凸版印刷株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：金子眞吾、以下 凸版印刷）は、紙にゼオライトを高密度で充填した、放射性セシウムを吸着するゼオライト機能紙「FS-ZEO（エフエス・ゼオ）」を提供しています。
　今回、このゼオライト機能紙「FS-ZEO（エフエス・ゼオ）」のラインアップを拡充、薄型の特殊シートを貼り合せて、敷設したゼオライト機能紙の回収性を高めた軽量タイプと、高強度の特殊シートを貼り合せて、耐加重などの強度を高めた高強度タイプの２種類の新製品を開発しました。最終処分場や高圧洗浄による除染の際の下敷き、フレコンバックなどの内袋用途として、2012年10月下旬より本格的な販売を開始します。

　ゼオライト機能紙「FS-ZEO」は、東北地方の最終処分場において本格採用され、放射性物質を含んだ煤塵（ばいじん）からの万が一の放射性物質の流出が起きた際の土壌汚染を防止させるための下敷きとして活用されています。また福島県川内村で実施されている土砂や水などに含まれた放射性セシウム拡散防止の実証実験でも、ゼオライト機能紙が活用されています。
　これら採用にあたっては、紙（ロール）の形状であることから施工が非常に容易であること、ゼオライトが重量比で80％以上含まれ吸着性能に優れること、機能紙がゼオライト粉とパルプで構成されていることから環境にも優しいことなどが評価されました。

　「FS-ZEO」の性能面で、採用事例の中では、汚泥の除染で99%以上の放射性物質を除去し処理水が排水可能な水準まで低減できた場合がありました。「FS-ZEO」がゼオライト単体と同様に放射性物質の吸着性能があることが確認されています。

　今後も機能の強化によるラインアップ拡充を進め、環境改善に役立つゼオライト機能紙シリーズ商品を提供していきます。

■背景
　放射性セシウムを吸着する吸着剤としてゼオライトが知られ、農地や森林、水田などでの除染作業ではゼオライト粉を散布する方法等が使われています。これらの散布方法に対してゼオライト機能紙は、ロール原反での提供が可能なことから、対象の土地などに対して均一に、かつ簡単に敷き詰めることが可能となり、施工の手間が大幅に削減されます。また、ロール原反の状態で備蓄しておくことにより、緊急事態の際などにスピーディに加工するとともに、施工することが可能となります。
　一方で、上記のようなロール原反の特徴を活かして、高圧洗浄による除染作業で飛散した汚染水の下敷きとして使いたいという要望がありましたが、敷いたゼオライト機能紙を巻き取りにより回収しやすくして欲しいというニーズがありました。また、最終処分場の下敷きとして本格採用されましたが、重機などが軟弱地盤上のゼオライト機能紙の上に通行した際にも破断などがないように更に強度を上げたいというニーズがありました。
　今回はこれらのニーズに対応するべく、従来のゼオライト機能紙に特殊シートを貼り合せた軽量タイプ、高強度タイプの２種類の新製品を開発しました。

■製品の概要
１）ゼオライト機能紙　軽量タイプ　「FS-ZEO-NW」
　従来のゼオライト機能紙に薄型の特殊シートを貼り合わせ、耐水性の向上や巻き取る際の回収性を高めました。
　貼り合わせは、片面、両面のどちらにも対応しています。
　＜主な仕様（両面貼合せタイプ）＞
　・サイズ：　約1000ｍｍ巾のロール形状、厚さ：約0.75mm
　・特長：　FS-ZEO単体に比べて巻き取る際のゼオライトの脱落を極小化、また耐久性の向上により長期間放置後の回収も容易

２）ゼオライト機能紙　高強度タイプ　「FS-ZEO-TE」
　従来のゼオライト機能紙に高強度の特殊シートを貼り合わせ、耐加重などの強度を高め、軟弱地盤上に敷いた上に重機が乗ったりしてもゼオライト機能紙が破断したりすることを防止いたしました。
　貼り合わせは、片面、両面のどちらにも対応しています。
　＜主な仕様（両面貼合せタイプ）＞
　・サイズ：　約1000ｍｍ巾のロール形状、厚さ：約1.4mm
　・特長：　FS-ZEO単体に比べて引っ張り強度（約６倍向上）と引き裂き強度が向上し耐久性アップ

■想定価格
軽量タイプ、高強度タイプ　どちらも
・片面貼り合わせ加工　800円／平方メートル
・両面貼り合わせ加工　1000円／平方メートル
（参考：　従来のゼオライト機能紙では500円／平方メートル）

■今後の展開
　今後、除染現場や全国での最終処分場への販売を強化し、2013年度に5億円の売上を目指します。
さらに「FS-ZEO」シリーズのラインアップ拡充をすすめ、商品力の強化を図ります。

＊ 本ニュースリリースに記載している会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
＊ 「FS-ZEO」は凸版印刷にて登録商標出願中です。
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