備える編

第6章 防災メモ、財産目録、非常持ち出し品を準備しよう

1. 連絡先は防災メモにまとめておこう

 いざという時のために集合場所や家族の連絡先をまとめておくのが「防災メモ」です。特に電話番号については、携帯電話やスマートフォンの電話帳に登録している人がほとんどですが、携帯やスマホを紛失・故障させてしまうと情報を失います。しっかり記載しておきましょう。なお、意外と書き忘れがちなのが自分の名前です。身元確認にも使えるので記載するようにしましょう。また、かかりつけの病院や常備薬がある場合は必ず記載しておきましょう。万が一別の病院に運ばれた時に病院同士の連携がスムーズになります。防災メモは財布の中などに入れておき、日頃から携帯しておくのがよいでしょう。

  • 防災メモは家族で話し合いながら作ると、家族全員の防災意識が高まる

2. 財産目録でお金を守る

 預貯金がどの銀行に入っているのか、どんな保険に入っているのかなど、資産を記録しておくのが「財産目録」です。重要な資産情報については、家族は意外とわからないものです。重要書類と一緒に厳重に保管するとともに、定期的に記載内容を確認、更新しましょう。なお、防災メモ同様、個人情報になりますので、保管には注意を払いましょう。

3. 家庭では非常持ち出し品と備蓄品を作っておこう

  • 持ち出し品は自分や家族の状況に応じて、必要なものを準備

 災害が発生すると、ライフラインの被害により救援物資が行き渡らない場合があります。また、大規模災害時は被災地に救援物資が届くまでに、おおむね3日間かかるといわれています。食料品や生活に必要な物品は最低3日間、できれば7日分準備しておきましょう。
 
 身を守る、情報を得るために必要なもの、救援物資が届くまでに必要な最低限の食料は、非常持ち出し品として、両手が使えるリュックタイプの袋などにまとめておきましょう。また、災害時はスーパーやコンビニなどのお店に人がおしよせ、商品がすべて無くなることも想定されます。家庭内に備蓄品をしっかり準備しておきましょう。なお、備蓄品は年に1回の「防災の日」などで定期的に賞味期限を確認するとよいでしょう。
 
 最近では、普段から食べている常温保存可能な食料や、レトルト食品を多めに購入し、食べた分だけ買い足していく「ローリングストック法」という備蓄方法も注目されています。1カ月に1度、多めに買った食品を食べるというルールを作り補充していけば賞味期限忘れを予防できます。

 

4. 会社にも防災用品を置いておこう

 大地震などの災害に遭遇するのは、自宅にいる時だけとはかぎりません。そこで会社にも最低限の防災用品をそろえておきましょう。職場に必要な防災用品で意識することは、歩いて自宅に帰宅する時に必要なものです。しかし、災害発生直後の徒歩での帰宅は、危険と隣り合わせということを意識しておきましょう。火災や建物倒壊などの二次災害に巻き込まれることを想定し、無理に帰宅せず会社からの指示に従い、会社にとどまる選択も重要になります。なお災害帰宅時においては、靴がとても重要です。瓦礫や窓ガラスの破片が散乱していることを想定して、岩場でも歩けるトレッキング・シューズなどを備えておくのがよいでしょう。

  • 東日本大震災後の渋谷。慌てて帰宅するのではなく、冷静に行動することが大切