2012/04/17

懐徳堂研究センターと凸版印刷、懐徳堂文庫が所蔵する版木の
総合調査とデジタルアーカイブ化を実施
〜第一弾としてデジタルコンテンツ「画本大阪新繁昌詩」を「WEB懐徳堂」にて
公開〜

 国立大学法人大阪大学の文学研究科懐徳堂研究センター(住所:大阪府豊中 市、センター長:湯浅邦弘、以下 懐徳堂研究センター)と凸版印刷株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、大 阪大学が所蔵する貴重資料「懐徳堂文庫※1」の総合調査とデジタルアーカイブ 化を共同で実施しています。今回、懐徳堂文庫の中から明治初期の絵入り詩集 「画本大阪新繁昌詩(がほんおおさかしんはんじょうし)」の版木をデジタル アーカイブ化、そのデータを活用し一般閲覧用のデジタルコンテンツ「画本大阪 新繁昌詩」を制作しました。このデジタルコンテンツ「画本大阪新繁昌詩」は懐 徳堂研究センターが運営するWEBサイト「WEB懐徳堂( http://kaitokudo.jp/ )」 で4月1日から公開されています。
 なお、「画本大阪新繁昌詩」の版木のデジタルアーカイブデータの一般公開は 初めての試みです。

 本コンテンツは、「画本大阪新繁昌詩」の版木の細部を鮮明に閲覧できるほ か、同じ版木で印刷された可能性の高い紙本の画像データを左右で照らし合わせ たり、重ね合わせながら閲覧できるものです。 本コンテンツで版木と紙本を比 較、検証することにより、木版印刷への理解を深めることはもちろん、「画本大 阪新繁昌詩」への理解を促進します。

 懐徳堂研究センターと凸版印刷は、今後も貴重資料「懐徳堂文庫」の総合調査 とデジタルアーカイブ化を進めるとともに、一般公開の実現を目指します。

(左)版木「画本大阪新繁昌詩」  (右)デジタルコンテンツ「画本大阪新繁昌詩」TOPページ
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■背景
 現在、「懐徳堂文庫」には、書籍や書画、屏風や印章の他に300枚を超える版 木がありますが、保存状態の維持のため閲覧には申請が必要でした。
 また、貴重資料を写真撮影し、画像を公開する方法がありますが、版木は使用 時に墨を塗っていることから、凹凸が分かりにくい画像となり、デジタル化が進 んでいませんでした。
 今回、凸版印刷が開発した文化財デジタルアーカイブ用の「大型オルソスキャ ナー」※2を活用することで、「画本大阪新繁昌詩」の版木のデジタルアーカイ ブ化を実現。また、これまで培ってきた画像処理技術を活用し、デジタルコンテ ンツ「画本大阪新繁昌詩」を制作、一般閲覧を可能にしました。

■ デジタルコンテンツ「画本大阪新繁昌詩」の詳細
コンテンツ構成
・懐徳堂と版木
江戸時代の大阪学問所「懐徳堂」の解説や版木のしくみ、「画本大阪新繁昌詩」 や「懐徳堂文庫」の版木群に関して解説します。
・「版木ビューア」
15枚の版木(表裏30丁分)の細部を詳細に閲覧できます。デジタル化したままの 「オリジナル」と画像データを反転し、版本と同じ状態にした「反転」で表示で きます。
・「対照ビューア」
同じ版木で印刷された可能性の高い紙本を左右に並べて比較しながら閲覧できま す。版木のオリジナル画像と紙本を比較できる「比較表示」と反転した画像と比 較できる「反転比較表示」を選択可能です。
・「照合シュミレーション」
版木と紙本のデータの透明度を変更し、重ね合わせて比較できます。版木と紙本 にどの程度違いがあるかを比較できます。

※1 懐徳堂文庫
江戸時代の大阪学問所「懐徳堂」に由来する約5万点の貴重資料の総称で、現 在、大阪大学附属図書館に収蔵されています。書籍や書画、屏風や印章などと いったさまざまなジャンルの資料を備えています。

※2 「大型オルソスキャナー」
自社開発した大型オルソスキャナーは、立体的な文化財の精確な形や大きさを知 ることができる高精細カラー画像を取得するためのスキャナー。従来型のスキャ ナーやデジタルカメラでは困難だった歪みのない正射投影画像を色彩データと同 時にデジタル化することが可能で、幅120cm、奥行150cm、厚み15cmまでの大型の 対象物を計測することが可能です。
また、精確な色彩情報を取得するために、文化財に対して熱などのダメージを与 えずに均一な照明を行うことが可能な照明システムを採用しています。


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以上

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