2013/10/28

グローバル展開を進める日本企業向けに
クラウド型の正規品判定システムを2013年11月より販売開始
キヤノンITソリューションズ株式会社
凸版印刷株式会社

 キヤノンMJ ITグループのキヤノンITソリューションズ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:浅田 和則、以下キヤノンITS)は、グローバル展開を進める日本企業向けに、クラウド型の正規品判定システムの販売を開始します。本システムには、凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子 眞吾、以下 凸版印刷)が提供する、PUF(Physical Unclonable Function)技術を搭載したICタグを活用しています。

 

 昨今、グローバルに製品の販売活動を行う日本企業において、正規の輸入品を装った並行輸入品や、同梱品の一部だけが偽物に変えられた偽造品などの、非正規品の流通が深刻な問題となっており、このような非正規品への対策が喫緊の課題となっています。
 本システムはこのような非正規品への対策ソリューションです。製造元が導入することで、製品の購入者自身が、購入前に手軽に正規品判定を行うことができるようになります。

 

■ 正規品判定システムの概要
 「正規品判定シール」で製品パッケージを封かんします。「正規品判定シール」には、従来の暗号方式とは異なる「PUF技術」を利用したRFIDが内包されています。製品購入者は、NFC機能付きのAndroid端末に専用アプリをインストールして、製品を封かんしている「正規品判定シール」の読み取りを行います。読みとった情報はクラウド上のサーバーで照会され、正規品かどうかの判定結果がAndroid端末の画面上に表示されます。
 「正規品判定シール」に採用されている「PUF技術」は、ICチップ一つずつで異なる、製造上で発生する固有の差異を利用しています。いわば「ICチップの指紋」を利用しているため、「正規品判定シール」の偽造や複製はほぼ不可能です。また、簡単には剥がせないようになっていて、開梱などにより内包されたRFIDが切断されてもデータの読み取りが不可能となり、非正規品と判定されます。ホログラムも貼付されているので、目視検査による正規品判定も同時に可能となります。これらの特長により、商品の入れ替え防止と高精度な正規品判定を実現することが可能となります。
 本システムは、キヤノンITSの中国現地法人である佳能信息系統(上海)有限公司と凸版印刷が共同で開発し、既に佳能(中国)有限公司(以下、キヤノン中国)で実運用が開始されています。2013年9月現在では、一部デジタル一眼レフカメラの製品パッケージに適用されています。

 

■ 日本国内での販売
 キヤノンITSは同様の課題を抱える日本企業向けに、凸版印刷と連携して本システムの提供を行います。PUF技術を使用したRFIDを内包した封かんシールおよびその正規品判定処理を凸版印刷が提供し、Android上のアプリを含めたシステム全体の開発・販売をキヤノンITSが実施します。
 販売価格は、「正規品判定シール」1枚あたり80円~(システム利用料込)です。今後、CRMと連携したマーケティング機能等、スマートフォンアプリの機能を拡張していき、2017年には50億円の売上を目指します。

 

■ キヤノン中国での導入例
<正規品判定シール>

正規品判定シール
<正規品判定結果画面>
構成概要図
<構成概要図>
正規品判定結果画面
■ PUF(Physical Unclonable Function)技術について
ICチップ製造プロセスには、チップ一つずつに対して製造上に発生する固有の差異があり、これをデジタル化して抽出することによって「PUF特徴量(パラメータ)」として利用可能になります。
この「PUF特徴量(パラメータ)」は、発生パターンが予測不可能、恒久的に維持される、という、いわばICチップの「指紋」のような特性を持ち、仮にLSIの回路パターンが不正コピーされても、本物と偽物の区別が可能であることから、偽造防止に極めて有効です。
■ NFC(Near Field Communication)機能について
ISOで規定された国際標準の近距離無線通信技術です。昨今のスマートフォンには非接触ICカード機能やリーダ/ライタ機能として搭載が進んでおります。タイプA、タイプB、FeliCa、ISO15693の通信方式に対応しています。
以上

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