水害マンガ

1.どうする?水害から命を守る行動

 
マンガ制作のきっかけは2019年10月の台風19号。みんなで、助かるために、みんなで大規模水害からの避難を考えたいとの思いから、このマンガが作成されました。

ゼロメートル地帯に荒川と江戸川という大きな川が流れ込む東京都江戸川区とその近隣の自治体。2019年10月に各地に甚大な被害をもたらした台風19号では、荒川は氾濫危険水位に迫り、一歩手前のところで大規模水害を免れましたが、江戸川区でも多くの方が自宅で、または避難所で不安な時間を過ごしました。

もし、あのとき荒川が氾濫していたら・・・

大規模水害から自分と大切な人を守るためには

・情報を把握して、早めに判断する
・早めに危険域外に避難する

ことが大切になります。

「江戸川みんなの防災プロジェクト」の事務局メンバーも、前日に江戸川区から出て避難した人や避難したくても、出産直前の家族がいたり、バリアフリーの避難先がみつからなかったり・・・とさまざまな葛藤があったそうです。この時、「江戸川ワーキングマザー交流会」による子育て世代のアンケートではこんな声がありました。

<避難について>
・早期避難を実施したが、小さい子を連れて江東5区から出るのは大変
・避難のタイミングが本当に難しかった。このタイミングで避難すると決めたものの、とても不安だった。
・ハザードマップの説明会が夜間だったため、出られなかった。小さな地区ごとに説明会&意見交換会があれば、地域の皆さんとつながるきっかけにもなると感じた。
・早期避難を実施したが、混乱状態の場合は乳幼児連れで出ない方がいいのかとも感じた。
・小学生がいるので、慣れている小学校に避難できると思うと安心感が得られた。実際には避難はしなかったが、避難所の職員さんに女性の方もいてほしいと感じた。
・広域避難を3カ所検討していたが、どこも被害に遭っていたため見直しが必要と感じた。
・お昼ごろに早期避難を検討し避難所を見に行ったが、高齢者がほととんどで静かにしており、こどもたちを連れていく勇気がなくなった(その後、避難者が増え、乳幼児用の部屋ができたと聞いた)

<自宅待機について>
・自宅待機を選択したが、たまたま子どもが熱を出し、停電断水し、不安で押しつぶされそうだった。防災講座でつながったライングループで、各地域や家庭の状況把握ができて心強かった(子どもの体調不良・急なおねしょなどがあったという方が複数名いた)

※「江戸川ワーキングマザー交流会」アンケートより抜粋(対象:乳幼児~小学生の子を持つママ20人前後で未就園児なし)

作成にあたっては、

・映画『天気の子』(新海誠監督)の監修も行った、マンガの雲博士のモデルになっている、雲研究者・気象研究所研究官・学術博士の荒木健太郎さん
・全国で講演を行うアウトドア防災ガイドでリスク対策.com名誉顧問のあんどうりすさん

が監修されてます。
 

 

○マンガ「どうする?水害から命を守る行動」について
「江戸川みんなの防災プロジェクト」が、水害時、みんなが助かるようにと願いを込めて専門家の監修を得て制作し、無料で公開しています。
○江戸川みんなの防災プロジェクトとは
「みんなが助かる みんなで助ける防災を」を合言葉に、江戸川区の地域に根差した防災啓発活動を行う区民有志のボランティア団体。障害当事者、小さな子供のいる親、防災の専門家等、多様なメンバーで構成されて、気軽に防災について語る「防災ふらっとカフェ」「防災アンバサダー」の育成等に取り組んでいます。