 本作品は、東照宮の国宝「陽明門」を、三次元計測ならびに高精細撮影し、それらのデータを活用して制作したものです。500体以上の彫刻をデジタル化、通常は高所にあるために見ることが困難な彫刻も、細部まで確認することができます。また、江戸時代の記録や唐門の修復時の調査結果などに基づき、檜皮葺の屋根や現在とは異なる柱や彫刻の色などを再現しています。あわせて、東照宮が所蔵する重要文化財「東照社縁起絵巻」のデジタルアーカイブを実施、描かれている内容から、家康公の功績と東照宮の由来を紹介します。
 東照宮と凸版印刷は今後、本VR作品を宝物館内のVRシアターで公開するほか、「400年式年大祭」のPR活動や各種講演会、修学旅行の事前学習や日光への観光PRなどさまざまな用途で活用していきます。

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VR作品『日光東照宮 国宝 陽明門』より 江戸時代の陽明門を再現(左)、彫刻の色彩を再現(右)
製作・著作:日光東照宮 凸版印刷株式会社
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新宝物館完成予想図

■ VR作品『日光東照宮 国宝 陽明門』の見どころ
・三次元計測データと高精細撮影画像を活用し、国宝「陽明門」を細部まで表現
2013年より修復中の国宝「陽明門」を、門全体の三次元計測を実施しデジタル化。また、あわせて高精細な画像取得を行い、そのデータを活用して高品質なVR作品を制作しました。陽明門に施された500体を超える彫刻をデジタル化し、高所にあるため見ることが困難な彫刻も細部まで鑑賞できます。
・調査結果をもとに、江戸時代寛永期の姿を再現
江戸時代の記録やこれまでの修復の際に発見された痕跡をもとに、檜皮葺の屋根や現在とは異なる柱や彫刻の色など江戸時代寛永期の陽明門を再現しています。また、東照宮修復の際に記録されている彩色見取図や千葉大学大河名誉教授、東照宮や日光社寺文化財保存会の監修に基づき、陽明門全体を修復後の色鮮やかな姿で表現しています。江戸時代と現在の荘厳華麗な陽明門の双方を鑑賞することができます。
・重要文化財「東照社縁起絵巻」も収録
日光東照宮が所蔵する重要文化財「東照社縁起絵巻」を高精細にデジタルアーカイブ化。高精細なアーカイブデータを活用し、後水尾上皇をはじめとする公家の筆で書かれた詞書や狩野探幽によって描かれた絢爛な絵を鑑賞しながら、徳川家康公の事績や東照宮の創建をたどれます。


■ 凸版印刷のVRへの取り組み
 凸版印刷は、1997年から文化財の展示映像手法としてVR技術の開発に取り組み、「ナスカ」「マチュピチュ -太陽の聖地」や「東大寺大仏の世界」「洛中洛外図屏風 舟木本」など、国内外の貴重な文化財をテーマとしたVR作品を積極的に製作しています。
 また、大型スクリーンを用いたVRシアターの展開を進め、海外では、中国の故宮博物院やホンジュラス共和国博物館にシアターを納入しています。国内では 2007年に東京国立博物館と共同で、東京国立博物館に「TNM&TOPPANミュージアムシアター」を開設し、VR作品を公開しています。
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/



※ VR(バーチャルリアリティ)とは
 バーチャルリアリティは、現存しない建造物や文物の内部構造など、通常では見ることができない空間の再現や、セキュリティや作品保護の観点から直接公開することができないものを公開することが可能な技術です。ビデオ映像のようにストーリーを自動再生できるほか、ゲームコントローラーを用いて任意に空間を動き回ることができる対話性が大きな特徴の一つです。


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以上

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