備える編

第1章 自宅や勤務先周辺の災害リスクを知っておこう

1. 周囲の環境を把握しておく

 防災を考える上でまず重要なのが、自宅や勤務先周辺の災害リスクを知っておくことです。地形や周辺環境によって、脅威となる災害の種類や被害想定は変わってきます。

 例えば、海の近くや川沿いの場合は、地震によって発生する津波や台風の接近によって生じる高潮に注意が必要です。実際、2011年3月11日に起こった東日本大震災では津波が北上川の河口から49km上流までさかのぼっていたことがわかっています。

 また、都心部の場合は、大規模な火災などの二次災害を同時多発しやすいといわれています。山間部の場合は、山崩れや土石流、地滑りなど土砂災害の危険性が上がります。

  • 東日本大震災では津波によって内陸に流された船舶も見られた
    東日本大震災では津波によって内陸に流された船舶も見られた

2. 地盤が弱い土地は災害リスクが高い

  • 東京東部の低地に加え、湾岸エリアには埋め立て地も多い
    東京東部の低地に加え、湾岸エリアには埋め立て地も多い

 標高の低い平野部は地盤が軟弱であるという特徴があります。低地は、最終氷期以降(約18,000年前より後)に海や川から運ばれた土砂が堆積した沖積層から形成されていますが、まだ固まっておらず柔らかい地層のため、地震時の揺れが大きくなり建物が倒壊しやすいのです。さらに、湾岸部の埋め立て地や河川の流路だった場所、沼や湿地を埋め立てて盛土した宅地造成地といった緩い砂状の地盤かつ地下水位が高いところでは、大きな地震で激しく揺れることによって地下水の水圧が上がり、地層自体が沼のようになってしまう液状化現象が起こりやすいとされています。

 一方、台地や丘陵部、山間部は地盤が強いとされますが、部分的に地盤が軟弱な場所や土砂崩れが起こりやすい急斜面なども存在します。

3. 行政が発信する情報を確保しておく

 行政が発信している情報は、自宅や勤務地周辺の災害リスクを把握する上でも役立ちます。例えば、東京都はおおむね5年ごとに「地震に関する地域危険度測定調査」を行っており、各地域における建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)と火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)に災害時活動困難度を加味した総合危険度をまとめています。各地域の危険度ランクは5段階で評価され、数字が大きいほど危険性が高くなります。

 建物倒壊危険度が高い地域は、地盤が弱く古い木造や軽量鉄骨造の建物が密集しているところで、荒川・隅田川沿いの下町地域一帯に広がっています。火災危険度は、燃え広がりやすい木造建築物が密集し、幹線道路や公園などの延焼遮断帯がない地域ほど高く、区部の環状7号線沿いやJR中央線沿線などに分布しています。

 そのほか、津波や洪水、火山噴火、土砂災害といった自然災害による被害想定や避難場所・経路などを地図上に示した「ハザードマップ」を各自治体が公表しています。各地域のハザードマップは国土交通省「ハザードマップポータルサイト」で検索できるので、一度チェックしておくと良いでしょう。

  • 地図を使って災害リスクを簡単に確認できる
    地図を使って災害リスクを簡単に確認できる

4. 会社の災害対応方針も確認を

 トッパンでは、従業員の安全確保を図り、会社の損害を最小限に抑えるために「トッパン震災時行動マニュアル」や「災害対策基本計画」を作成しています。また、お客さまへの製品・サービスの提供を継続させるために、事業継続マネジメント(BCM)の活動も行っています。災害に対する会社の対応方針が書かれているものですので、確認しておきましょう。