コラム Columns

TOPPAN株式会社

生活者×ブランド×社会の課題を“突破”する、TOPPANの商品企画

事例と担当者インタビューから紐解くTOPPANの商品企画力

昨今、製造販売に携わる企業を取り巻く社会課題は山積みであり、特にサステナブルに関わるテーマは、これまで以上に取り組むべきものといえます。

例えば容器包装、いわゆる商品パッケージにおいては過剰包装を減らすのはもちろん、プラスチック使用量を削減する素材に置き換える、リサイクル素材を採用する、リユースしやすい形態にする、などさまざまな取り組みが実践されています。これからのパッケージを考える上で、その存在意義を高めるには何をすべきなのでしょうか。

TOPPANが出した答え、それは、環境に配慮するなどの社会的な価値に、ブランドの価値・生活者の価値を合わせた商品・パッケージづくりを指向する、という方法論です。

それらの価値は、どのようなプロセスで創出していくものなのか。TOPPANが手がけた株式会社明治様(以下 明治)「メルティーキッス冬期限定アソート」のパッケージ企画事例から紐解いていきます。

課題そのものを“付加価値”に昇華させるクロスオーバーな発想

今回、この企画の中心として携わった「パッケージソリューション事業部商品企画部」は、商品パッケージを基点にマーケティングからブランディング、デザインから構造設計、そしてプロモーションまでを一気通貫でマネージメントする部署です。本部署に所属するプランナー伊藤友香氏と、アートディレクター貝塚珠季氏に、今回の企画事例について話を聞きました。

クライアントである明治からの要望は“コミュニケーションの楽しさを付加する”という、ブランドコンセプトをより強化する要素を軸に据えつつ、さらにサステナブルな取り組みも反映させたい、といったもの。

伊藤:「明治様のご要望は、『幸せをつなぐチョコレート』というコンセプトのメルティーキッスが提案するパッケージとして、親子や大切な人との時間を演出するコミュニケーションとしての付加価値を提供したい、ということが第一にありました。加えて未来に“幸せをつなぐ”という意味でも、“今日から、気軽に誰でもすぐできるサステナブル”を明治様として提案したいという意向を元に、企画がスタートしました。」

「コミュニケーション」と「サステナブル」、2つの両立という要望そのものが課題となったのです。

商品企画部ではさまざまなジャンル、カテゴリーの商品パッケージを扱っています。この案件でアートディレクションを担当した貝塚珠季氏も、菓子だけではなく化粧品など幅広い業界に活躍の場を広げています。

貝塚:「入社以来、食品や菓子、そして化粧品やトイレタリーなどあらゆる業種、あらゆるジャンルのパッケージを手がけてきました。ジャンルを跨いだ知見、経験値が私たちの強みだと考えています。」

貝塚:「例えば、コスメで気持ちがアガるプチギフトのアイデアを考える際、菓子のパッケージでよく用いられる形態を参考にする。逆に、菓子の限定パッケージに対して、コスメのハイブランドでよく用いられる印刷技術による装飾表現を提案してみる。ある業界ではよく見られる手法でも、別のカテゴリーに応用すると新しい表現になり、差別化したパッケージを生むことができます。」

つまり、さまざまな業界の幅広い知見と、それを柔軟に応用する発想がポイントとなってきます。そして、その“クロスオーバーさせる発想力”が、今回の『遊べるパッケージ』でも発揮されたのです。

“遊べる”をキーワードに2つの課題をブランド体験に変える

今回の明治「メルティーキッスパーティアソート袋」のパッケージは、外装の下部に雪景色のイラストを入れ、その部分を透明にすることで、楽しいアフターユースを提案した事例です。
スマートフォンのライトで照らすと幻想的なランタンに。壁に投影するとイルミネーションに。袋を内側から覗くと透明部分から光が漏れて雪景色が広がる…と、おうち時間をより楽しく演出する仕掛けで、複合的な体験価値を生み出した企画になりました。
これらが評価され、「第61回2022年ジャパンパッケージングコンペティション」では、一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞を受賞しました。

まさに『コミュニケーションの楽しさ』『気持ちのいいサステナブル貢献』というクライアントの2つの課題を付加価値に変えた『遊べるパッケージ』を実現するとともに、従来の製造工程に影響を与えない仕様での受注に成功しました。

パッケージが生み出す「体験」を生活者に提供することがブランド力の向上にもつながり、サステナブルの視点から見ても、遊べる→手元に持っていたい=捨てずにずっと取っておきたいパッケージを実現し、発想力で課題をクリアしつつも付加価値を与えるものになりました。

ではこの企画アイデアがどのような過程を経て商品化に至ったのでしょうか?それこそがTOPPANの底力が発揮されたポイントです。

実現可能な技術力があってこそ企画力が生かされる

アイデアのみがそこにあったとしても、それは単なる“絵に描いた餅”。形にして初めて「実現できた」と言えます。

TOPPANは、その長い歴史のなかで、原点である「印刷術」を「印刷技術」に進化させ、そこにさまざまな知識・ノウハウと加工技術を融合させることで、独自のリソースとして「印刷テクノロジー」を体系化し、さまざまなソリューションを創出してきました。

そのような盤石なバックグラウンドがあるからこそ、商品企画部特有のフットワークの軽さが活きてくるのです。

貝塚:「この案件も、提案までの短期間で伊藤さんとパッケージを切り貼りしつつ、手元のスマートフォンやビジネス手帳、コーヒーカップに巻き付けてみたり(笑)。そんな試行錯誤の中でランタンのアイデアは生まれました。手元にあるものでとにかくやってみる、は今回のクライアントのご要望である“気軽に誰でもできるサステナブル”ともリンクしますし、考えている段階から我々自身もワクワクしていたので、生活者にもきっとこの楽しさは届くだろうと思えました。」

伊藤:「あの時間は集中して本当に楽しかったね。(笑)ただ、ここからが重要で、発想したアイデアが可能かそうでないか、製造面、コスト面でのジャッジを最速で下せるのが私たちの最大の強みだと考えています。すぐに製造に精通している関連部署と連携し、必要であればすぐにサンプルを製作することもできる。軽いフットワークで多様なジャンルのアイデアをクロスオーバーさせながら、地に足の着いた骨太なアイデアを出せるのはTOPPANならではだと自負しています。」

つまり、アイデアの初期段階ですぐにサンプルを作成して試してみるフットワークの軽さは、印刷とそれに関連する製造のプロとしての機能と一対になっているからこそ、最大の強みとなるわけです。

「企画〜製造までを一貫するトータルプロデュース力」が実現する、パッケージ・イノベーション

お客さまのご要望に応えるために、どのように自社の強みを掛け合わせていくかは、TOPPANにとってとても重要なポイントです。
商品企画部は、まさにその点を担う重要な“機能”を有しています。
「他業界の知見をクロスオーバーさせ適切に展開する広い視点」
「パッケージを通じてブランド体験を高める企画力」

これら商品企画部独自の専門性に加え、TOPPANという企業の持つさまざまなソリューションをつなぎ合わせることで生まれる、
「クリエイティブ視点にモノつくり視点を掛け合わせたアイデアの具現化力」
この部分こそが企画力だけでない、企業としての強みと結びつくことで生まれるTOPPANの商品企画部ならではの大きな特長であり、最大の優位性です。

「企画〜製造までを一貫するトータルプロデュース力」

この専門性が、お客さまの課題、生活者の課題、そして社会課題までを“突破”し包括的に解決する、パッケージ・イノベーションの重要な鍵となると考えています。

TOPPANはパッケージに関する、
さまざまな課題にお応えします。
お気軽にご相談ください。

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