守る編

第11章 もし地震が来たら②移動中・屋外の場合

1. 駅や空港にいたら

 駅の構内にいるときに大きな揺れを感じたら、頭をカバンなどで守り姿勢を低くして、柱やベンチに身を寄せます。強い揺れやパニックになった人の群れに巻き込まれて線路に落ちることのないよう、できるだけホームの中央部に移動しましょう。混雑で身動きが取れなければ、その場にうずくまって身を守ってください。時刻表示板などの落下物や自動販売機の転倒にはくれぐれも注意すること。地下鉄の駅構内など地下にいる場合は閉塞感からパニックに陥りやすいものですが、地上よりも揺れは小さくなるので閉じ込められる可能性は低く、非常口も60m間隔で設置されています。揺れが収まったら係員の指示に従ってあせらずに出口から避難してください。

 空港にいる場合も同様に、天井材の落下や窓ガラスの飛散などに注意しながら、柱などのそばで揺れが収まるのを待ちます。

  • 駅で地震が発生したら頭部を守りホーム中央へ

2. 電車に乗っていたら

 電車は震度5程度の強い揺れで緊急停止装置が作動するようになっています。かなりの急ブレーキがかかるので、立っている場合はつり革や手すりをしっかり握って倒れないように注意してください。座席に座っている場合は、カバンなどで頭部を保護して低い姿勢を取りましょう。

 また、新幹線も同様に緊急停車しますので、座席に座っている場合は前の座席との間に身を伏せ、投げ出されないように注意してください。立っている場合は座席の持ち手を握るか、姿勢を低くして座席に身を寄せましょう。

 停車後は慌てて車外に飛び出さず、乗務員の指示に従って降車してください。特に地下鉄は線路脇に高圧電線が設置されていることもあるので、むやみに線路に降りるのは危険です。

3. 車で移動中だったら

 車を運転中に地震が発生したら、ハザードランプを点灯して徐々にスピードを落とし、一旦道路の左側に停車してエンジンを切ります。急ハンドルや急ブレーキ、いきなり車外に飛び出すことは避けてください。周囲の状況に問題がなければ、揺れが収まるまで車内にとどまり、カーラジオなどで地震の状況などを確認しましょう。

 車を置いて避難する場合は、できるだけ道路外の場所に移動しておいてください。やむを得ず道路上に置いて避難する際は、道路の左側に寄せて駐車します。緊急時に車を移動させることもあるため、キーは付けたままか運転席など分かりやすい場所に置き、ドアはロックしないこと。車検証や貴重品を持って降り、徒歩で避難しましょう。

  • 車を置いて避難する場合はいざという時に移動ができる状態に

4. オフィス街や繁華街にいたら

 オフィス街や繁華街にいるときに地震が発生したら、ガラスや看板などの落下物から身を守りながら、公園などの広場か耐震性の高い建物に避難してください。近くに地下鉄の入り口や地下街がある場合は、そこに逃げ込んでも良いでしょう。

 オフィスビルなどの窓ガラスが割れると、時速40〜60kmものスピードで四方八方に飛び散ると言われています。また、強い揺れによって電柱や自動販売機なども倒れてくることがあります。カバンなどで頭を保護し、速やかに建物や電柱などから離れましょう。

 特に人が多い場所では、パニックに巻き込まれるとケガをするおそれがあります。できるだけ人混みを避け、冷静に行動することが大切です。

5. 山間部にいたら

 登山やハイキングなどで山にいるときに地震が起こった際は、土石流やがけ崩れといった土砂災害に注意する必要があります。もし、地震後に地鳴りや山鳴りが聞こえたら、土砂災害の危険が迫っていると考えられるので、速やかに土砂災害警戒区域や土砂災害危険箇所から離れてください。土石流については谷筋に沿って流れていくので、谷筋に対して直角の方向に逃げること。落石が発生することがあるので頭を守り、できるだけ浸水していない場所を歩きましょう。雨の後や余震があると土砂災害のリスクも上がるので細心の注意を払って行動してください。

  • 土石流が発生したら流れに沿って直角の方向に避難を