備える編

第4章 災害用伝言サービスを知っておこう

1. 災害用伝言ダイヤル

 震度6弱以上の地震など大規模な災害が発生した場合に、安否情報や避難先といったメッセージを録音・再生できるシステムが「災害用伝言ダイヤル(171)」です。災害時は被災地宛の電話がつながりにくくなりますが、災害用伝言ダイヤルの伝言センターは全国に分散されたシステムで運用されているので、スムーズに伝言のやり取りができます。

 171番に電話して固定電話または携帯電話、PHS等の電話番号を登録すると、伝言メッセージを録音して保存することができます。1回の録音は30秒以内、電話番号1つにつき最大20件までの保存が可能で、他人に聞かれたくない伝言には暗証番号を設定することもできます。2019年8月より、「災害用伝言板(web171)」「災害用伝言板」との連携もスタートし、それぞれで登録された伝言内容を相互に確認できるようになりました。

■災害用伝言ダイヤルの使い方

<参考リンク>

2. 災害用音声お届けサービス

 専用アプリをダウンロードしたスマートフォンから、音声メッセージを送信できるサービスです。現在、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、Y!mobileの4社で実施されており、異なるキャリア間でも音声メッセージを送ることができます。

 1伝言あたり30秒までの音声メッセージを登録でき、電話番号1つにつき最大20件まで蓄積可能。音声メッセージは相手がダウンロードすると削除されるしくみですが、ダウンロードされていない場合も一定期間後に削除されます。

■携帯電話各社の災害用音声お届けサービス

<災害用音声お届けサービスのしくみ>

3. 災害用伝言板

  • 災害用伝言板を使えば離れている家族とも連絡がとりやすい

 大災害時には、インターネット上にも伝言板が開設され、被災者の方の安否情報や伝言を登録・閲覧することができます。NTTや携帯電話各社が提供しており、それぞれに登録された伝言内容を一括検索することも可能です。

①災害用伝言板(web171)
 NTTによって提供される伝言板サービスで、専用サイトにアクセスすれば、キャリアを問わず利用できます。自分の電話番号を入力後、安否情報または1件あたり最大100文字の伝言を登録します。伝言を伝えたい方の通知先をあらかじめ登録しておけば、伝言を登録した際に設定した通知先に伝言内容をメールまたは電話(音声)で通知することも可能です。

<参考リンク>

 

②携帯電話各社の災害用伝言板
 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、Y!mobileは携帯電話またはスマートフォンから安否情報や伝言を登録できる「災害用伝言板」を提供しています。災害時には、各社の公式サイトのトップページに災害用伝言板の案内が表示されるほか、スマートフォンの場合は専用アプリからもアクセスできます。被災した地域に居住・滞在しているユーザーであれば、1携帯電話番号あたり10件(※)、1件あたり最大100文字の伝言を登録できます。事前に設定した宛先に伝言登録をメールで通知することも可能です。登録された伝言はインターネットを通じて、他キャリアの携帯電話やパソコンからも確認できます。
※ソフトバンク、Y!mobileは80件まで

<参考リンク>

4. SNSで安否を報告・確認する

SNSの中には、災害時に役立つサービスを提供しているものもあります。

①LINE
 大規模な災害が発生した際には、LINEの公式アカウントから自動的にメッセージが届きます。「被害があります」「無事です」「災害地域にいません」から該当するものを選択して投稿すると、タイムライン上で自分の状況を知らせることができます。
 そのほか、自分の名前の横に表示される「ステータスメッセージ」に状況を書き込み、LINEで友だちになっている全員に知らせる方法もあります。ステータスメッセージはプロフィールから編集可能です。

②Facebook
 Facebookには「セーフティチェック(災害時安否確認機能)」があります。複数の情報から利用者が被災地にいると判断された場合、Facebookから無事を報告するよう依頼する通知が届きます。また、「災害支援ハブ」からFacebookの友だちの無事を確認したり、安否確認をリクエストしたりすることもできます。

③Google
 Googleは「パーソンファインダー」という安否確認サービスを提供しています。自分や家族の安否を報告したい場合は、公式ページにアクセスし、「安否情報を提供する」を選択。名前を入力し、「自分の情報を入力する」もしくは「自分以外の人の情報を入力する」を選択し、識別情報や状況を入力します。
 家族や友だちの安否を確認したい場合は、トップページで「人を探している」を選択し、名前または携帯電話番号を入力して検索します。対象者の状況が更新された場合にメールで新着情報を受け取ることも可能です。

<参考リンク>

5. 会社の安否確認システム

 TOPPANでは災害時の従業員の安否確認や従業員への連絡ツールとして安否確認システム「エマージェンシーコール」を導入しています。会社からの安否確認の連絡を受信したら、速やかに回答を行ってください。なお、緊急時にスムーズに連絡が行われるよう、連絡先が追加・変更になった場合は、その都度すぐに登録内容を変更してください。また、このシステムには、社員以外(家族など)との連絡手段として利用できる「伝言サービス」の機能もあります。現状の登録内容や操作方法などを念のため確認しておきましょう。

■「エマージェンシーコール」